安倍政権の再生エネ潰し/技術論と文明論(19)
私はエネルギー政策は、ソフト・パスを「この道しかない」と考える。
しかし安倍政権は、ハード・パス路線に固執しているようである。
⇒2015年1月31日 (土):「この道しかない」はソフト・パスだ!/技術
安倍政権は、電力会社の接続申し込みの受け入れ停止を受けて、2030年の電源構成案において原発比率を20%にまで向上させようとしている。
⇒2015年1月30日 (金):再生エネ促進政策はお蔵入りか?/技術論と文明論(16)
そのために、再生エネ事業に新規参入した事業者が窮地に陥っている。
たとえば、「ご当地電力」として大きな期待がかけられた会津電力などはもろに打撃を受けている。
系統(送配電システム)を電力会社が独占している現況では、買い取りの義務を抜け穴を使って買い取らなければ、せっかく地域で生まれた電力も生かされない。
地産地消の観点から、小水力発電のように日本の風土にフィットしている発電システムを普及させていくべきだと思うが、現時点では補助金がなければ成り立たない。
しかし、系統接続ができないことを理由に補助金が採択されないといことである。
本末転倒だと思うが、再生エネ事業者の経営計画が成り立たなくなってしまっているのだ。
各電力会社の太陽光・風力発電の設備認定状況は下図のようである。
週刊朝日2014年10月31日号
安倍政権は2016年に電力自由化をするといって、算入を進めてきた。
しかし、電力会社が受け入れなければ、先行投資が事業会社の足を引っ張る負の資産になる。
わが国における再生エネの比率は下表のようである。
週刊朝日2014年10月31日号
わが国は資源小国といわれるが、それは地下資源についてである。
地上資源についてはむしろ恵まれているのだ。
⇒2015年1月29日 (木):「地上資源文明」の可能性/技術論と文明論(15)
そのポテンシャルを生かさないでハード・パス依存をいつまで続けるのだろうか。
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