新国立競技場の混乱に関する舛添都知事の批判/日本の針路(200)
新国立競技場の建設計画見直しをめぐり、東京都の舛添要一知事が自身の公式ツイッターで、政府の対応を批判した。
舛添知事に全面的に賛同はできないが、このツイートに関しては正論であろう。
「国立」である以上、国が第一義的な責任を負うべきである。
これだけの醜態を晒しながら、誰も責任を取らないという「無責任の体系」があってはならない。
⇒2015年7月 9日 (木):新国立競技場建設にみる無責任の体系/日本の針路(194)
安倍首相は7月10日の衆院特別委員会で、新国立競技場のデザインについて「民主党政権時代に決まったこと」だと述べた。
国際コンペをやると約束し、監修権等をザハさんに与えると決まったのが2012年11月、我々が政権につく前のことだ。事実として述べると、民主党政権時代に、ザハ案でいくということが決まり、オリンピックを誘致することが決まった」と述べた。
さらに安倍首相は、「その後、コストがかさむことがわかってきた。確かに費用がかさみ、多くの国民もそう思っているのではないかと思う。私も、『どうなんだ』と事務方に問い合わせた。しかし、この案をやめて新たに国際コンペを行ってデザインを決めることをやっていては、2019年のラクビー・ワールドカップに間に合わないし、2020年の東京オリンピックにも間に合わない可能性が高いという報告を受けた」と答弁した。
新国立競技場について安倍首相「民主党時代に決まったこと」
コストが高騰して批判が出ていることに対して、それはデザインの問題であり、民主党の責任だと言いたいようである。
しかしそのデザインを前提に次のようにアピールしたのは安倍首相自身である。
フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。
さらに申し上げます。ほかの、どんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで、2020年東京大会は、その確実な実行が、確証されたものとなります。
オリンピック東京プレゼン全文、安倍首相や猪瀬知事は何を話した?
前段は言うまでもない。
「状況は、完全に統御されている」とは何年後の話だ?
⇒2015年2月26日 (木):汚染水はコントロールされていない/原発事故の真相(128)
ここで問題にしたいのは後段である。
「ほかの、どんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで」と言った言葉が「国際公約」と言われるものの中身である。
つまり安倍首相の「ええかっこしい」というだけの話である。
そんな「国際公約」のために大騒ぎするのはウンザリである。
私の知人が、次のような川柳をひねって送ってきた。
見てみたい 安倍森麻生 通信簿
まったく、勉強というものを知らないで大学まで進学し、大学でもしなかったに違いない。
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