「福島原発事故を乗り越えた」という安倍妄言/原発事故の真相(130)
安倍首相の虚言は、オリンピック招致スピーチで、一般に良く知られるところとなった。
⇒2014年5月17日 (土):汚染水は完全にブロックされている?/原発事故の真相(113)
⇒015年2月26日 (木):汚染水はコントロールされていない/原発事故の真相(128)
しかしそれはなかなか直らないようである。
ホルムズ海峡の石油途絶の可能性についても、堂々と言っている。
⇒2015年6月 3日 (水):ホルムズ海峡機雷掃海に関する安倍虚言/日本の針路(171)
むしろ、精神病理の問題ではないかと思える。
⇒2015年6月 2日 (火):安倍晋三=サイコパス論/人間の理解(13)
安倍首相はG7サミットが開催されたミュンヘンで記者会見した。
「力によって一方的に現状が変更される。強い者が弱い者を振り回す」という言葉は、そっくり自身にお返ししたいが、福島原発事故について、看過できない発言をしている。
先月、福島で開催した太平洋・島サミット。ツバルのエネレ・ソポアガ首相は巨大サイクロン・パムに襲われたときの恐怖をこう表現しました。『私たちの島が沈んでしまう』。地球の温暖化は海面を上昇させ、南太平洋に浮かぶ美しい島を消滅の危機にさらしています。首相はさらにこう訴えました。『もう時間がない。島に住む人々をどうか救ってほしい』。日本は東日本大震災と(東京電力福島第1)原発事故を乗り越え、温室効果ガスについて野心的な削減目標を掲げました
【安倍首相会見(1)】「強い者が弱い者を振り回すのは認めない」
福島原発事故は、乗り越えたのか?
そう思っている人が何人いるであろうか?
汚染水は現在も外洋流出が続いているのだ。
⇒2015年3月 1日 (日):原発事故汚染水の傾向と対策/原発事故の真相(129)
大震災の津波、福島第1原発事故から丸4年。相馬の浜からがれきは消え、震災前と変わらず漁船群は港にたゆたい、高台には公営住宅が建ち始めた。しかし、何一つ終わっていない、始まってもいない。福島の浜通りの漁業復興を妨げる原発の汚染水は止まらず、廃炉作業の入り口もいまだ見えない。安倍首相は今国会で「福島第1原発の廃炉・汚染水対策に、国も前面に立ち、全力で取り組みます」(2月12日の施政方針演説)と従来からの姿勢を強調した。が、昨年12月、相馬市松川浦漁港で衆院選の第一声を上げた際、漁業者の前では「廃炉」「汚染水」に一言も触れなかった。他原発の再稼働論議への飛び火を懸念したのか。ほそぼそとした漁の悔しさに耐え、1つ1つ安全な魚種を増やし、風評に脅かされ、思惑の知れない政府の「責任」をも頼みにできず、それでも試験操業に希望を託す漁業者たちの苦闘は新たな3月11日を超えて続く。
原発事故から4年:地元漁協「汚染水流出」への怒り
健康被害についてはどうか?
大きな問題となっているのが、事故が福島県の住民に放射線被曝による健康被害を引き起こしているのか、ということだ。今でも専門家の間では意見が分かれている。
福島県は2月12日、事故当時18歳以下の約38万5千人の甲状腺を調べ最新データを発表した。昨年末までに118人が、がんやその疑いがあると診断されたという。
注目を集めたのは、今年度から2巡目に入った検査で結果が判明した約7万5千人分のデータだった。うち8人が、がんやその疑いがあると診断された。8人のうち5人は、1巡目の検査では、しこりも何もないと診断されていた。
・・・・・・
検討委員会の星北斗座長(県医師会常任理事)はこう述べた。
「まだ判断に十分な数はそろっておらず原発事故との関連がないとは言えないが、影響は考えにくい」
一方、津田敏秀・岡山大学教授(疫学)の反応は違う。
「事故による被曝の影響は明らか。現実に対応した対策を急ぐべきだ」
1巡目で患者が多く見つかったのは、「これまで詳しく検査したことがないから、検査するだけで見つかるため」(スクリーニング効果)と主張する専門家がいた。しかし、今回は1巡目で患者を拾い上げた後の発生であり、スクリーニング効果では説明できない。
津田教授によれば、2巡目までの3年間に約7万5千人から8人という発生率は、全国平均の100万人のうち3人(年間)と比較すれば、統計的に有意に多発しているのは明らかだという。
福島県の健康被害の有無 専門家まっ二つ
楽観的な見方として、「原発事故との関連がないとは言えないが、影響は考えにくい」というものがあるにしても、安倍首相のように「健康問題については今までも現在も将来もないと約束する」と言ってしまうというのは、やっぱりサイコパスだろうか?
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