いまさら耐震偽装か、東洋ゴム工業/ブランド・企業論(33)
偽装体質はこの国に深く根を張っているようだ。
正史である『日本書紀』からして、偽装としか思えない記述が多数ある。
粉飾決算など日常的と言っていいかも知れない。
⇒2007年9月 2日 (日):偽装国家
⇒2007年9月 6日 (木):偽装の原点?
⇒2008年7月20日 (日):『粉飾の論理』
一時大きな話題になった耐震偽装の問題が、大企業を舞台に発覚した。
東洋ゴム工業は3月13日の発表資料で、判明するに至った経緯を以下のように述べている。
・2014年2月、当社の子会社である東洋ゴム化工品株式会社において、担当者の変更を契機として、高減衰ゴムが大臣認定の性能評価基準に適合していないとの疑い(以下「本件疑い」といいます。)が認識されました。
・その後、東洋ゴム化工品株式会社から報告を受けた当社は、本件疑いの内容、可能性の程度、当該製品の免震性能評価等の検証を開始しました。
・その結果、本件疑いの可能性が高いと判断し、2015年2月9日、この事実を国土交通省に対し自主的に一報を行いました。
・その後、2015年3月12日に本件疑いの可能性が極めて高いと認識いたしましたので、その旨を直ちに国土交通省に対し自主的に報告いたしました。
・現在、事態を招いた背景に関して、詳細な調査を継続しているところですが、当社従業員が高減衰ゴムの性能評価を技術的根拠なく変更していたことに起因する可能性が高いものと考えています。東洋ゴム工業において、高減衰ゴムが大臣認定の性能評価基準に適合していないとの「疑い」が認識されたのが2014年2月、国交省に「疑い」の可能性が高いことを初めて報告したのが2015年2月9日、そして「疑い」の可能性が極めて高くなったことを報告したのが同3月12日、国交省および東洋ゴム工業の発表は同3月13日。発覚から公表まで、実に1年以上掛かっている。
またか、東洋ゴム工業が免震材料で大臣認定偽装
免震は、地震力を抑制することによって構造物の破壊を防止することを意味する概念である。
耐震が、地震力を受けても破壊しない、すなわち構造的に頑丈であることに対比される。
耐震は地震力を受けても壊れない(耐える)ことを指し、免震は地震力をなるべく受けない(免れる)ことを指す。
狭義の免震では、地盤や床との絶縁のみを行うが、建築物の場合には基礎部分に免震工事を行い、震動を吸収するためのダンパーと組み合わせられることが多い。
またか、東洋ゴム工業が免震材料で大臣認定偽装
東洋ゴム工業は、資本金30,484百万円の堂々たる一部上場企業である。
同社のサイトを見ると、次のような言葉が並んでいる。
何と空々しく見えることだろうか。
同社の株価は、3月16日には急落したが、今後どう推移するであろうか。
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