何故、今なのか? 翁長-菅会談の不可解/日本の針路(132)
菅官房長官と翁長県知事が5日、那覇市内で初めて会談した。
菅氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事を引き続き進める考えを伝達し、翁長氏は「辺野古の新基地は絶対に建設することができないという確信を持っている」とした。
会談は平行線のまま終わったと言わざるを得ないだろう。
東京新聞4月6日
それにしても、何故、今になって「初めて」なのか?
今まで翁長知事が上京して、首相、官房長官等に面会を求めても会おうとしなかった。
あげくに、地方創生の旗を掲げながら、地方の象徴ともいえる沖縄振興予算を削減するという分かりやすい形で、冷遇してきた。
⇒2015年1月 9日 (金):地方創生を掲げながら沖縄冷遇という矛盾に無自覚な政権/日本の針路(95)
会談の中で、菅氏は「最重要なのは普天間飛行場の危険除去。まさに市街地の中心部に位置し、周辺を住宅や学校に囲まれている」と、普天間飛行場の移設の必要性を強調。「日米同盟の抑止力の維持、そして危険除去を考えたときに辺野古移設は唯一の解決策と考えている」と訴えた。
一方、翁長氏は「どんなにお忙しかったか分からないが、こういった形で話させていただいて、その中から物事を一つひとつ進めるということがあれば、県民の理解はもう少し深くなった」と語り、知事就任から面会まで約4カ月かかったことを批判した。
「上から目線の『粛々』、使うほど心離れる」 翁長知事
実際翁長知事の要請に応えて来なかったのだから、菅官房長官も反論はできまい。
急遽会うことにしたのは以下のように推測されている。
元沖縄市助役の高良武さん(73)は過去に、自民の国会議員や県議の後援会幹部を務めてきた。今回の会談には「安倍首相の訪米を控え、沖縄側の意見は聞いたというアリバイにしようとしているのでは」と懐疑的だ。翁長氏が主張をしっかり訴えることを期待するが、「官房長官がその言葉を心にとめて総理らと検討する、ということにはならないだろう」とみる。
翁長知事との会談「遅すぎた」 沖縄の自民支持層も不満
これも分かり易すぎると言えよう。
安倍首相という人はかくも単純なのか?
自ら「日教組!」と後で謝罪せざるを得ないような見当違いのヤジを飛ばすから、ひょっとしてそういうことなんだろうな、とも思う。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)
⇒2015年2月28日 (土):安倍首相のヤジは辞職に相当する/日本の針路(113)
翁長氏は、辺野古の移設工事をめぐり菅氏が記者会見や国会審議で繰り返し使った「粛々と工事を進める」との言葉を取りあげ、「上から目線の『粛々』という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて、怒りは増幅していくのではないか」と強く訴えた。
まったく同感である。
この「粛々と」という政治家が好む言葉遣いほど、誠意を感じられないものはない。
⇒2015年3月24日 (火):辺野古をめぐり厳しく対峙する沖縄県と政府/日本の針路(126)
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