沖縄「屈辱の日」に辺野古移転を再確認/日本の針路(142)
訪米中の安倍首相は、日本時間の28日夜から29日未明にかけてオバマ大統領との日米首脳会談に臨み、日米同盟強化を確認した。
安倍総理大臣は沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画について、「沖縄県の翁長知事は反対しているが、計画の実現が普天間基地の危険除去の唯一の解決策だという立場に揺るぎはない。沖縄の理解を得るべく対話を続けていきたい」と述べた。
28日は、1952年のサンフランシスコ講和条約発効により、1972年の本土復帰まで米施政権下に置かれた沖縄県にとって「屈辱の日」である。
東京新聞4月29日
この「屈辱の日」に「辺野古移転が唯一の解決策」として、アメリカに忠勤を誓うところに沖縄問題の構図の本質がある。
普天間基地返還交渉の1996年当時、経済企画庁長官だった田中秀征氏は、現在との違いを次のように指摘する。
東京新聞4月20日
つまり沖縄から見れば、日本政府が味方から対立する相手に変わったということだ。
人間は、理性の動物であると共に感情の動物である。
というよりも、理性の底に感情がある。
脳の中で一番早く反応するのが大脳辺縁系の扁桃体、すなわち感情を司る部位である
⇒2013年3月 9日 (土):論理が先か感情が先か?/知的生産の方法(40)
東京新聞のコラム筆洗は、次のように書いている。
戦後の日米関係を決定づけた講和条約発効を意識しての日程に違いない。政府は辺野古への移設は沖縄のためというのだろうが、この日程に、政府内で沖縄の感情を考える議論がなかったのか。思いやりに欠けるという以前に政治判断として愚かで悲しい▼政府は沖縄を説得したいのか、怒らせたいのか。「いいかげんにして」ではいい足りない。
敢えて「屈辱の日」に、辺野古移転を再確認することを沖縄県民はどう感ずるであろうか。
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