両陛下のパラオ慰霊の旅をめぐって/日本の針路(134)
両陛下が、パラオの慰霊の旅から帰られた。
ご高齢にもかかわらず、相当の強行軍であられたようである。
しかし、両陛下の戦争で亡くなった人を悼む姿は胸を打つ。
東京新聞4月10日
なまじ「お言葉」について云々すると、政治的な利用になりかねない。
国民個々人が心の中で思うべきことであろう。
しかし、「皇軍将兵」とか「南太平洋に散った英霊」というような言い方は、矮小化して捉えているのではないか。
しかしながら、先の戦争においては、貴国を含むこの地域において日米の熾烈(しれつ)な戦闘が行われ、多くの人命が失われました。日本軍は貴国民に、安全な場所への疎開を勧める等、貴国民の安全に配慮したと言われておりますが、空襲や食糧難、疫病による犠牲者が生じたのは痛ましいことでした。ここパラオの地において、私どもは先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道をしのびたいと思います。
また、私どもは、この機会に、この地域の人々が、厳しい戦禍を体験したにもかかわらず、戦後に慰霊碑や墓地の管理、清掃、遺骨の収集などに尽力されたことに対して心から謝意を表します。
両陛下パラオ訪問 晩さん会あいさつ
決して「皇軍将兵」や「南太平洋に散った英霊」だけを慰霊しているわけではない。
「先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道をしのびたい」と明白に仰っているのだ。
決して日本の視点だけではない。
「空襲や食糧難、疫病による犠牲者が生じた」のように、戦闘行為だけでなく、戦争のもたらす悲劇・不幸を視野に入れての言葉だ。
現在、戦争ができる国への準備を是としている国民、自民党に投票した有権者は、この「お言葉」を深く噛みしめるべきだろう。
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