オウム真理教高橋被告に無期懲役/人間の理解(12)
地下鉄サリン事件などに関与したとして、殺人などの罪に問われたオウム真理教元信徒・高橋克也被告に対して、東京地裁の中里智美裁判長は、求刑通り無期懲役を言い渡した。
地下鉄サリン事件は、戦後史にくっきりと刻印されている事件である。
⇒2015年3月20日 (金):地下鉄サリン事件から20年/戦後史断章(19)
地下鉄サリン事件-Wikipedia
高橋被告は17年間逃亡を続けた後に逮捕され、一連のオウム真理教による事件で最後の1審判決となった。
⇒2011年11月25日 (金):オウム真理教事件と知的基礎体力(?)
被告は地下鉄サリン事件の他に、2件のVX襲撃(94年12月〜95年1月)▽仮谷清志さん(当時68歳)監禁致死(95年2〜3月)▽東京都庁爆発物(同年5月)−−の各事件でも殺人罪などに問われた。
地下鉄サリン事件では「サリンをまくとは知らなかった」と無罪を主張。VX襲撃2事件も「教団が作るVXは効果がないと思った」と殺意を否認した。監禁致死と都庁爆発物の両事件は一部で有罪を認めたものの「主体的ではない」として逮捕監禁罪などのほう助にとどまると主張した。
サリン事件:オウム高橋被告に無期判決 東京地裁
高橋被告について、教団からの脱会を支援してきた元信徒の男性は次のように語っている。
公判で被告は、松本死刑囚を宗教的指導者を意味する「グル」と呼び、「グルの意思を実現することが救済」「今も信じている面がある」と述べた。最後まで遺族らへの謝罪もなかった。男性は被告の心理をこう分析する。「彼にとって謝罪は信仰を捨てること。自分を正当化するには、帰依を続けた方が楽だ。この20年がうそだとなると、被告は壊れてしまうだろう」
オウム高橋被告、帰依続け判決へ 元信徒「むなしさ…」
また同被告と面会した西田公昭立正大学教授は、「誰にも教団への疑問をぶつけることができないまま二十年かけて理論武装し、動揺しない帰依心を作り上げてしまった」という(東京新聞4月30日)。
人間にとって、宗教とは何か?
永遠の問いのように思える。
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