昨年末総選挙の争点と安保法案/日本の針路(180)
安倍政権は、全権委任を受けたのかのように、やりたい放題である。
その根拠は、昨年末の総選挙で、多数派だったからであろう。
しかし、史上最低の投票率であったことを忘れてはならない。
投票率が低かったのは、投票したくないという積極的な忌避意識もかなりあったのではないかと思う。
⇒2014年12月14日 (日):拒否権行使行動としての選挙/日本の針路(85)
しかし小選挙区制の欠陥の1つだとは思うが、有権者の16%の票の獲得率に過ぎない自民党が、国民から信任されたという理屈がまかり通るのだ。
⇒2014年12月16日 (火):衆院選に関する若干の感想/日本の針路(86)
しかも、「大義なき解散」といわれたのに対して、「消費税アップを先送りした判断について是非を問いたい」などと言っていたはずである。
⇒2014年11月20日 (木):総選挙の争点を増税延期と言う「まやかし」/日本の針路(72)
事実は、増税を先送りしなければならないほど、消費が落ち込んでいたからではないか。
⇒2014年11月17日 (月):GDP速報値が示す衆院選の争点/アベノミクスの危うさ(42)
選挙戦が始まると、アベノミクスを問うのだ、ということに重心をずらした。
⇒2014年12月25日 (木):「この道しかない」という硬直性/アベノミクスの危うさ(45)
菅官房長官は、「集団的自衛権の行使容認に踏み切った7月の閣議決定や、12月10日に施行される特定秘密保護法の是非」は総選挙の争点にはならないと明言していたのである。
⇒2014年12月 3日 (水):総選挙の争点を決めるのは誰か/日本の針路(79)
それが多数派を占めた途端にこのありさまである。
連立を組む公明党も、与党の味がよほどおいしいのか、平和の党の看板をかなぐり捨てている。
⇒2015年6月 9日 (火):憲法審査会への対応で、反知性主義が露呈した/日本の針路(176)
菅官房長官が、合憲という憲法学者はたくさんいると胸を張ってみたが、せいぜい10人に過ぎないことを認め、「数の問題ではない」と前言を翻した。
⇒2015年6月11日 (木):前言撤回オンパレード政権/日本の針路(178)
それに引き替え、安全保障関連法案(戦争法案)は憲法9条に反し、「戦争法案」と呼ばれていることには十分な根拠があるとして、憲法研究者38名が呼びかけ人となった「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」に賛同する憲法学者は日増しに増大している。
6月12日現在で、賛同人は187人であり、呼びかけ人を加えれば実に225人である。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/0b06ffa7d1b04a723bd55a4fafd79f5d
専門家の意見は明らかである。
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