原発事故汚染水の傾向と対策/原発事故の真相(129)
安倍首相が、福島第一原発事故の汚染水は「全体としてコントロールされ、影響はブロックされている」と言ったのは、ウソも方便を遥かに超えた出まかせであることが、いよいよ明白になりつつある。
⇒2014年5月17日 (土):汚染水は完全にブロックされている?/原発事故の真相(113)
⇒015年2月26日 (木):汚染水はコントロールされていない/原発事故の真相(128)
今回、汚染された雨水が外洋に流出した東京電力福島第1原発の排水路では昨年1月にも放射性物質の放出限度超えが見つかり、原子力規制委員会が対策を指示していた。しかし東電はこの間、排水路の付け替えなどの対策を取らず、放射性物質濃度の情報も公開していなかった。規制委の田中俊一委員長は25日の定例記者会見で「環境に影響するようなことがあれば速やかに発表されるべきだ」と批判した。
今回の公表遅れで、原子炉建屋周辺の井戸(サブドレン)から地下水をくみ上げて浄化し海へ放出する計画が、実施を目前にして窮地に追い込まれた。当面の廃炉工程の中でも重要な汚染水低減が停滞するのは確実だ。
原発の地下には1日約350トンの地下水が流入して溶けた燃料に触れ汚染水になっているが、サブドレンを使うと地下水を最大約200トン減らせる。東電は昨年8月に地元漁協などに計画を説明して試験的にくみ上げを開始。今年1月には規制委が海洋放出の計画を認可し、残るは地元漁協の同意だけだった。
東電は別の汚染水対策として、1〜4号機の周囲の地下に氷の壁を造り、地下水の流入を食い止める凍土遮水壁も計画する。しかし世界初の工事で難航も予想される。サブドレンに比べて地下水の管理が難しく、建屋からさらに汚染水が漏れ出す危険性もあり、実現性を危ぶむ声もある。
福島汚染水流出:重要な廃炉工程、停滞は確実
規制委の態度もぬるいと言わざるを得ないだろう。
指示をしたのに言われたことをしないのは、もちろん指示された方の責任が大きいが、指示しっぱなしということでは、なんのための規制委であろうか。
東京新聞2月26日
政府が消極的だから、やりにくいこともあるだろうとは察するが、国民からすれば頼りの綱である。
政府の意向を窺うようなNHK会長のような規制委など要らない。
⇒2014年3月 3日 (月):不適格な籾井NHK会長の任命責任/アベノミクスの危うさ(28)
⇒2015年2月23日 (月):安倍政権はいつまでボロを出し続けるのか/日本の針路(110)
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