反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)
安倍首相が衆院予算委で飛ばした「日教組!」というヤジについて、さすがに多くの人の顰蹙を買っているようである。
当ブログにも、「安倍首相がデマを流したということが判明しましたね。日教組は補助金を受けていないですし、教育会館も献金をしていないということですからね。」というコメントを頂戴した。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)
また、民主党の前原誠司元外相も、「品位に欠ける。反省してほしい」と抗議した。
首相は20日の答弁で「今後、静かな討論を心がけたい」と述べる一方、「(日教組関連で)献金を受けた議員が民主党にいる」などと主張。大島理森委員長が「答弁席ではしっかり答え、ヤジは自己抑制してほしい」と注意して収拾を図った。
首相は5日の参院予算委の集中審議でヤジを受けた際、民主党議員を名指しして「今、私が答えているから少し静かにしてほしい」と批判した経緯もある。同党の枝野幸男幹事長は「野党のヤジには名指しで注文をつけるのに、自分はヤジる。人に厳しく自分に甘い」と記者団に語った。
衆院予算委員長:民主へのヤジ、首相を注意 「抑制を」
ツイッターでも批判が多い。
国会で「日教組」を罵倒語として野次ってしまう安倍首相には、もはや、酷いとかバカだとか思わない(そんなことは百も承知だし)。むしろ、精神面に異常とも言える問題を抱えたそんな首相を、辞任させる方法がないというシステムの欠陥の方が怖ろしい。今はむしろこっち。
「日教組」が悪口になるのって、「そういう人たち」の間でだけだからね…。普通は実生活では恥ずかしくて言えないレベルのものだよね
本日ついに安倍総理が直々に野党議員に対し「日教組」などと野次る事態が発生した。つい先日も「テロリスト」などと陰から共産党委員長を野次った議員がいて、戦前のように悪者の認定が止めどなく拡大しまくっている。
安倍首相は、日教組って言っておけばネット民が喜ぶとでも思ったのかな。残念ながらそんなのはごく一部だし、農相の献金問題を議論している最中にそんな言葉を発してしまった首相とどう向き合えばいいのか、悩ましい気持ちでいっぱいです。
そもそも「日教組」が罵倒語になると思ってるのがびっくりだしそれを国会でヤジとして使うのがびっくり しかも首相であることにまたびっくり 悪口でなくほんとに病院レベルなのでは
る。
ネトウヨ首相「日教組呼ばわり」の野次を飛ばす(笑)。
これらの声が言っているように、私は安倍首相の知性の欠落というか、むしろ知的なものに対する反感あるいはコンプレックスではないかと思う。
私には首相のヤジが意味不明であったが、東京新聞が解読(?)している。
東京新聞2月21日
首相は、なぜ日教組を持ち出したのか。その言い分に根拠はあるのか。
日教組の担当者は「東京都千代田区に日教組が入居する日本教育会館がある。民主党と日教組、会館を運営する一般財団法人の関係にも、西川農相の問題と似た政治とカネの問題があると言いたいのだろう」と推測する。
・・・・・・
日教組の担当者は「日教組は国から補助金をもらっていない。日本教育会館は日教組とは人的な交流はあるが、国会議員に献金はしていない。首相の発言は全くの事実無根だ」と憤る。
もし首相の言い分が正しかったとしても、まずは西川農相の問題に正面から向き合うのが本来である。ましてや、日教組側の説明に従えば、誹謗中傷以外の何物でもない。
私は日教組の全盛期に初等教育を受けた世代である。
しかし現時点では、日教組に対して批判的である。
特に、日教組出身の民主党の輿石東元参議院議員会長などは、早く引退した方がいいだろうと思う。
しかし、比較の問題であって、安倍首相の根拠なき誹謗中傷に対しては、断固擁護したい。
安倍首相は、ネトウヨなどのごく一部の声を国民の声と勘違いしている「裸の王様」のようだ。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年2月15日 (日):「美しい属国」化により歴史に名を残す安倍首相/日本の針路(107)
ちなみにネット右翼についての「ニコニコ大百科」の解説に、特に特徴的として、次のような解説がある。
国内のリベラル・左翼は日本を貶める悪意を持っていると真剣に確信している者が多い。そのため両者の対話はまず成立せず、「反日」「売国」というラベリングを行うとともに排除の対象とする。現実世界のコミュニティとは異なりネットの政治的議論の場ではサイバーカスケード現象により同じような考えの者ばかり集まり、その中でもより先鋭的な意見が生き残ることになりやすいため、こうしたスタンスでもコミュニティ内での衝突は起こらない。またこうした考え方ゆえに、「自分は『普通の日本人』『普通の愛国者』であり、周りが『反日』『売国』だから叩いているだけ。自分は右でない」という自己認識の告白が多く見られる。これは彼らがネット右翼と呼ばれることを嫌う理由の一つでもある。
安倍首相の言動はまさにこの解説に適合するものだろう。
元自衛官で、集団的自衛権反対の街頭演説がフェイスブックで24000人から支持されたという泥憲和氏の著書『安倍首相から「日本」を取り戻せ! !』かもがわ出版(2014年11月)のタイトルに賛同する。
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