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2015年6月24日 (水)

循環式農法アクアポニックスの可能性/技術論と文明論(28)

かつて宇宙船地球号という言葉が使われたことがあった。

宇宙船地球号(うちゅうせんちきゅうごう、Spaceship Earth)とは、地球上の資源の有限性や、資源の適切な使用について語るため、地球を閉じた宇宙船にたとえて使う言葉。バックミンスター・フラーが提唱した概念・世界観である。またケネス・E・ボールディングは経済学にこの概念を導入した。
宇宙船地球号

生態系を重視した世界観であり、「成長の限界」に直面した現代文明が、その困難を打開しようというものと言えよう。
限られた資源を有効に使い、廃棄物に起因する環境問題を解決するためには、自然環境との間の物質代謝を循環的なものに変えて行くことが必要である。
現代技術は、とかく効率性を志向して大規模化してきた。
その結果、必然的に人間生活とは切り離され、不可視の装置に依存することになる。
原子力発電はその典型である。

福島第一原発事故はそういう技術体系が破たんしたことを示している。
その対極にある完全循環式農法「アクアポニックス」という取り組みがある。

 少ない設備で魚の養殖と野菜の水耕栽培を同時に実現する「アクアポニックス」と呼ばれる完全循環式農法に、埼玉県川島町の建設会社社長関谷尚恵さん(48)とアメリカ人の夫ジェフ・ワイコフさん(49)の二人が取り組んでいる。水槽の栄養素を水耕栽培の野菜が養分として取り込み、水を浄化して再び水槽に循環させる仕組み。二人は「農地の一角にプラントを作れば、大きな災害を受けても安全で新鮮な野菜や魚を収穫できる」と国内での普及を夢見ている。 
 アクアポニックスは米バージン諸島大学のジェームズ・レカシー教授らのグループが開発したシステム。魚養殖の水槽と水耕栽培プラントの水をポンプで循環させる。野菜は魚のえさや排せつ物の分解物を養分として育つため、肥料を施す必要がない。また、陸上の魚養殖では水質を保つために大量の水を消費するのが普通だが、アクアポニックスは野菜の根が自然のフィルターとなるので水質が悪化せず、蒸発分の補充程度で済むという。
水槽の水循環 栄養素で野菜 完全循環式農法「アクアポニックス」

要するに、魚と植物が水の循環を通して繋がったものだ。
「アクアポニックス:Aquaponicsある。
Photo_2
部屋に欲しい! 魚と植物の小さな生態系「アクアポニックス」


2段構造になっていて、1段目で魚を飼い、2段目で植物を育てる。
1段目と2段目はポンプでつながっていて、水が循環することで、魚のフンの養分として植物が生長するという仕組みだ。
まだまだ課題はあるだろうが、方向性としてはこういうものだろう。

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コメント

アクアポニックスを検索最中に自分の名前を発見し、この記事を読ませて頂きました。丁寧な説明を書いて下さってありがとうございます。この農法は食の安全を確保する手段として間違いなく活躍すると思います。けれど、従来の農業を否定されたと勘違いされたり、土を使わない事で純粋な農法ではないと否定されたり。普及へのハードルは決して低くはありません。
個人の人からは大勢支持頂けるようになりましたが、従来の枠組みから出て新しい農法にトライする農家さんには日本ではまだ出会えていません。
アクアポニックスが農家さんにとって補助金や助成金が貰える代物でも無いので、取り組むのに資金が必要で、自腹でそんな難しい事に挑戦するでしょうか。。。私も様々な働き掛けをして来ましたが、貴方は何なんですか?農家?養殖家?建築家?と聞かれ、全てです!というと縦割りの日本には受け皿が無いのですね。残念ですが。。。

でもまだまだやれます。というか、これからです。アクアポニックスを成長させて新しい産業として確立することこそ、次の世代に残せる宝だと思うので、これからもどうぞ応援をよろしくお願いします!ありがとうございました。


投稿: 関谷尚恵 | 2016年6月30日 (木) 00時04分

追記です
写真に有ります、小さな水槽の上に野菜を育てる物を置くタイプのシステムをデスクトップシステムと呼びます。これを販売している会社も有りますが、これははっきり言ってアクアポニックスとは違います。このように小さいシステムでは生態系への影響が多すぎてアクアポニックスの理想であるバクテリアによる生物循環は難しいのです。
なので、写真のような物は買わない事をオススメします。お遊びで購入したいなら止めはしませんが。

投稿: 関谷尚恵 | 2016年6月30日 (木) 00時12分

関谷尚恵様

コメント有難うございます。
大変興味深いシステムで、成功を祈念します。大規模化・効率化を志向してきた技術体系が限界を迎えているのは明らかです。
アクアポニックスのような生物を組み込んだ物質循環系が構築されれば素晴らしいことだと思います。

投稿: 夢幻亭 | 2016年6月30日 (木) 19時53分

夢幻亭さま!
お忙しい中にもかかわらず、私のコメントに気付いて頂きまして、ありがとうございます。こうしてどこかで私達のしている事を理解してくれる人がいる!と思うと大変嬉しいです。

人は無数の細胞が生きて人を生かしていますが、アクアポニックスも無数のバクテリアがその命を支えています。良いバクテリアを作ろうと様々な場所から水を採取したら、川や井戸、雨水まで汚染されていて。泣けてきました。
でも、バクテリアは文句も言わず浄化します。まるで宮崎駿監督のナウシカのようです。
福島の地下で起こってる事を誰もきちんと把握できないなんて、こんな怖いものはありません。手遅れになる前にこの農法を広めないとならないと思うと焦ります。
どうか、夢幻亭様のお力をお貸しください。
政府は放射能から国民を守れません。
最後に守るのは自分になります。
親が意識を高く持たないと子は守れません。
みんなにも気付いて貰いたい。

でも、重たいですよね。こんなこと言うの。

投稿: 関谷尚恵 | 2016年6月30日 (木) 21時39分

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