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2015年5月18日 (月)

大阪都構想は否決された/日本の針路(161)

いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票はが17日に投票が行われたが、反対が70万5585票で賛成の69万4844票を上回った。
僅差であったが、この結果、「大阪都構想」は実現せず、今の大阪市がそのまま存続することになった。
大阪市の橋下市長が掲げ、5年にわたり議論が行われてき構想に決着がついたわけである。
他府のことではあるが、国政にも影響することになろう。

「大阪都構想」の論点は何だったのか?

 住民投票は、3月に府と市の両議会で承認された特別区設置協定書(都構想の設計図)に賛成するか反対するかが問われた。12年に議員立法で成立した大都市地域特別区設置法に基づくもので、投票率にかかわらず結果には法的拘束力がある。有権者は大阪市に住む20歳以上の約210万人で、住民投票としては過去最大規模だった。
 協定書では、17年4月に人口約270万人の大阪市を人口34万〜69万人の「北区」「湾岸区」「東区」「南区」「中央区」に再編すると定めた。各特別区の区長は選挙で選ばれ、予算編成権を持ち、定数12〜23の区議会も置くとした。大阪市の仕事のうち、都市計画やインフラ整備といった広域行政は府へ移し、東京都のように都市戦略を一元化。小中学校や保健所、生活保護など住民に身近な行政サービスは特別区が引き継ぐ仕組みだった。現在の24区役所は支所となって窓口サービスを担うとしていた。
 維新は都構想の実現を掲げて11年の大阪府知事・大阪市長のダブル選を制し、府市に専門部署を設けて協定書作りに着手した。昨年7月、法定協議会で反対派の委員を排除して維新単独で協定書を作成したものの、同10月の両議会で否決された。しかし、同12月の衆院選で維新が府内で比例第1党を確保したことを受け、公明党が住民投票の実施容認に方針転換。市民の投票で決着をつけることになった。
大阪都構想:否決…橋下氏「政界引退」市長任期後に 

論点の1つが府と市の二重行政の是非である。
大阪には、府立大学と市立大学がある。
それぞれ伝統的な名門大学であるが、カラーはだいぶ異なる。
橋下大阪市長は二重行政の解消の一環として、「両大学への府市からの交付金を一つにし、学部を再編して最大の投資効果を生み出す」と訴えてきた。

20150518_163919 
OSAKA都構想:/11 市立大と府立大の統合

まあ、両者の言い分に一理がある。
住民投票は、維新VS自民&公明&民主&共産という不思議な構図だった。
大阪以外ではほとんど考えられないだろう。
私は次の意見が面白いと思った。

制度設計に関して様々な批判等がありながらも、既得権を打破するために旧態依然とした制度そのものを変えるチャンスを失ったのは確かだろう。実行して間違えがあれば修正されればいいが、それさえもできない。制度というものは「ゼロ」と「1」では天と地との開きがあり、「ゼロ」となったことで二重行政を無くすチャンスを失ったと感じている。
・・・・・・
他にも指摘する方が多いが、今回の投票で注目すべきは、出口調査で示された世代別の投票行動である。70代以上の「反対」が他の世代に比べて際立ち、30代、40代が改革を求めていたという事実がそれ。福祉費の削減に怯える高齢世代が、他の世代に比べて反対に向かったのは容易に想像できる。
「福祉切り捨て」はいけない。だが「無い袖は振れない」状態であれば、「切り捨て」は許されないまでも、ある程度の「我慢」は必要なのではないかと思う。「我慢」しなかったため、結果として財政再建団体に転落するなどして「切り捨て」を余儀なくされる――これではいけないと思うが、現実の政治、選挙では受け入れられるのは難しい。それをハッキリ示したのが今回の投票結果だった。
誤解を恐れずに言えば、今回の投票は「70代以上」の世代が、明確に闘うことを他の世代に宣言、「宣戦布告」した格好になったと思う。一般的な「人を選ぶ」選挙でハッキリしなかったことが、大掛かりな「制度を選ぶ」選挙で白日の下さらけ出されたのである。政策における「世代間抗争」は、ある種タブーみたいな感じだったが、今後は政治の争点になる可能性が出てきた。
都構想の否定は残念に思うものの、それが明確になったことだけでも、今回の住民投票は意味が大きかったのではないか。
70代以上が「宣戦布告」・・大阪都構想投票結果で感じたこと 

考えたくないことだが、世代間戦争が始まるということだろう。
ちなみに世代別の投票行動は次のようであった。

20150518_150209
https://twitter.com/setsu_may/status/599933292645847040/photo/1

また地域別の様相は下図のようであった。
Photo
http://bbs68.meiwasuisan.com/news/1431906502/

一瞥して、南が反対多数、北が賛成が多めである。
北は年収が高く若い人が多く、南は年収が低い。
南は、生活保護を受けている人も多く、年齢層も高い。
大阪市における南北問題である。

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