汚染水はコントロールされていない/原発事故の真相(128)
驚くべきことに、と言うべきだろうが、率直に言えば既視感がある。
東京電力が福島第一原発事故の汚染水が外海に流出し続けていたのを放置し、開示していなかった。
安倍首相が世界に向かって言った「汚染水は全体としてコントロールされ、影響はブロックされている」という言葉が、まったくの根拠のないものだったことが明らかになったのである。
⇒2014年5月17日 (土):汚染水は完全にブロックされている?/原発事故の真相(113)
⇒2015年1月 5日 (月):福島原発事故による海洋汚染/原発事故の真相(124)
2号機の建屋の屋上にたまったものが雨で流され、排水溝から外に出ていたのであるが、雨が降るたびに放射性セシウムやストロンチウムの濃度が高くなっていた。
2号機は爆発こそ免れたものの、格納容器内の圧力を下げるため、いわゆるベントによって、放射性物質の濃度が高い蒸気を外へ放出せざるを得なかった。
やむを得ざる処置ではあるが、大量の放射性物質を放出した。
高濃度の放射能汚染水が原発構内から外洋に漏れ続けていたのである。
雨が降るのは止められない。
一般の建築物でも、雨漏りはやっかいであるが、汚染物質を含んだ水である。
しかも東電は、この事実を2013年11月には把握していながら、公表もせず応急措置も施していない。
不信感を持つな、という方がムリである。
コントロールの要諦は、情報のフィードバックである。
その情報が遮断されていたのでは、コントロールのしようがない。
安倍首相は、世界に対して責任がある。
汚染水を含め、事故の全体像を、何が何処まで分かって、分かっていないのが何か。
早急に明らかにすべきである。
原発再稼働を言うのはそれからであろう。
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