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2015年2月28日 (土)

安倍首相のヤジは辞職に相当する/日本の針路(113)

西川農水相の資金疑惑が追及された当初、安倍首相は、「問題なし」と庇う姿勢だったが、急転直下辞任させた。
疑惑の拡大を防ぐが如くだったと言えよう。
⇒2015年2月23日 (月):安倍政権はいつまでボロを出し続けるのか/日本の針路(110)
その折、「任命責任は私にある」と明言したが、その責任をどうとるかについては何も言っていない。
この点を、民主党の馬淵澄夫議員が質した。

 馬淵議員は「総理の任命責任とは何か」という観点から質問した。馬淵議員は1985年から2015年までの30年間で17人の大臣が「政治とカネ」の問題で辞任した事実を示し、そのうち2006年に発足した第1次安倍内閣と最近の第2次以来の安倍内閣を通算した3年2カ月の間では、佐田玄一郎行政改革担当大臣、松岡利勝農水大臣、赤城徳彦農水大臣、遠藤武彦農水大臣、松島みどり法務大臣、小渕優子経産大臣、西川公也農水大臣と、計7人の閣僚が辞任したことを明らかにした。馬淵議員は「17人のうち7人、実に41%だ。歴代の内閣のなかで突出しており異常な数字だ」と突きつけ、「総理が果たすべき責任とは『政治とカネ』の問題に対処することだ」と迫った。安倍総理は「任命責任は私にある」としながらも「(政策を)前に進めていくことが私の責任だ」との答弁に終始し、「政治とカネ」について自ら率先して取り組もうという姿勢は示されなかった。馬淵議員は「もし8人目(の辞任する大臣)が出た場合には、辞職する覚悟をもっていただきたい」と釘を刺した。
【衆院予算委】「史上最悪の『政治とカネ』まみれの内閣」馬淵、玉木、後藤各議員が責任追及

西川氏が辞任したのに続き、“お友達”の下村文科相の疑惑も報道されているが、安倍首相は相変わらず「問題ではないという認識のようである。
⇒2015年2月27日 (金):下村博文文科相の道徳観を問う/日本の針路(112)

しかし、さらに新たに望月環境大臣と上川法務大臣の政治資金について、野党側が追及をしている。

民主党の後藤議員は、望月環境大臣が代表の政党支部に、2013年に、140万円の献金を行った企業が、国からの補助金を受けていたとして、補助金決定から1年間の政治献金を禁じる政治資金規正法に違反するとして追及しました。
相次ぐ“政治資金”疑惑を追及

両議員ともに静岡県選出であるが、さらに広がりつつある。

 望月義夫環境相と上川陽子法相がそれぞれ代表を務める自民党支部が、国からの補助金交付が決まっていた静岡市清水区の物流会社「鈴与」から二〇一一~一二年にも計六百二十万円の寄付を受けていたことが分かった。鈴与からの同様の寄付は、一三年と合わせ計八百二十万円となった。
 政治資金規正法は補助金交付決定通知から一年間、政党や政治資金団体への寄付を禁じているが、政治家側が交付決定を知らなければ刑事責任を問われない。
・・・・・・
 鈴与からの寄付はほかに、静岡が地盤の勝俣孝明衆院議員の自民党支部が計七十万円、井林辰憲衆院議員の自民党支部が十二万円を一三年にそれぞれ受けていたことも判明した。
環境・法相側さらに620万円 11~12年静岡の物流会社寄付

静岡県の自民党は鈴与漬けである。
これだけ疑惑が続くのも異様である。
馬淵氏の言うように、突出しているとすれば、体質とか構造的という言葉を冠したくなる。
ことの本質は、首相自身が低劣なヤジを飛ばす姿に象徴されているといえよう。
私は、映像で見て、首相が突然「日教組!」とヤジを飛ばした時、それがいかなる意味であるか理解できなかった。
議論のコンテキストと全く無関係だったからである。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)

しかしそういうヤジが、ネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる人たちの常套的なものだと知った。
⇒2015年2月21日 (土):反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)

このヤジについて、毎日新聞が識者の意見を聞いている。
事実誤認で、後日訂正と謝罪をするというお粗末さだったのだが、西川前農水相の献金疑惑と辞任騒動で余り問題にされていないが、「実は重大かつ深刻な問題なのではないか」という問題意識である。
コメントしているのは次の3人である。
◇国会に「ネトウヨ」的言論−−安田浩一さん(ジャーナリスト)
◇マスコミよ、もっと怒れ−−吉永みち子さん(作家)
◇昔なら内閣が吹っ飛んだ−−森田実さん(政治評論家)

森田さんの見解を引用しよう。

 安倍首相の言動に、1953年2月の衆院予算委員会を思い浮かべた。右派社会党の議員の質問に当時の吉田茂首相が小声でつぶやいた「バカヤロー」という言葉を偶然マイクが拾った。懲罰動議が可決され、さらに内閣不信任案の可決に発展、いわゆる「バカヤロー解散」の引き金となった。
 首相の発言はそれほど重いということだが、今回は面と向かって、しかも事実誤認であり、より悪質だ。本来は内閣が倒れるような問題なのに、直後に起きた西川前農相の辞任問題に世間の視線は向いてしまった。
 首相がヤジで言及した日教組の組織率は既に2割台だ。そんな組織への敵がい心に凝り固まっているとすれば、あまりに古い思考と言わざるを得ない。国会で政府を点検するという正当な行為を首相自らが妨害するのを許せば、行き着く先は弾圧だ。
 感情を抑制できず表に出してしまったことも問題だ。むきになる姿勢は国内政治に限らず外交的にもマイナス。それでなくても関係良好とは言えない中国や韓国が、敵がい心が強く感情的な首相の言動を信用するだろうか。
 一方、民主党の対応は残念だ。次の質問者が直ちに取り上げるといった臨機応変さが必要だった。首相への懲罰動議も提出すべきだ。国民と政治を結ぶという議会人としての自覚がもっと欲しい。
 「高慢は常に破滅の一歩手前にあらわれる。高慢になる人はもう勝負に負けている」とはスイスの思想家ヒルティの言葉だ。民主党議員を見下した首相の姿勢が目に付く。だが、それは自ら終えんに近づいているということだ。
特集ワイド:見過ごせない!安倍首相のヤジ

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