震災復興を妨げる原発事故/日本の針路(120)
8月には、お盆、原爆投下の日、敗戦の日等があって、鎮魂・慰霊の月という感じが強い。
⇒2014年8月 7日 (木):鎮魂の季節に思う/日本の針路(22)
しかし、現在は、3月もまた、鎮魂・慰霊の気持ちになるのは自然なことだろう。
昨10日が東京大空襲の日だった。
東京は1944年(昭和19年)11月14日以降に106回の空襲を受けたが、1945年(昭和20年)2月26日,2月28日特に1945年(昭和20年)3月10日、4月13日、4月15日、5月24日未明、5月25-26日の5回は大規模だった。その中でも「東京大空襲」と言った場合、死者数が10万人以上と著しく多い1945年3月10日の空襲を指すことが多い。この3月10日の空襲だけでも罹災者は100万人を超えた。
Wikipedia-東京大空襲
一般国民はいざ知らず、指導者たちにとって、もはや敗色は明らかであったはずである。
にもかかわらず、敗戦を遅延し、さらに被害を大きくしていった。
ヒロシマ、ナガサキへの原爆投下も、ソ連の参戦も、引き延ばしたから起きた惨劇である。
勝ち目があるならば持ちこたえるのもいいだろうが、どう考えても勝てない場合は投了するという美学がなかったのか?
天皇を含む戦争指導層の責任は大きい。
それから70年である。
またぞろ、戦争をしたい連中が大きな顔をしている雰囲気である。
NHKの朝の連続ドラマも終盤に近づいてきた。
昨日は、余市に空襲のシーンがあり、一馬の戦死の通知がとどいた。
今日は、敗戦の詔勅がラジオで流れた。
戦争に対する反省と死者に対する慰霊・鎮魂と受け止めたい。
会長の籾井氏はどうみているのだろうか?
そして今日は、あの東日本大震災から満4年という日である。
不幸なことに、震災に福島原発事故という要素が加わって、復興は遅れている。
JR富岡駅東側の荒地には、除染で出た放射性廃棄物が蓄積している。
東京新聞3月11日
JR富岡駅周辺は、セイタカアワダチソウに占拠されているというニュースがあったところだ。
⇒2014年11月 5日 (水):国道6号線沿いに咲くセイダカアワダチソウ/原発事故の真相(120)
ヒトに替わって、セイタカアワダチソウという外来種が主人公の座についているのだ。
黄色く染まったモノトーンの風景は、生産力の衰えた生態系のシンボル化している。
⇒2012年11月22日 (木):セイダカアワダチソウの風景と記号論/知的生産の方法(25)
かつて高市総務相(現、当時政調会長)が原発事故で死者は出ていないと発言して物議を醸したことがあった。
⇒2013年6月19日 (水):高市発言の思考の文脈/原発事故の真相(73)
しかし原発事故が原因となった死者は1200人を越え、今もなお増え続けているのだ。
東京新聞3月10日
ローカル・アベノミクスなどと気がきいたつもりでトンチンカンな発言をしているが、よ~く顔を洗って考えた方がいいのではないか。
⇒2014年10月13日 (月):超高齢社会をどう生きるか?/ケアの諸問題(15)
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