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2015年7月13日 (月)

財政健全化のためには新国立の見直しは必須だ/日本の針路(196)

ギリシャの動向が懸念される。
かつて民主党に政権が移った時、当時の菅首相が「日本の財政は危機的状況にあり、早晩ギリシャのように破綻する」と発言して、消費税率アップの必要性を訴えたことがある。
⇒2010年10月12日 (火):ギリシャと日本/「同じ」と「違う」(23)

民主党政権がお粗末だったため、政権は再び自民党に戻った。
しかし、安倍政権は戦時体制構築に熱心で、財政再建にはプライオリティを置いていないようである。
総選挙で、「この道しかない」と言ったのは安保法案のことだったのか!

ギリシャと日本の「政府債務残高対GDP]比を比較した図である。
Photo
政府債務残高は、一般政府(国・地方自治体・社会保障基金)の債務として、公債や借入金などを含んだ「借金」のことである。
GDPは国の経済力の指標であるが、国内で、1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額の総和(売上高 – 仕入れ=「付加価値」)のこと。
(GDPはざっくり考えると粗利であるが、厳密には粗利ではない。)ギリシャは国としての経済力=GDPの170%以上の借金を抱えていて、それは当然ながら借金を返せるような国力ではないのだ。
そんなギリシャよりも数値が悪いのが日本。
その数値は240%を超えて順調に右肩上がりに悪化している。
ギリシャと日本の政府総債務残高vsGDP比の比較すると・・・

これだけで云々できないのは当然であるが、日本も決して楽観すべき状況ではない。
国際比較は下表のようである。
Ws000001
債務残高の国際比較(対GDP比)

普通の神経ならば、何とかしようと考えるだろう。
しかし、こんな状況でありながら、新国立競技場に2520億円という巨費が投じられようとしている。
しかもこれで全額ではなく、合計総額も税負担分も不明なままである。
⇒2015年7月 9日 (木):新国立競技場建設にみる無責任の体系/日本の針路(194)

安倍首相は、7月10日の衆院特別委員会で、新国立競技場のデザインについて「民主党政権時代に決まったこと」だと述べた。

この日、辻元氏は「安保法制を押し切ろうとする姿と、新国立競技場を突き進めようとする安倍政権の姿勢がダブってみえる」と指摘。「新国立競技場は見なおしたほうがいいのではないか」と質問した。
これに対して安倍首相は「オリンピックを誘致する際に、国際コンペをやってザハ案というのが決まった。国際コンペをやると約束し、監修権等をザハさんに与えると決まったのが2012年11月、我々が政権につく前のことだ。事実として述べると、民主党政権時代に、ザハ案でいくということが決まり、オリンピックを誘致することが決まった」と述べた。
さらに安倍首相は、「その後、コストがかさむことがわかってきた。確かに費用がかさみ、多くの国民もそう思っているのではないかと思う。私も、『どうなんだ』と事務方に問い合わせた。しかし、この案をやめて新たに国際コンペを行ってデザインを決めることをやっていては、2019年のラクビー・ワールドカップに間に合わないし、2020年の東京オリンピックにも間に合わない可能性が高いという報告を受けた」と答弁した。
新国立競技場について安倍首相「民主党時代に決まったこと」

またしてもマヤカシの言葉である。
デザインコンペの第一位案を実行するか否かは、別判断である。
「ラグビー・のラクビー・ワールドカップに間に合わない」からという理由だとすれば、森喜朗氏の意向が大きく働いているものと思われる。
老害は早く消え失せるべきだ。

下村文科相も、デザインコンペに責任を押し付けようとしている。

 下村文科相は10日の記者会見で、「(当初総工費の)1300億円がどの程度、デザインをする人たちに伝わっていたのか。値段とデザインを別々にしていたとしたらズサン」と評論家のように批判。デザイン選定の審査委員長を務めた安藤氏については「堂々と自信を持って、なぜザハ・ハディド氏案を選んだのか発言してもらいたい」などと言い、選考過程を検証することを示唆した。
下村大臣が安藤忠雄氏を批判 「新国立」今さら醜悪な責任転嫁

まったく無責任な内閣と言うべきだろう。

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