「無知」の「無恥」・末期的症状の安倍内閣/日本の針路(117)
安倍政権は、戦争のできる体制作りを邁進している。
しかし、閣僚の不祥事が相次いでいて、あたかも政権末期のようだ。
昨秋の第二次安倍政権の内閣改造からそれは始まった。
満を持して、「女性の輝く社会」のシンボルにすべく登用した2大臣が、何の仕事もしないままに辞任したことは記憶に新しい。
⇒2014年10月16日 (木):続続・怪しい安倍改造内閣の女性閣僚たち/日本の針路(52)
⇒2014年10月20日 (月):女性閣僚W辞任と片山さつき議員の資質/日本の針路(55)
⇒2014年10月31日 (金):「輝く女性」の看板に偽りあり!/日本の針路(63)
これら女性議員のスキャンダルも、総選挙で禊を受けたかのような雰囲気である。
また、総選挙を受けて発足した第三次内閣では、農協改革やTPPなど、内閣が重要課題として位置づける農水大臣が、またまた「政治とカネ」の問題で早々と辞任した。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)
⇒2015年2月21日 (土):反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)
⇒2015年2月23日 (月):安倍政権はいつまでボロを出し続けるのか/日本の針路(110)
そして、道徳教育という日本の未来を担う子供たちに大きな影響を与える文科省の下村博文大臣も、次々に適格性を問われるような報道である。
⇒2015年2月27日 (金):下村博文文科相の道徳観を問う/日本の針路(112)
支援組織の任意団体「博友会」をめぐる献金問題で厳しい追及を受ける下村博文文部科学相。3日、一時辞意を漏らし、夜の首相公邸で安倍晋三首相が「辞めちゃ駄目だ」と強く慰留した-。複数の政府、自民党関係者がこう証言した。
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第1次政権では閣僚4人が「ドミノ倒し」のように次々と辞任し、首相は在任わずか1年での退陣を余儀なくされた。首相の脳裏には今、同じ悪夢がよぎる。4人目の辞任となれば、政権は危険水域に突入する。
しかも、これまでの3閣僚と比べ、下村氏は第1次政権で官房副長官を務め、思想的にも首相に近い長年の「盟友」。政権への影響も格段に大きい。
「首相は下村氏を絶対辞めさせない」。自民党関係者の一人はこう断言する。
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しかし、全国に六つある「博友会」のうち、「中部博友会」や「近畿博友会」で内部告発の動きが広がる。いずれも収支報告を義務付けられた政治資金団体ではないが、関係者は献金や政治団体としての実態を訴える。
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4人目の閣僚辞任がいつ出てもおかしくない状況ながら、自民党内で政権批判は一切表面化していない。
西川氏の辞任後も内閣の支持率は落ちない。首相に対抗できる人物も党内に見当たらない。首相の「1強」が、政権の危機を救っているといえる。
さらに「政治とカネ」の問題は野党にも飛び火。ある政府高官は「政権批判が高まりかねない状況だったが、どっちもどっちとなって、法制度の問題にすり替わった」と語る。
政権の危機管理を一手に担う菅義偉官房長官は下村氏の問題発覚後も「違法性はなく、全く問題ない」と強気を崩さない。
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政府高官の一人も「下村氏は数々の疑惑を否定しているが、それが虚偽だと反証されると厳しい。いろいろ(疑惑が)出てくると状況が違ってくる」と語る。
下村文科相辞意漏らす? 首相慰留「辞めちゃ駄目だ」、献金問題
首相は庇うが、下村氏のウソは次々にばれつつある。
下村博文・文部科学相は5日の衆院予算委員会で、自身の政務秘書官が下村氏の支援組織「博友会」の関係者に、政治資金問題に関する取材に応じないよう求めるメールを送っていたことを認め
た。野党側は「口止め」メールと批判したが、下村氏は「誤解や間違いのないよう、以後は下村事務所でまとめて対応したいとの趣旨」と説明。メールを送るよう秘書官に指示したことはないと述べた。
下村博文文科相、取材拒否メールの存在を一転認める
こんなウソつきが道徳教育の担当大臣で良いわけがない。
下村氏を辞任に追い込めないようでは、安倍政権の末期ではなく日本の末期ということになる。
たとえ安倍首相が、知らなかったのだからどうしようもないと「無知」を口実にしようとも、である。
大体、政治家が、知らなかったからという言い訳を使うとはどういうことか。
ザル法のまま放置していたのは自分たちではないか。
いま、安倍政権には救いがたい反知性主義が跋扈している。
⇒2015年2月21日 (土):反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)
知らないことは必ずしも恥ではないが、時と場合によっては恥ずべきである。
東京新聞3月7日
今こそ「安倍首相から「日本」を取り戻せ! !」。
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