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2015年5月28日 (木)

総合的判断という恣意性/日本の針路(167)

「憲法(9条)を守れ」という声に対して、平和を唱えていれば国は守れるのか、言霊信仰ではないか、という批判を耳にする。
言霊は井沢元彦氏が『逆説の日本史3 古代言霊編/平安建都と万葉集の謎』(小学館文庫(2012年11月)などで説いているように、古代日本では大きな力を持っていたようだ。
言霊信仰は以下のように解説されている。

言語そのものに霊力が宿っているという信仰。ある言葉を口に出すとその内容が実現するという,一種の宗教的信仰ともいえるもので,祝詞 (のりと) ,忌言葉もその現れである。日本においては,江戸時代の音義説にまでこの思想の流れがみられる。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

私は、積極的平和主義とか国際平和支援法などの用い方の方がより言霊に相応しいのではないかと思っていた。
しかし、これはレッテルと中身が別物の、虚偽表示の一種であると考えた方がより妥当であると考えるべきだろう。
積極的平和主義とは、積極的に軍事力を活用しようということであり、国際平和支援法とは他国軍と自衛隊が共闘して戦うことである。
平和の文字を冠してはいるが、実体は軍事、戦争のことである。

安保法制改訂のキモになる存立危機事態とは何か?
安倍首相は、「政府が総合的に判断する」とするに留め、明確な基準を示していない。
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東京新聞5月27日

「政府が総合的に判断する」ということは、他者の異論はあろうとも政府の判断だといえばオシマイということである。
それは「恣意的に」ということを言い換えたに過ぎない。
評判の良くない「粛々と」にも通ずるものであろう。
⇒2015年3月24日 (火):辺野古をめぐり厳しく対峙する沖縄県と政府/日本の針路(126)

安倍首相は「ポツダム宣言を詳らかに読んでいない」が「総理大臣だから正しい」と支離滅裂である。
もっとも、「詳らかに」という言葉を知っていたのが驚き、という人もいるようだが。

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