道徳の教科化に関する疑問/日本の針路(103)
小中学校の「道徳」が2018年度にも教科外の活動から教科に格上げされるらしい。
文部科学省が教科書をつくる際の土台となる学習指導要領の改訂案を、4日発表した。
静岡新聞2月5日
授業では検定教科書が用いられ、子どもの学習評価も始まる。
文科省は「教材を読むだけの読み物道徳から、考え、議論する道徳への転換を目指す」と説明している。
教材や指導方法については「特定の見方や考え方に偏らない」と明記している。
児童生徒が問題の解決策を考えたり、体験したりする学習を取り入れ、いじめ防止や情報モラル、生命倫理など現代的課題も取り上げるよう求めた。
書かれていることは大変結構だと思う。
しかし、我が身を振り返ってみて、「情報モラル、生命倫理」などを教えられるものなのか、と考えてしまう。
学習評価の導入はどうするのか?
学校現場でも、「子どもの内面は評価できない」と戸惑いの声が聞こえてくるようだ。
「愛国心」に関しては、次のように変更される。
道徳、「読む」から「考える」に 教科化へ指導要領改定案
問題を起こす学生・生徒は後を絶たない。
最近のニュースでは、名古屋大学理学部に在籍する女子学生の殺人事件がある。
宮城県のミッション系の高校出身だといい、部活動にも積極的だったらしい。
つまり、外形的にはこんな事件を起こすことは予想されないような人物像である。
もちろん、同級生に薬品で傷害を負わせたり、生物を殺していたり、ツイッターに危険な投稿をしたりということがあったらしいが、紙一重の人は大勢いるだろう。
また、記憶に新しいとことでは、佐世保市の高校生の例もある。
⇒2014年8月 3日 (日):佐世保女子高生殺人事件は防げたか?/日本の針路(19)
このケースでは、父親がその後自殺をしたという悲劇を生んでいる。
偶然かどうか分からないが、佐世保の女子高生も成績優秀で理系を目指していたという。
彼女たちの心の中は、他人が窺い知ることのできない世界である。
いわゆる「心の闇」が、道徳教育でどうにかなるものであろうか?
私は、基本的に悲観的である。
子どもの心は、基本的には大人の社会の鏡ではなかろうか?
親を含め、社会が病んでいればこの種の事件は繰り返されるであろう。
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投稿: 言霊百神 | 2015年2月 7日 (土) 15時23分