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2015年4月13日 (月)

北岡座長代理、「侵略事実と謝罪は別」/日本の針路(136)

安倍首相が意欲を示している70年談話はいかなるものになるのか?
そのための有識者懇談会が組織されているが、出来レースであることは目に見えている。
⇒2015年3月25日 (水):70年有識者懇のゲストの東大話法/日本の針路(127)

有識者懇の北岡座長代理が、先の大戦を侵略戦争と位置付けた上で、「私は首相に『日本は侵略した』とぜひ言わせたい」と述べたと報じられた。
⇒2015年3月10日 (火):70年談話とメルケル独首相の来日/日本の針路(119)
さすがに右派の北岡氏も、歴史的事実の歪曲はできないと考えたのだろう。

ところが何のことはない。
「侵略したのは事実だが、それを謝罪するかどうかは別の問題だ」ということらしい。
Photo
東京新聞4月12日

 戦後七十年の安倍晋三首相談話に関する有識者懇談会で座長代理を務める北岡伸一国際大学長は十日、東京都内のシンポジウムで講演し、戦後五十年の村山富市首相談話にある「植民地支配と侵略」などの文言について「そのキーワードが入るかどうかの議論は矮小(わいしょう)ではないか」と、継承するかどうかをめぐる議論に疑問を示した。「侵略という事実があったかどうか。談話に書くかどうか。それを謝罪をするかどうか。全部別々の問題だ」とも語った。 
 懇談会の有力メンバーである北岡氏は三月上旬の講演で、先の大戦に関して「安倍首相に『日本は侵略した』とぜひ言わせたい」と述べ、首相に「侵略」の文言を継承するよう促す考えを示していた。
 しかし、十日の講演では「五十年と七十年で言うことが多少違ってくるのは当然だ。百年たっても村山談話と同じ言葉を使うか議論するのか。そんなばかなことはあり得ない」とした。
 侵略の定義については「他国の意思に反して軍隊を送り込み、人民を殺傷し、大幅に主権を制限することだ」と説明。一九三一年の満州事変などは「明らかに侵略だ」と指摘した。一方で、七十年談話の記述に関して「謝罪の言葉について、今さら書かなくてもいいというのは、十分理屈がある」と述べた。
「侵略事実と謝罪は別」 70年談話有識者懇・北岡氏

私には、「他国の意思に反して軍隊を送り込み、人民を殺傷し、大幅に主権を制限すること」を認めながら、「謝罪の言葉について、今さら書かなくてもいい」というのは理解しがたい。
既に謝罪済みであるから、「今さら書かなくてもいい」と言うのであろうか。
あるいは、70年経ったから、「今さら書かなくてもいい」と言うのであろうか。
それが「歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」ということなのだろうか?
そういうことであれば、「70年談話」は不要どころか、有害であると考える。

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