詐欺師の言葉づかいとしての「安倍語」/日本の針路(175)
安倍首相は詐欺師のレトリックを多用すると書いた。
⇒2015年5月24日 (日):詐欺師のレトリックを多用する安倍首相/日本の針路(164)
そもそも詐欺行為とはどういうものか?
私はM資金まがいの体験をして、詐欺というものについて調べたことがある。
刑法では、詐欺罪について次のように規定している。
(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(電子計算機使用詐欺)
第二百四十六条の二 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
つまり、「人を欺いて」ということが詐欺の基本的な要件である。
この人と話していると、とても気持ちよくて楽しい、と思わせるこが、「人を欺いて」の前段階として重要である。
⇒2009年5月 4日 (月):詐欺の第一段階としての錯覚誘導
安倍首相の国会答弁を「安倍語」というらしい。
品格なきヤジについてはたびたび触れた。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)
⇒2015年2月21日 (土):反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)
⇒2015年2月28日 (土):安倍首相のヤジは辞職に相当する/日本の針路(113)
この件について、毎日新聞に言語学者からのコメントが紹介されていた。
2月の衆院予算委で、首相は西川公也前農相の献金問題を追及する民主党議員に「日教組もやっているよ!」と事実でないヤジを飛ばし、陳謝に追い込まれた。にもかかわらず、品のない発言を繰り返した。直後に「言葉が少し強かったとすればおわび申し上げたいと思います」と述べ、1日の特別委でもわびた。が、「少し強かったとすれば」という留保がひっかかる。
「歴代首相の言語力を診断する」の著者で、立命館大の東照二教授(社会言語学)は「『言葉にパンチを利かせすぎたが、内容は誤っていない』と言っているよう。国民の理解を得たいと思っているか疑問です」と言う。
特集ワイド:続報真相 「安倍語」なぜ共感できないか
そして、「ごまかし話法」であると断じている。
「今回は論理をすり替える『ごまかし話法』と呼ぶのがふさわしい」。成蹊大の高安健将(けんすけ)教授(比較政治)は評する。27日の大串博志議員(民主)とのやりとりが典型という。
大串議員 「活動エリアが広がるから自衛隊のリスクが高まる、と考えるのが普通ではないか」
安倍首相 「今まで自衛隊に死傷者が出ていなかったかのごとくの認識ですが、それは違いますよ」「新法にのっとって、自衛隊はしっかりと訓練を重ねていくことによってリスクを低減する」
高安さんは「これまでの自衛隊の犠牲は、ほとんどが訓練中や災害時等の事故死であり、戦闘行為による死者はゼロ。全く質が違う両者をわざと混同させている。さらに危険な地域に近付くことによる戦闘のリスクの質問なのに、訓練で低減できるリスクを語っており、質問に正面から答えていない」。
特集ワイド:続報真相 「安倍語」なぜ共感できないか
「ごまかし話法」すなわち詐欺の話法である。
拘っているホルムズ海峡の機雷掃海についても、ごまかしであることが判明した。
⇒2015年6月 3日 (水):ホルムズ海峡機雷掃海に関する安倍虚言/日本の針路(171)
相手によって態度を変えるのもこの人の特徴だ。
⇒2015年5月31日 (日):安倍首相の論理と倫理の欠陥/日本の針路(170)
この問題については、次のように指摘されている。
「与党側はこんなに静かに礼儀正しく聞いてるじゃないですか。みなさんも少しは見習ったらどうですか」▽「議論の妨害はやめていただきたい。学校で習いませんでしたか」▽「我々は国民の生命と幸せな暮らしを守る責任があるわけです。大きく変化する安全保障状況に目をそらすわけにはいかない。(民主党衆院議員の)長妻(昭)さんにそれはないかもしれませんが」(いずれも27日)
政治的立場の違いを尊重しあうのは、自らの主張が誤っている可能性があるためで、議論の前提、ひいては民主主義の基本だろう。議院内閣制の先輩・英国議会に詳しい高安さんは「英国議会での議論が常に充実しているわけではありません。しかし、答弁する側は、野党議員も国民の代表であることに敬意を払い、厳しい質問にも誠実に答えるのが常識です。安倍さんの言葉からはそういう姿勢や品位が感じられません」と嘆いた。
特集ワイド:続報真相 「安倍語」なぜ共感できないか
そもそも私的懇談会の答申に基づいて憲法解釈までやろうとするところに無理があるのだ。
憲法学者ならずとも論理矛盾は見つけることができる。
集団的自衛権、蛮行はひっくり返せる!全国地方の違憲訴訟で=三重県松坂市の山中市長が、違憲と国に提訴!
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