火山の傾向と対策/技術論と文明論(30)
6月29日早朝、三島市でもかなり強い地震が感じられた。
箱根大涌谷が噴火したのである。
小規模噴火ではあったが、箱根町は30日噴火警戒レベルを2から3に引き上げた。
夏休みを控えて、わが国屈指のリゾート箱根は大きなダメージを受けることになろう。
東京新聞7月1日
わが国は千年紀の大地動乱期に入ったと言われている。
⇒2014年12月30日 (火):天地動乱の時代の到来?/日本の針路(92)
1994年と言えば、阪神大震災の前年である。
オウム真理教が世間を賑わしていた頃、石橋克彦神戸大名誉教授の『大地動乱の時代―地震学者は警告する』岩波新書(1994年8月)が出版された。
石橋氏は、いち早く「東海地震」を警告し、静岡県などは防災対策が大いに進んだ。
今にして思えば、石橋氏の警告はまさに深刻に受け止めるべきであったことは明らかであろう。
翌年に、阪神淡路大震災が起きた時は、東海ではなくて阪神だったのか、という気もした。
しかし、2011年3月11日の大震災によって、恐るべき津波の映像と共に、原発の危険性を思い知らされることになった。
日本列島は、プレートの寄せ集まった地域である。
http://kobayakawashunichi.blog.jp/archives/1026789877.html
世界の地震地図を見れば、プレートの境界が地震多発地帯であることは一目瞭然である。
地震と同じように火山活動のニュースも多い。
小笠原諸島の西之島、御嶽山、口永良部島、浅間山などである。
気象庁で常時観測している火山は下図の通りである。
、
気象庁
しかし火山対策を行う専門官庁はない。
世界の火山国には「火山庁」のような機関がある。
わが国もそういう機関を作り、火山とのよりよき共生を図るべきではなかろうか。
伊豆韮山の反射炉も世界遺産登録が決定したということである。
富士・箱根・伊豆は一体的である。
富士山大噴火に備えるためにも、火山対策は喫緊の課題であろう。
千葉大大学院理学研究科の津久井雅志教授は、「噴火警戒レベルが3の桜島や、噴火予報が出されている霧島山などを抱える鹿児島県は特に火山活動が活発な地域だ。また、今回火山爆発を起こした口永良部島に限らず、島嶼(とうしょ)部でも、噴火警戒レベルが2の諏訪之瀬島など、いくつか活動が活発な火山がある」と指摘し、こう続ける。
「東日本大震災以降、日本列島の周辺の地下は不安定な状態になっている。東北地方や中部地方など、確認できているだけでも十数個の火山の活動が活発化している。現在、気象庁が警戒レベルを設定している火山はどこも警戒が必要だ」
箱根、富士山は大丈夫か 噴火の連鎖危惧する声 島村英紀氏「東日本火山帯は特に警戒」
私は、富士山麓で生まれ育ったので、富士山に対する愛着は一般より強いと思う。
富士山大規模噴火の影響は計り知れない。
大地安寧であることを祈る。
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