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2015年2月 6日 (金)

最高裁の判断は裁判員制度の趣旨と矛盾しないか/日本の針路(104)

東京と千葉で起きた強盗殺人事件を巡り、裁判員裁判の死刑判決が妥当かどうかが争われた2つの裁判で、最高裁判所が、死刑を選択するには過去の裁判例を踏まえて判断しなければならないとする決定を出した。
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東京新聞2月5日

つまり裁判員裁判として行われた1審の死刑判決が棄却され、無期懲役とした2審判決が採用されたわけである。
死刑判決は重い。
それは裁判員も思っていることであろう。
その心理的負担を乗り越えて死刑とした最高裁の判断である。
2つの裁判で判断されたということは、判例として定着するということであろう。

確かに、、「死刑は被告の生命を永遠に奪い去る究極の刑罰で、慎重さと公平性を確保をしなければならない。そのためには、これまで積み重ねられてきた過去の裁判例で、犯行の性質や計画性などといった判断要素がどのように考慮されてきたのかを踏まえた議論が不可欠だ。これは裁判官のみの裁判でも裁判員裁判でも変わるものではない」という最高裁の判断はもっともではある。
しかし、これまでの判例を重視するということであれば、法曹の範囲の話ではなかろうか。
「国民の司法参加により市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映する」という裁判員制度の趣旨はどう考えるのであろうか?
⇒2009年1月24日 (土):裁判員制度に関する素朴な疑問

裁判員制度は、「地方裁判所で審理される殺人などの重大事件について、市民が裁判官と一緒に 裁判に参加して「有罪か、無罪か」「有罪ならどのくらいの刑か」などを決める」のが趣旨である。
Photo
http://www.kyoto-np.co.jp/saiban/saibaninseido.html

裁判員は国民の義務の一種であろうから、私も選任されれば受諾するつもりではいる。
しかし、場合によっては大変なストレスになることもあるようだ。

 京都地裁で審理中の殺人事件の裁判員裁判(後藤真知子裁判長)で、裁判員の男性が遺体のカラー写真を見た直後に意識を失っていたことが同地裁への取材でわかった。
 男性は同地裁に「写真が原因」と説明したといい、地裁は4日、男性を解任し、補充裁判員を後任に充てた。
 同地裁や関係者によると、内縁の妻の首をタオルで絞めて殺害したとして殺人罪に問われた男(64)の裁判員裁判。男性は3日の公判で、検察側証人の鑑定医が遺体の写真をモニター画面に映して説明中に、気を失ったという。
遺体の写真見た裁判員男性、一時意識失う…解任

こんなストレスを受けながら、結局は上級審で否定されるとしたら、裁判員は虚しいのではないか?

元裁判員「納得いかない」
東京・港区の強盗殺人事件で死刑を言い渡した1審の裁判員を務めた50代の女性は、最高裁の決定について、「自分たち裁判員は、100%の力で事件に向き合い、死刑という致し方ない結論に至ったのに、『被害者の数が1人だから』という先例によって被告の顔も見ずに裁判官が判断したのは納得がいきません。死刑判決が確定したらよかったかというと、それは逆にショックだったとも思いますが、自分たちの判断が説得力に欠けるからと変更されたこともふに落ちず、とても複雑な思いです」と話していました。
裁判員裁判の死刑判決 認めず

裁判員制度は見直すべきではないだろうか?

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