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2015年4月 2日 (木)

部分を圧殺してしまう政治/日本の針路(131)

昨日付の鈴木耕という人のブログ「安倍商店の大番頭が壊れ始めた」が我が意を得た感じである。
ちなみに鈴木耕氏は同名の知人がいるが、今まで目にしたことはない人だ。
サイトの紹介によれば、「1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。・・・・・・新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。」という履歴の人だ。
著書は、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)など多数、である。

鈴木氏は冒頭で次のように書いている。

 すさまじいことになってきた。もう政府(というより安倍首相)は、何でもやりたい放題。沖縄がどんなに抵抗しても、まったく意に介さず、決めたことは“粛々と”進めていく。(それにしても、この“粛々と…”って言葉の使い方、イヤだなあ。結局は、批判なんか無視してどんどん進める…というだけの意味じゃないか!)
 もはや民意もへったくれもありゃしない。

まったくその通りだと思う。
「粛々と…」という言葉の使い方を含めて。
⇒2015年3月24日 (火):辺野古をめぐり厳しく対峙する沖縄県と政府/日本の針路(126)

林芳正農水相が3月30日、翁長沖縄県知事が沖縄防衛局に出した「辺野古の海での作業一時停止」という指示について、「その効力を一時停止する」と発表した。
つまり、県の指示を、国が一方的に破棄したのだが、「地方はグズグズ言わずに国の命令に従え」という、ほとんど徳川幕府並みの封建体制と評している。
そして、「安倍政権の目玉政策のひとつ「地方創生」といううたい文句が、まったくの絵空事であったということのあまりにあからさまな証拠だ。」と書いている。
その通りであろう。
⇒2015年1月 9日 (金):地方創生を掲げながら沖縄冷遇という矛盾に無自覚な政権/日本の針路(95)

農水相の判断が出来レースであることは、日程的にも明らかだ。

 まず、沖縄県が沖縄防衛局に、辺野古での作業停止を指示したのが3月23日。防衛局側が農水相に「指示取り消し」を求める審査請求と「指示の効力の停止」を「行政不服審査法」に基づき、水産資源保護法を所管する農水省に申し立てたのが、3月24日。
 同27日に、今度は沖縄県が農水相に、「防衛局の停止申し立ては不適法」との意見書を提出。
 すると、同30日午前には林農水相が、前述したように「沖縄県の指示の効力停止」を発表。事実上、辺野古の工事は続行されることとなった。 だいたい、この凄まじいスピードが怪しい。27日に沖縄県が意見書を出したのだが、28日、29日は土日で休日。30日の午前中に、農水相が沖縄県側の敗北ともいえる決定を下したが、その間、土日を挟めば、沖縄県からの提出の翌日の決定ということになる。
 双方の言い分をきちんと精査する時間があったとは、とても考えられない。すでに結論は決まっていた、としか思えないではないか。

防衛局側が「行政不服審査法」という法律に依っているのも如何なものか。
「国という行政権力機関がこれを使うのは立法主旨に反する」という意見はきわめて真っ当であろう。
Photo
東京新聞4月1日

そして鈴木氏は、菅官房長官が支離滅裂になりつつあると指摘している。
安倍首相が「我が軍」発言をして批判されたのを、「自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている。このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだ」と擁護したのは5日後の会見であった。
⇒2015年3月26日 (木):自衛隊と軍隊/「同じ」と「違う」(83)
5日後というのは、「すぐには説明のしようがない安倍の「妄言暴言」だったわけだ」と解説している。

菅官房長官は、翁長知事が現職の仲井眞氏を破って初当選した昨年の知事選の争点について、「地方選ではさまざまな政策が取り扱われ、辺野古移設が主となって行われていることはないと思っている」と述べたことに対し、次のように書いている。

昨年の4度の沖縄での選挙では、すべて基地建設反対派が勝利している。ことに知事選は、近来稀に見るほどの「ワン・イシュー選挙」といわれた。つまり、「新基地建設、是か非か」に焦点が絞られた選挙だったのだ。その選挙で、翁長氏は仲井真前知事に10万票もの大差で圧勝した。

安倍シンパで客観的な視点を失った人でない限り、安倍政権がムリを重ねていることが見えよう。
菅氏が「壊れたとき」政権は終了する。
その兆候はすでに現れているのだ。

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