« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »

2015年2月

2015年2月28日 (土)

安倍首相のヤジは辞職に相当する/日本の針路(113)

西川農水相の資金疑惑が追及された当初、安倍首相は、「問題なし」と庇う姿勢だったが、急転直下辞任させた。
疑惑の拡大を防ぐが如くだったと言えよう。
⇒2015年2月23日 (月):安倍政権はいつまでボロを出し続けるのか/日本の針路(110)
その折、「任命責任は私にある」と明言したが、その責任をどうとるかについては何も言っていない。
この点を、民主党の馬淵澄夫議員が質した。

 馬淵議員は「総理の任命責任とは何か」という観点から質問した。馬淵議員は1985年から2015年までの30年間で17人の大臣が「政治とカネ」の問題で辞任した事実を示し、そのうち2006年に発足した第1次安倍内閣と最近の第2次以来の安倍内閣を通算した3年2カ月の間では、佐田玄一郎行政改革担当大臣、松岡利勝農水大臣、赤城徳彦農水大臣、遠藤武彦農水大臣、松島みどり法務大臣、小渕優子経産大臣、西川公也農水大臣と、計7人の閣僚が辞任したことを明らかにした。馬淵議員は「17人のうち7人、実に41%だ。歴代の内閣のなかで突出しており異常な数字だ」と突きつけ、「総理が果たすべき責任とは『政治とカネ』の問題に対処することだ」と迫った。安倍総理は「任命責任は私にある」としながらも「(政策を)前に進めていくことが私の責任だ」との答弁に終始し、「政治とカネ」について自ら率先して取り組もうという姿勢は示されなかった。馬淵議員は「もし8人目(の辞任する大臣)が出た場合には、辞職する覚悟をもっていただきたい」と釘を刺した。
【衆院予算委】「史上最悪の『政治とカネ』まみれの内閣」馬淵、玉木、後藤各議員が責任追及

西川氏が辞任したのに続き、“お友達”の下村文科相の疑惑も報道されているが、安倍首相は相変わらず「問題ではないという認識のようである。
⇒2015年2月27日 (金):下村博文文科相の道徳観を問う/日本の針路(112)

しかし、さらに新たに望月環境大臣と上川法務大臣の政治資金について、野党側が追及をしている。

民主党の後藤議員は、望月環境大臣が代表の政党支部に、2013年に、140万円の献金を行った企業が、国からの補助金を受けていたとして、補助金決定から1年間の政治献金を禁じる政治資金規正法に違反するとして追及しました。
相次ぐ“政治資金”疑惑を追及

両議員ともに静岡県選出であるが、さらに広がりつつある。

 望月義夫環境相と上川陽子法相がそれぞれ代表を務める自民党支部が、国からの補助金交付が決まっていた静岡市清水区の物流会社「鈴与」から二〇一一~一二年にも計六百二十万円の寄付を受けていたことが分かった。鈴与からの同様の寄付は、一三年と合わせ計八百二十万円となった。
 政治資金規正法は補助金交付決定通知から一年間、政党や政治資金団体への寄付を禁じているが、政治家側が交付決定を知らなければ刑事責任を問われない。
・・・・・・
 鈴与からの寄付はほかに、静岡が地盤の勝俣孝明衆院議員の自民党支部が計七十万円、井林辰憲衆院議員の自民党支部が十二万円を一三年にそれぞれ受けていたことも判明した。
環境・法相側さらに620万円 11~12年静岡の物流会社寄付

静岡県の自民党は鈴与漬けである。
これだけ疑惑が続くのも異様である。
馬淵氏の言うように、突出しているとすれば、体質とか構造的という言葉を冠したくなる。
ことの本質は、首相自身が低劣なヤジを飛ばす姿に象徴されているといえよう。
私は、映像で見て、首相が突然「日教組!」とヤジを飛ばした時、それがいかなる意味であるか理解できなかった。
議論のコンテキストと全く無関係だったからである。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)

しかしそういうヤジが、ネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる人たちの常套的なものだと知った。
⇒2015年2月21日 (土):反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)

このヤジについて、毎日新聞が識者の意見を聞いている。
事実誤認で、後日訂正と謝罪をするというお粗末さだったのだが、西川前農水相の献金疑惑と辞任騒動で余り問題にされていないが、「実は重大かつ深刻な問題なのではないか」という問題意識である。
コメントしているのは次の3人である。
◇国会に「ネトウヨ」的言論−−安田浩一さん(ジャーナリスト)
◇マスコミよ、もっと怒れ−−吉永みち子さん(作家)
◇昔なら内閣が吹っ飛んだ−−森田実さん(政治評論家)

森田さんの見解を引用しよう。

 安倍首相の言動に、1953年2月の衆院予算委員会を思い浮かべた。右派社会党の議員の質問に当時の吉田茂首相が小声でつぶやいた「バカヤロー」という言葉を偶然マイクが拾った。懲罰動議が可決され、さらに内閣不信任案の可決に発展、いわゆる「バカヤロー解散」の引き金となった。
 首相の発言はそれほど重いということだが、今回は面と向かって、しかも事実誤認であり、より悪質だ。本来は内閣が倒れるような問題なのに、直後に起きた西川前農相の辞任問題に世間の視線は向いてしまった。
 首相がヤジで言及した日教組の組織率は既に2割台だ。そんな組織への敵がい心に凝り固まっているとすれば、あまりに古い思考と言わざるを得ない。国会で政府を点検するという正当な行為を首相自らが妨害するのを許せば、行き着く先は弾圧だ。
 感情を抑制できず表に出してしまったことも問題だ。むきになる姿勢は国内政治に限らず外交的にもマイナス。それでなくても関係良好とは言えない中国や韓国が、敵がい心が強く感情的な首相の言動を信用するだろうか。
 一方、民主党の対応は残念だ。次の質問者が直ちに取り上げるといった臨機応変さが必要だった。首相への懲罰動議も提出すべきだ。国民と政治を結ぶという議会人としての自覚がもっと欲しい。
 「高慢は常に破滅の一歩手前にあらわれる。高慢になる人はもう勝負に負けている」とはスイスの思想家ヒルティの言葉だ。民主党議員を見下した首相の姿勢が目に付く。だが、それは自ら終えんに近づいているということだ。
特集ワイド:見過ごせない!安倍首相のヤジ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月27日 (金)

下村博文文科相の道徳観を問う/日本の針路(112)

それにしてもお粗末な内閣である。
西川農水相が、疑惑隠しのようなスピードで辞任したのに続き、下村文科相にも資金疑惑が報じられ、26日の衆院予算委員会で指摘された。
「週刊文春」3月5日号は、『“お友達”下村文科大臣 塾業界から「違法献金」』と銘打っている。
Ws000003

 政治資金規正法は、特定の政治家を推薦したり、支持したりすることを目的とする団体は政治団体となり、届け出をした上で、毎年、収入や支出などを記載した政治資金収支報告書を提出することを義務付けている。
 柚木氏は地方の博友会について「規約に(下村氏の政治)活動を支援するとあり、政治団体として届けられるべきではないか」とただした。
 これに対し、下村氏は任意団体だと重ねて強調。それぞれの団体が開く会合に関して「政治目的はなく、政治資金を集めることもない」と指摘。「私も事務所も財政面を含め、具体的運営にタッチしていない」と述べた。
「政治とカネ」国会で追及 下村文科相が疑惑否定

これは通用しないだろう。

公表されている「中四国博友会」の規約(抜粋)を読むと、〈第2条 (目的)本会は、下村博文氏の政治活動を支援することを目的とする〉とあり、問い合わせ先として、広島市の教育関連の企業名と電話番号のほか、下村大臣の衆院事務所の電話番号が載っている。どう見ても、政治団体である。
今度は下村文科相に違法献金疑惑…安倍内閣「辞任ドミノ」も

どう弁明してみても「特定の政治家を推薦したり、支持したりすることを目的とする団体」である。

 下村大臣が代表を務める「自民党東京都第11選挙区支部」の13年分の収支報告書には「株式会社教育企画」(名古屋市)から4万8000円の寄付があったと記載されている。代表者名は「豊川正弘」だ。豊川氏は、04~05年、指定暴力団山口組弘道会の資金源とされる風俗業者らに6億円を融資していたことを報じられた“いわく付き”の人物である。
「国務大臣の要職にある政治家が反社会勢力とつながりのある人物や関係団体から寄付を受けているなんて論外ですよ」(政治評論家の山口朝雄氏)
今度は下村文科相に違法献金疑惑…安倍内閣「辞任ドミノ」も

文科省は2018年度から、道徳を教科に格上げする方針だという。
⇒2015年2月 5日 (木):道徳の教科化に関する疑問/日本の針路(103)
黒い大臣がどのような道徳を教えようとするのか。
道徳教育では愛国心を前倒しするというが、愛国心の涵養には建国のルーツを知ることが必須である。
本気で「撃ちてし止まむ」という事情を教育するのだろうか?
⇒2015年2月11日 (水):「建国記念の日」と建国の事情/やまとの謎(99)

倒閣に値する材料続出である。
野党も気合いを入れて追及していただきたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月26日 (木)

汚染水はコントロールされていない/原発事故の真相(128)

驚くべきことに、と言うべきだろうが、率直に言えば既視感がある。
東京電力が福島第一原発事故の汚染水が外海に流出し続けていたのを放置し、開示していなかった。
安倍首相が世界に向かって言った「汚染水は全体としてコントロールされ、影響はブロックされている」という言葉が、まったくの根拠のないものだったことが明らかになったのである。
⇒2014年5月17日 (土):汚染水は完全にブロックされている?/原発事故の真相(113)
⇒2015年1月 5日 (月):福島原発事故による海洋汚染/原発事故の真相(124)

Ws000000
東京新聞2月25日

2号機の建屋の屋上にたまったものが雨で流され、排水溝から外に出ていたのであるが、雨が降るたびに放射性セシウムやストロンチウムの濃度が高くなっていた。
2号機は爆発こそ免れたものの、格納容器内の圧力を下げるため、いわゆるベントによって、放射性物質の濃度が高い蒸気を外へ放出せざるを得なかった。
やむを得ざる処置ではあるが、大量の放射性物質を放出した。
高濃度の放射能汚染水が原発構内から外洋に漏れ続けていたのである。

雨が降るのは止められない。
一般の建築物でも、雨漏りはやっかいであるが、汚染物質を含んだ水である。
しかも東電は、この事実を2013年11月には把握していながら、公表もせず応急措置も施していない。
不信感を持つな、という方がムリである。

コントロールの要諦は、情報のフィードバックである。
その情報が遮断されていたのでは、コントロールのしようがない。
安倍首相は、世界に対して責任がある。
汚染水を含め、事故の全体像を、何が何処まで分かって、分かっていないのが何か。
早急に明らかにすべきである。
原発再稼働を言うのはそれからであろう。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月25日 (水)

自衛隊派遣の歯止めを外す安倍政権/日本の針路(112)

政府は、20日の安全保障法制をめぐる与党協議で、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の素案は、地理的制約を設けず、支援対象の国も限定しない内容だった。
周辺事態法も改正して「周辺事態」の概念を撤廃する意向だという。
要するに、「何時でも、何処でも、何に対しても」というまったくのフリーハンドということである。
Photo
東京新聞2月21日

13日の前回協議では、武力攻撃に至らない侵害「グレーゾーン」事態についても、閣議決定が米艦に限定していた防護対象を、米軍以外に拡大する法整備の検討を与党側に求めた。
さすがに公明党側からは、恒久法の素案に対し「自衛隊の安全をどう守るのか」と懸念する声が出たし、グレーゾーン事態での防護対象についても「日米同盟と同様に密接な協力関係のある国」に限定するよう主張があった。
しかし、平和の党の建前を捨てた公明党に、協議の方向性を修正していくことはできないだろう。

「自衛隊」概念からすれば、本来海外派遣などありえないことである。
もしあったとしても、例外中の例外であって、従前の以前の自衛隊法第3条でも、任務は「外部からの侵略阻止」=国土防衛のみとしてきた。
しかし冷戦の終焉により、日本は、世界の政治経済に影響力をもつ国、またその経済活動が安定した国際社会の恩恵を受けている立場として、経済力に見合った国際貢献を求められ、その一つ国連の平和維持軍をはじめとした国際社会の平和と安全への貢献も検討されるようになってきた。
その「国際貢献」の一つとして、1991 年に初めて自衛隊が海外へと派遣された。
いわゆるPKOである。

しかし、2003年(平成15年)12月に始まる自衛隊イラク派遣によって、海外における自衛隊の活動は性格を変えた。
その目的は、イラクの国家再建を支援するためとされているが、イラクへの派遣は「派兵」の色の濃いものであった。
それをさらに集団的自衛権の行使を可能にし、さらに行使をし易いように着々と海外派兵の環境を整えつつあるのだ。

Photo_2 政府が二十日の安全保障法制に関する与党協議で、周辺事態法を改正して「周辺事態」の概念を廃止する方針を示したのは、他国を武力で守る集団的自衛権を行使する際に混乱要因になりかねないと判断したからだ。例えば朝鮮半島有事では、安倍政権が集団的自衛権行使を想定する事態と周辺事態の双方に当てはまる状況になる可能性があり、法体系の改変を図った。
 周辺事態法は「そのまま放置すれば、わが国に対する直接の武力攻撃に至る恐れのある事態」を周辺事態と定義する。政府が朝鮮半島有事を周辺事態と認定すれば、自衛隊による米軍への給油や輸送の後方支援は可能だが、集団的自衛権行使は認められない。
 政府は昨年七月の閣議決定で集団的自衛権の行使が許される状況を「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされ、国民の生命に明白な危険がある場合(存立危機事態)」と定めた。
 朝鮮半島有事で韓国を防衛する米軍が攻撃された場合、存立危機事態と認定すれば日本は集団的自衛権を行使できるが、周辺事態と解釈すれば後方支援しかできない。安倍政権はこうした制約をなくすために「周辺事態」を廃止したいと判断。政府からは「本当は法律自体をなくしたい」との本音も漏れる。
自衛隊派遣 歯止め撤廃 政府、恒久法素案で拡大

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月24日 (火)

歴史に学ばない浅慮の安倍首相/日本の針路(111)

倍晋三首相が23日の衆院予算委員会で、日本教職員組合(日教組)の関連団体から民主党議員に政治献金があったと指摘した自身の国会答弁について、発言を撤回し、陳謝した。

 首相は20日の同委で、日教組の関連団体「日本教育会館」が民主党議員に献金していると指摘。民主党は事実でないと訂正と謝罪を求めていた。
 首相は日教組が国から補助金を受けていると主張していたことについても「そうではなかった」と誤りを認めた。
・・・・・・
 また企業・団体献金の禁止については「日本は法人社会的なところがあり、個人献金は非常に難しい。そういう社会の成り立ちもあり、今の段階で(禁止は)難しい」と言及。「違法なことがあってはならず、透明性を上げていき、説明責任を果たしていくことだ」と語った。
安倍首相:「日教組」答弁撤回 「私の記憶違い」 予算委で謝罪

まったくお粗末というしかないだろう。
さすがに日経新聞のコラム「春秋」も呆れたような書きぶりである。

▼先週の19日に安倍晋三首相が見せた笑顔は、どう表したらいいだろう。衆院予算委員会の初日、民主党の玉木雄一郎議員が西川公也農相の政治とカネの問題を追及した際に「日教組はどうするの」とヤジを飛ばした、あの表情だ。ヤジという品のない行為にぴったりはまる、という意味では「にやにや」という言い回しか。
▼翌日、民主党の前原誠司議員から批判を浴びて、首相は次のように応じた。補助金をもらっている日教組の関連団体から献金をもらっている議員が、民主党にいる――。なるほど、ヤジの背景にはそんな情報があったのか、と思いきや。週が明けたきのう午前、首相は答弁の一部を訂正した。「正確性」を欠いていた、
▼そして、きのうの夕方。西川農相は首相に辞表を提出した。唐突感は否めない。首相が飛ばしたあのヤジは、いったい何だったのか。辞表を受け取って「任命責任は私にあります」と語った首相の表情は、いよいよこわばっていて、うまいオノマトペが思い浮かばない。国民の気分なら「うんざり」でしっくりくるのだが。
春秋

陳謝すると言っても「企業・団体献金の禁止」についてや止める気はないし、任命責任と言っても口先だけである。
こんな首相は早く退出すべきだろう。
安倍政権になって、とんでもない事態が進行している。
防衛省が、文官統制規定を撤廃するというのだ。
内部部局(内局)の背広組(文官)が制服組自衛官より優位を保つと解釈される同省設置法12条を改正するという歴史に逆行する方針である。
Photo

文官(文民)統制=シビリアンコントロールは、職業軍人でない文民が、軍隊に対して最高の指揮権を持つことである。
軍部の政治への介入を抑制し、民主政治を守るための原則である。
このまま法律が変われば、文官は軍事的分野に立ち入れなくなり、制服組優位が実質化してしまう。

防衛省の言い分は「軍隊の運用は、専門性が高いうえに迅速な対応を要求されることなどから、軍が一元的に扱うことが、世界各国では一般的となっている」ということらしい。
まったく事実に反する。
たとえば軍事国家アメリカでも、大統領と国防長官はもちろん文民であるが、5人の国防副長官も全員が文民で、しかも議会の指名が必要となっている。
統制権限を軍部が握ってしまった大日本帝国の失敗を、政府が率先するというのだから、歴史に何も学ばないということだ。

防衛省設置法
(官房長及び局長と幕僚長との関係)
第十二条  官房長及び局長は、その所掌事務に関し、次の事項について防衛大臣を補佐するものとする。
 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊又は統合幕僚監部に関する各般の方針及び基本的な実施計画の作成について防衛大臣の行う統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長又は航空幕僚長(以下「幕僚長」という。)に対する指示
 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊又は統合幕僚監部に関する事項に関して幕僚長の作成した方針及び基本的な実施計画について防衛大臣の行う承認
 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊又は統合幕僚監部に関し防衛大臣の行う一般的監督

図解すれば以下のようである。

Photo_2
大臣が制服組トップの統合幕僚長や陸海空の幕僚長に指示を出したり、幕僚長の方針を承認したり、一般的な監督をする際に、背広組の官房長や局長が「大臣を補佐する」と規定。これにより「文官統制」ができる仕組みになっていた。改正案では、官房長、局長らは各幕僚長と対等な立場で大臣を補佐すると改める。
「文官統制」廃止へ法案 制服組、立場対等に

安倍政権は、戦後レジームからの脱却と称して「戦争のできる国」作りを急いでいる。
「戦争のできる国」とは、「戦争と縁の切れない国」、「戦争なしには生きられない国」ということだ。
⇒2014年10月14日 (火):経済政策の自壊と暴走政権の行方/アベノミクスの危うさ(40)
今までの自民党には「歴史の教訓」に学ぶという姿勢はあったように思う。
安倍という人は、歴史についても戦争についても何も知らないのだ。

明治時代の初め、当時の軍部大臣に当たる兵部卿の補任資格を「少将以上」の者に限っていた。その後、同様の規定は中断したり復活したりしていたが、1900年(明治33年)に、山縣有朋首相の主導で、軍部大臣現役武官制を明確に規定した。これは、当時勢力を伸張していた政党に対して、軍部を権力の淵源としていた藩閥が、影響力を維持するために執った措置とされる。
しかし、日露戦争後の国際状況の安定と政党政治の成熟により藩閥と軍部の影響力は衰え、1913年(大正2年)には軍部大臣の補任資格を「現役」に限る制度が改められた。再び軍部の影響力が強まった1936年(昭和11年)に軍部大臣現役武官制は復活し、1945年(昭和20年)の終戦後、軍部大臣が消滅するまで続いた。
一方、日本以外の国、特に西欧諸国においては、第二次世界大戦以前においても軍部大臣に文官を任用する例も多く、政治の軍事に対する優位を原則とする文民統制の理念が確立している。
軍部大臣現役武官制-Wikipedia

かくして日本は平和国家から好戦的な国家に逆走していくのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月23日 (月)

安倍政権はいつまでボロを出し続けるのか/日本の針路(110)

政治資金問題に関して疑惑が追及されていた西川公也農林水産相が、急転辞表を提出した。
安倍首相は辞任を了承し、後任に林芳正・前農水相を充てた。
首相は「任命責任は私にある。国民の皆様におわびを申し上げたい」と官邸で記者団に述べ、陳謝した。

安倍首相は、民主党の玉木雄一郎議員が西川農水相を追求している時に、品格を欠くヤジを自ら飛ばしており、口先だけの陳謝でしかないことは明らかである。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)
⇒2015年2月21日 (土):反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)

それにしても絶対多数の驕りであろうか、内閣が倒れるような不祥事が相次ぐ。
安倍内閣を巡っては、昨年9月の第2次内閣の改造後に「政治とカネ」の問題が噴出し、10月に小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相が「ダブル辞任」した。
⇒2014年10月20日 (月):女性閣僚W辞任と片山さつき議員の資質/日本の針路(55)
口先だけでなく、安倍首相は任命責任を具体的な行動で示すべきであろう。

問題は、政府の御用新聞化している産経新聞が、玉木氏の政治資金に関する報道をしたことだ。

 衆院予算委員会で西川公也農林水産相(72)をめぐる政治献金問題を追及した民主党の玉木雄一郎議員(45)=香川2区=の関連団体「たまき雄一郎後援会」(香川県さぬき市)が平成22年5月、政治資金パーティーの対価として、支援者の男性(66)が社長を務める県内の食品会社グループ計8社から計280万円の支払いを受けていたことが21日、同団体の政治資金収支報告書から分かった。
 玉木氏は19日の衆院予算委で、西川農水相が政治資金規正法の禁じる「国の補助金の交付決定から1年以内の寄付」を行った精糖工業会の関連企業から100万円の寄付を受けていたことについて、「実質的に両組織は同一で、ダミー会社を迂(う)回(かい)させた脱法的な献金だ」と批判していた。
民主・玉木氏団体に280万円 同一代表者、8社から 西川農水相への寄付「脱法」追及

この報道から受ける印象は、玉木氏も西川氏と同じ穴のムジナということだろう。
しかし本当にそうか?
玉木氏は産経の報道に対して憤っている。

 玉木議員は産経の取材に対し「8社は所在地も事業実態も異なる。同一者でなく、違法性はない」と全面否定していたが、そりゃあそうだろう。西川農相の違法献金が指摘されている「精糖工業会館」と、国の補助金を受けていた「精糖工業会」は所在地も代表者・役員も同じ。会館は事業のほぼ全てを工業会に丸投げだから、ほぼ“同一法人”だ。一方、玉木議員のケースは、国の補助金も受けておらず、8社の住所も事業実態も全く異なるのだ。
「政権が情報操作している」農相追及の玉木議員が報道に怒り

西川氏と玉木氏は明らかに事情が異なる。
にもかかわらず、産経新聞はあたかも同一の問題かのように思わせる書き方である。
案の定、リテラシーの低い安倍シンパは、鬼の首をとったかのようなはしゃぎぶりである。

西川と同じような脱法行為をやっていて、西川をよく追及できたもんだ。
民主党はいつもブーメラン。
保守速報

こんな連中と一緒の発想では情けないが、それが実態なのである。
盟友の籾井NHK会長も醜態をさらし続けている。

 「5日の発言」とは、定例記者会見で「戦後70年にあたり従軍慰安婦問題を番組で取り上げるのか」との問いに対する籾井氏の次の答えだ。
 「政府の正式なスタンスがまだ見えないので、放送するのが妥当かどうかは慎重に考えないといけない」。素直に聞けば「政府の主張に沿った番組しか放送しない」とも受け取れる。
 「政府の方針を確かめないと報道するかどうかを決められないのならば、大本営発表をそのまま垂れ流した戦時中と何が違うのか」。ジャーナリストの大谷昭宏氏は怒りもあらわに言う。「報道機関は権力の監視に加え、国民の意見が割れている問題について自ら考え、報じることも重要で、その責務を放棄しているとしか思えない。外部出身の人物がNHKの会長をしてはいけないと言っているのではありません。彼には報道の世界の原則が全く分かっていないことが問題なんです」
 「ニュースの職人」を称し数多くの調査報道に携わった鳥越俊太郎氏も声を強める。「NHKの経営は大半を国民からの受信料で賄っている。従って国民の方を向いた報道をするのが大原則。ところが籾井氏は政府の方を向いている。実際、彼が会長になってから、NHKは政府批判を控えているように映ります」。特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認の閣議決定、原発再稼働……。日本の針路を決める重要政策では政府の方針を伝えようとする傾向が目立ち、「このままでは北朝鮮の国営放送と同じことになる恐れがある」と指摘する。
 それにしても「既視感」がある。
 昨年1月25日の就任会見で籾井氏が「(慰安婦は)戦争地域にはどこにもあった」「なぜオランダに今も(売春街を示す)飾り窓があるのか」などと「放言」したのが騒動の始まりだった。今年1月にはお笑いコンビ「爆笑問題」がNHKの番組で政治家ネタを却下されたことを明かしたことについて、個人名を挙げたネタは一般論として「品性があってしかるべきだ」と語った。そして今回の発言。
 この人の「問題発言」に慣れてしまって驚かなくなるのが、むしろ怖いほどだ。
特集ワイド:NHK籾井会長発言の危うさ 政府の代弁放送になるのか

また、新聞や放送、出版など各分野のジャーナリストで組織する「日本ジャーナリスト会議」と市民団体「放送を語る会」から辞任要求を受けている。
Ws000000_2
私も受信料支払い停止を本気で考えようか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月22日 (日)

福島原発事故で放出されたセシウムの現状/原発事故の真相(127)

福島原発事故による放射能汚染はどこまで広がっているのか?
東京新聞が水域について調査しており、隅田川等の現況については当ブログでも触れたことがある。
⇒2014年12月20日 (土):隅田川に蓄積されているセシウム/原発事故の真相(123)

霞ヶ浦等の水郷地帯の結果が報道されている。
Ws000001_2
東京新聞2月20日

湖沼は水が入れ替わりにくいので汚染物質が蓄積されやすいことは理解できよう。
私はリサーチャーとして水問題を担当していたことがあり、吉村信吉『湖沼学』の復刻版を持っている。
⇒2012年11月30日 (金):『湖沼学』と母なる琵琶湖/花づな列島復興のためのメモ(165)

湖沼は疑似的に完結したミクロコスモスである。

湖沼を研究対象とする学問。湖沼は大昔から漁業、交通、水利などを通して、人々と深いかかわり合いをもってきたが、それが科学研究の対象となったのは19世紀末からである。湖沼学は、湖沼に関する地学、物理学、化学、生物学などの諸分野を総合した科学である。これらの諸分野のうち、比較的早く研究が開始されたのは、淡水生物学であった。その後、アメリカのバージE. A. Birge、フォーブスS. A. Forbesらは、淡水生物の研究に物理・化学環境の調査、分析を加え、それぞれの湖に特有な環境と生態系が発達することを示唆した。フォーブスは、外界から独立した湖沼は、それぞれが微小宇宙であるという考えを示した。
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説・湖沼学(limnology)

調査は1月26、27日の両日、環境省の調査でも高濃度汚染が確認されている手賀沼(千葉県)をはじめ、印旛沼(同)、茨城県内の霞ケ浦や牛久沼で行われた。

 手賀沼に流れ込む複数の川の周辺土も調べたが、七一七~四七〇一ベクレルと高かった。指定廃棄物として特別の処理が求められる基準(八〇〇〇ベクレル超)より低いが、雨などで川に流れ込み、沼に運ばれてたまり続けていく懸念もある。
・・・・・・
 本紙の測定結果について独協医科大の木村真三准教授(放射線衛生学)は「ただちに騒ぐレベルではないが淡水魚は海水魚に比べ(セシウムを含む)塩類を排出する機能が弱く、セシウムを濃縮しやすい。長期的な観測が必要だ」と指摘した。
 現実に、水郷で捕れた淡水魚では、いまだに食品基準(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超えるセシウムの検出が相次いでいる。このため手賀沼ではギンブナやコイ、ウナギ、モツゴの出荷制限や自粛が続く。霞ケ浦でもギンブナやアメリカナマズの出荷が制限されており、水郷への放射能の悪影響は収まっていない。
Photo_2
福島事故放出セシウム 手賀沼など底土高濃度

汚染の実態を確認することが、再稼働の是非を考える前提だと考える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月21日 (土)

反知性主義的なネトウヨ・安倍首相/日本の針路(109)

安倍首相が衆院予算委で飛ばした「日教組!」というヤジについて、さすがに多くの人の顰蹙を買っているようである。
当ブログにも、「安倍首相がデマを流したということが判明しましたね。日教組は補助金を受けていないですし、教育会館も献金をしていないということですからね。」というコメントを頂戴した。
⇒2015年2月20日 (金):低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)
また、民主党の前原誠司元外相も、「品位に欠ける。反省してほしい」と抗議した。

 首相は20日の答弁で「今後、静かな討論を心がけたい」と述べる一方、「(日教組関連で)献金を受けた議員が民主党にいる」などと主張。大島理森委員長が「答弁席ではしっかり答え、ヤジは自己抑制してほしい」と注意して収拾を図った。
 首相は5日の参院予算委の集中審議でヤジを受けた際、民主党議員を名指しして「今、私が答えているから少し静かにしてほしい」と批判した経緯もある。同党の枝野幸男幹事長は「野党のヤジには名指しで注文をつけるのに、自分はヤジる。人に厳しく自分に甘い」と記者団に語った。
衆院予算委員長:民主へのヤジ、首相を注意 「抑制を」

ツイッターでも批判が多い。

国会で「日教組」を罵倒語として野次ってしまう安倍首相には、もはや、酷いとかバカだとか思わない(そんなことは百も承知だし)。むしろ、精神面に異常とも言える問題を抱えたそんな首相を、辞任させる方法がないというシステムの欠陥の方が怖ろしい。今はむしろこっち。

「日教組」が悪口になるのって、「そういう人たち」の間でだけだからね…。普通は実生活では恥ずかしくて言えないレベルのものだよね

本日ついに安倍総理が直々に野党議員に対し「日教組」などと野次る事態が発生した。つい先日も「テロリスト」などと陰から共産党委員長を野次った議員がいて、戦前のように悪者の認定が止めどなく拡大しまくっている。

安倍首相は、日教組って言っておけばネット民が喜ぶとでも思ったのかな。残念ながらそんなのはごく一部だし、農相の献金問題を議論している最中にそんな言葉を発してしまった首相とどう向き合えばいいのか、悩ましい気持ちでいっぱいです。   

そもそも「日教組」が罵倒語になると思ってるのがびっくりだしそれを国会でヤジとして使うのがびっくり しかも首相であることにまたびっくり 悪口でなくほんとに病院レベルなのでは
る。
ネトウヨ首相「日教組呼ばわり」の野次を飛ばす(笑)。

これらの声が言っているように、私は安倍首相の知性の欠落というか、むしろ知的なものに対する反感あるいはコンプレックスではないかと思う。
私には首相のヤジが意味不明であったが、東京新聞が解読(?)している。
Ws000000
東京新聞2月21日

 首相は、なぜ日教組を持ち出したのか。その言い分に根拠はあるのか。
 日教組の担当者は「東京都千代田区に日教組が入居する日本教育会館がある。民主党と日教組、会館を運営する一般財団法人の関係にも、西川農相の問題と似た政治とカネの問題があると言いたいのだろう」と推測する。
・・・・・・
 日教組の担当者は「日教組は国から補助金をもらっていない。日本教育会館は日教組とは人的な交流はあるが、国会議員に献金はしていない。首相の発言は全くの事実無根だ」と憤る。
 もし首相の言い分が正しかったとしても、まずは西川農相の問題に正面から向き合うのが本来である。ましてや、日教組側の説明に従えば、誹謗中傷以外の何物でもない。

私は日教組の全盛期に初等教育を受けた世代である。
しかし現時点では、日教組に対して批判的である。
特に、日教組出身の民主党の輿石東元参議院議員会長などは、早く引退した方がいいだろうと思う。
しかし、比較の問題であって、安倍首相の根拠なき誹謗中傷に対しては、断固擁護したい。

安倍首相は、ネトウヨなどのごく一部の声を国民の声と勘違いしている「裸の王様」のようだ。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年2月15日 (日):「美しい属国」化により歴史に名を残す安倍首相/日本の針路(107)

ちなみにネット右翼についての「ニコニコ大百科」の解説に、特に特徴的として、次のような解説がある。

国内のリベラル・左翼は日本を貶める悪意を持っていると真剣に確信している者が多い。そのため両者の対話はまず成立せず、「反日」「売国」というラベリングを行うとともに排除の対象とする。現実世界のコミュニティとは異なりネットの政治的議論の場ではサイバーカスケード現象により同じような考えの者ばかり集まり、その中でもより先鋭的な意見が生き残ることになりやすいため、こうしたスタンスでもコミュニティ内での衝突は起こらない。またこうした考え方ゆえに、「自分は『普通の日本人』『普通の愛国者』であり、周りが『反日』『売国』だから叩いているだけ。自分は右でない」という自己認識の告白が多く見られる。これは彼らがネット右翼と呼ばれることを嫌う理由の一つでもある。

安倍首相の言動はまさにこの解説に適合するものだろう。
元自衛官で、集団的自衛権反対の街頭演説がフェイスブックで24000人から支持されたという泥憲和氏の著書『安倍首相から「日本」を取り戻せ! !』かもがわ出版(2014年11月)のタイトルに賛同する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月20日 (金)

低レベルで意図不明な安倍首相のヤジ/日本の針路(108)

こんな程度の人が一国の代表者なのだろうか?
2月19日の衆議院予算委員会で、安倍首相が他の議員の答弁中にヤジを飛ばしていた。
西川農水相の献金問題を民主党の玉木議員が追及している時に飛び出た物で、議長も安倍首相に注意を呼び掛けるような事態になった。

 安倍首相のヤジがあったのは、19日午後にあった民主党の玉木雄一郎衆院議員の質問中。砂糖の業界団体の関連企業から、西川公也農林水産相の政党支部に献金があった問題を巡り、西川農水相が答弁していました。
 すると、開始20分過ぎごろ、座って聞いていた安倍首相がいきなり「日教組!」と口にします。そこから玉木議員、自民党の大島理森委員長らとヤジを巡って応酬があり、30秒ほど質疑が中断しました。
 以下、安倍首相ら3人の発言内容です。質問に立つ玉木雄一郎衆院議員=19日
質問に立つ玉木雄一郎衆院議員=19日
出典:衆議院インターネット審議中継
安倍首相「日教組!」
玉木議員「総理、ヤジを飛ばさないでください」
玉木議員「いま私、話してますから総理」
玉木議員「ヤジを飛ばさないで下さい、総理」
玉木議員「これマジメな話ですよ。政治に対する信頼をどう確保するかの話をしてるんですよ」
安倍首相「日教組どうすんだ!日教組!」
大島委員長「いやいや、総理、総理……ちょっと静かに」
安倍首相「日教組どうすんだ!」
大島委員長「いや、総理、ちょ…」
玉木議員「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!?」
大島委員長「あのー野次同士のやり取りしないで。総理もちょっと…」
玉木議員「いやとにかく私が、申し上げたいのは…」
玉木議員「もう総理、興奮しないでください」
「日教組!」安倍首相が突然ヤジ 衆院予算委、自民委員長も困惑

「唖然」というのはこういう場合に使うのではなかろうか。
玉木議員の質問は、きわめて良識的なものであって、疑惑が報道されている西川農水相とのやりとりを見ても、明らかに「愛国心」があるのが玉木氏の方で、私利私欲に傾いているのが西川氏である。
安倍首相が『美しい国へ』文春新書(2006年7月)などと言っても、化けの皮に過ぎないことが分かる。

玉木氏が西川農水相の献金問題を質問したときのパネルの1枚を示す。
Ws000000
衆議院予算委員会 玉木雄一郎議員パネルデータ

西川農水相は、「精糖工業会」と「精糖工業会館」は別組織というが、形式論としても危うい。
昔のことを穿り返したくはないが、西川氏は栃木県職員だった若いときに収賄容疑で逮捕された経歴がある。

 西川氏が逮捕されたのは1971年9月。当時、捜査二課が捜査していた千振ダム汚職事件で、上司や贈賄側の建設業者と共に逮捕された。逮捕容疑は、県から工期の遅れを指摘された建設業者から、コンクリート打ちが不備だったのを見逃してもらった謝礼として、現金2万円を受け取ったとするもの。上司と業者は起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けたが、西川氏はまだ若く、金額も高額ではないとして、起訴猶予処分となった。
西川公也農水相が収賄罪で逮捕されていた!

何年経っても精神は変わらないようだ。
私は政権交代したときに民主党への期待が大きかったが、鳩山・菅・野田の3代で愛想を尽かした。
しかし、玉木のような若手がいることを知って、少し期待感が甦った想いがする。
と言っても、玉木氏の主張や掲げる政策を全面的に賛同わけではない。

ちなみに玉木氏の略歴は以下のようである。

香川県大川郡寒川町神前(現さぬき市寒川町神前)生まれ。
香川県立高松高等学校、東京大学法学部卒業。1993年、大蔵省に入省した。1997年、アメリカ合衆国のハーバード大学ケネディスクールに留学。外務省への出向(中近東第一課)を経て、2001年より大阪国税局総務課長。2002年より内閣府へ出向。第1次小泉内閣で内閣府特命担当大臣(規制改革)を務めていた石原伸晃の下で内閣府特命担当大臣秘書専門官を務める。2005年、財務省主計局主査を最後に財務省を退官。
同年、第44回衆議院議員総選挙に民主党公認で香川2区から出馬したが、自由民主党前職の木村義雄に敗れ、落選した。
2009年、第45回衆議院議員総選挙に民主党公認で再び香川2区から出馬。前回敗れた木村を下し、初当選した。2010年、民主党香川県連代表に就任。同年10月、民主党政策調査会長に就任した前原誠司の下で政調会長補佐に起用される。
2012年の第46回衆議院議員総選挙では、民主党に猛烈な逆風が吹き荒れる中、香川2区で自民党新人の瀬戸隆一を僅差で破り、再選(瀬戸も比例復活)。なおこの総選挙において、中国、四国、九州地方で民主党が選挙区の議席を獲得したのは香川2区のみである。選挙後、民主党副幹事長及び政策調査会副会長に就任。あわせて、党香川県連代表に就任した。
2014年の第47回衆議院議員総選挙では、香川2区で再び瀬戸を下し、3選(瀬戸も比例復活)。
玉木雄一郎-Wikipedia

絵に描いたようなエリートコースであるが、民主党もこういう若手が前面に出てくれば国民の目も変わってこよう。
岡田代表は老害排除に英断を振るうべきだ。
それにしても、安倍首相の「日教組!日教組!」というヤジは、玉木氏の質問内容と無関係であり、意味不明であるが、こんな首相を誕生させてしまった総選挙の結果が今さらながら残念である。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015年2月19日 (木)

ピケティVS アベノミクス/アベノミクスの危うさ(48)

フランスの経済学者・トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』が評判である。
⇒2014年12月24日 (水):『21世紀の資本』と富の偏在/アベノミクスの危うさ(44)
先日も高校の同級生と歓談したとき、「読んだ?」「読んでない」という会話があった。
私は手を出す予定はないが、解説がイヤでも目に入ってくる。

その主張は簡単に言えば、〈株や不動産などの投資で得られる利益率は、労働による賃金の上昇率を上回る。その結果、財産のある富裕層がさらに金持ちになり、格差拡大は止まらない。是正のためには、富裕層への世界的な資産課税強化が必要〉というものだ。
「21世紀の資本」著者ピケティ氏がアベノミクスに“ダメ出し”

「週刊ダイヤモンド」2月14日号が、『そうだったのか! ピケティ』という特集記事を組んでいる。
「そうだったのか!」は池上彰氏の決めゼリフであり、同氏の分かりやすい解説ということであろう。
特集の中で、約700ページの『21世紀の資本』を見開き2ページで解説している。
上記の部分は以下のように説明されている。
Ws000000

結果として、必然的に格差は拡大する。
Ws000001

安倍首相は、ピケティの世界的な資産課税強化について、参院本会議で松田公太議員の質問に答え、「執行面でなかなか難しい面もある」とそっけなく否定した。
しかし、どう見ても安倍政権よりもピケティの方がうわてのようだ。

 ところが、直後に側近から「人気の経済学者なので反論ではなく、アベノミクスの恩恵をアピールすべき」とアドバイスされたらしい。29日の衆院予算委員会での民主党・長妻昭氏との質疑では、「ピケティ氏も成長は否定していない」とまずピケティ人気にあやかったうえで「成長せずに分配だけを考えていけば、ジリ貧になる」と持論を語り、2日の参院予算委員会では「(アベノミクスは)全体を底上げする政策だ」と力説した。
 だが、当のピケティ氏はアベノミクスに対してケチョンケチョンだ。 例えば、アベノミクスは富裕層・大企業への税を軽減する一方で、その穴を大衆課税である消費税増税で埋めようとしている。これは、ピケティ氏が主張する累進課税強化と真っ向対立している。
「あらゆる人にかかる消費税を引き上げることが、どうして日本の成長にとってよいことなのか。納得できない」(1月31日、東大講義で)。
 1月29日のシンポジウム後半のパネルディスカッションでは西村康稔内閣府副大臣がパネリストとして登壇した。政府の「雇用者100万人増」や「トリクルダウンの試み」などについてパワーポイントの資料を何枚も使って説明し、「アベノミクスで格差が拡大しているというのはまったくの誤解」とドヤ顔を見せた。
 しかし、データ分析ではピケティ氏の方が2枚も3枚も上手だった。
「確かに日本の格差はアメリカほどではない。しかし、上位10%の富裕層の所得は国民所得全体の30~40%まで上がってきており、さらに上昇傾向にある。しかも、日本はゼロに近い低成長なのに上位の所得が増えているということは、実質的に購買力を減らしている人がいるということだ。おまけに累進課税の最高税率も低い。国際的水準で見ても、日本の過去の税率と比べてみても。つまり、トップの所得シェアが増えているのに以前より低い税率しか納めていないということだ」
 これを不平等といわず、なんというのか。西村副大臣はタジタジだった。
 異次元金融緩和についても「紙幣を増刷することは(税制に手を着けるより)たやすいが、緩和したマネーがどこへ行っているかわからない。果たしてそれで適切な人が恩恵をうけるだろうか」「株や土地のバブルを起こすことはできるが、それでは正しい人に富が行き渡らないし、必ずしも経済成長にはつながらない」(同シンポジウムで)とバッサリ。
 アベノミクス最大のキモは、まず富裕層を優遇して儲けさせ、その富の一部がやがて低所得者層にまで"したたり落ちてくる"トリクルダウン理論にある。ピケティ氏はこれを、「過去を見回してもそうならなかったし、未来でもうまくいく保証はない」(東大講義講義)と一蹴した。
世界が注目する経済学者・ピケティが来日して“アベノミクス“をケチョンケチョンに!

トリクルダウンが、レーガン、ブッシュの共和党政権で喧伝されながら、実際はそうならなかったことは既に実証されている。
得意げにトリクルダウンという言葉を振りかざす安倍政権は、共和党の悪しきコピーと言えよう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月18日 (水)

高齢者虐待を防ぐために/ケアの諸問題(22)

東京・北区の高齢者向けマンションで、介護ヘルパーたちが高齢者をベルトでベッドに固定するなどの身体拘束を日常的に行っていた。
北区は「高齢者虐待に当たる」と認定し、東京都に報告するとともに、介護ヘルパーなどを派遣している事業所を運営する医療法人に対し改善するよう指導した。
Photo
東京新聞2月18日

事業所を運営していたのは、北区にある医療法人である。
介護ヘルパーたちが、このマンションで生活する高齢者20人に対して、ベルトでベッドに固定したり、おむつなどを脱がないようにつなぎ服を着用させたりするなどの身体拘束を日常的に行っていたことが確認された。
医療法人側は、北区の調査に対し「医師の指示による拘束なので正当だ」と説明していたという。

高齢者の虐待については、「高齢者虐待防止法(正式名称は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」)が、2006年4月1日施行されている。
「高齢者虐待」として、養護者や養介護施設・養介護事業等の従事者などによる次の5つの行為について規定されている。
(1)身体的虐待
(2)ネグレクト(著しい減食・放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置)
(3)心理的虐待
4)性的虐待
(5)経済的虐待(高齢者の財産を不当に処分したり、不当に財産上の利益を得ることで、親族による行為も該当)

にもかかわらず、現実には高齢者への虐待件数は増えている。
厚生労働省の調査によると、2013年度は前年度比4%増の1万6千件だった。
内訳を見ると、特別養護老人ホームなど介護施設の職員による虐待が最も多く、前年度比4割増と急増していて、被害者の8割超が認知症の人だった。
2025年には高齢者の3人に1人が認知症との予測もあり、喫緊の対応が課題となっている。

職員による虐待の内容で最も多かったのが殴る蹴るなどの「身体的虐待」で64%、次いで暴言や無視などの「心理的虐待」、「介護放棄」が続いている。
虐待件数が増加している要因について、厚労省は「市町村の取り組みが進んだことに加え、施設職員の意識の高まりから、虐待が広く拾われるようになったため」と説明している。
しかし、施設職員の認知症の症状などの知識不足に加え、過重なストレスが原因であると言われる。

 認知症の人は二五年に約七百万人になるという。心配なのは、四月から介護報酬が引き下げられ、認知症グループホームを含め軒並み報酬減となることだ。事業者が撤退したり現場の人手不足がより深刻になることが懸念される。四月から実施される介護保険サービスのカットで介護を担う家族の負担も増大する恐れがある。
 政府は先月末、認知症対策の総合戦略で「認知症高齢者にやさしい地域づくり」を宣言したが、一連の見直しは、その理念に逆行している。
高齢者への虐待 社会で介護を支えよう

認知症介護は現代社会の抱える大きな問題である。
⇒2015年2月17日 (火):「すでに起こっている」認知症社会/ケアの諸問題(21)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月17日 (火)

「すでに起こっている」認知症社会/ケアの諸問題(21)

P.F.ドラッカーに、上田惇生、林正、佐々木実智男、田代正美訳『すでに起こった未来―変化を読む眼』ダイヤモンド社(1994年11月)がある。
原初のペーパーバック版の案内文は以下のようである。

Periods of great social change reveal a tension between the need for continuity and the need for innovation. To comprehend these changes as history and as guideposts to the future, Peter F. Drucker has, over a lifetime, pursued a discipline that he terms social ecology. The writings brought together in The Ecological Vision define the discipline as a sustained inquiry into the man-made environment and an active effort at maintaining equilibrium between change and conservation.

原著は雑誌に発表された論文集であるが、邦訳のタイトルはドラッカーと相談して決めたということだ。
一見矛盾のようなタイトルであるが、未来事象のあるものは、既に現在起きていることの中に現れているという趣旨である。
社会生態学者を自認するドラッカーの真面目を示すものと言える。

そしてドラッカー流に考えれば、10年後の2025年は「すでに起こっている」と考えられる。
「週刊ダイヤモンド」誌の2月21日号が「認知症社会」を特集している。
Photo

いわゆる「団塊の世代」がこの3月で高齢者入りを完了する。
10年後というのは彼らが後期高齢者になるということだ。
高齢者人口が全人口に占める割合(高齢化率)が21%を越えた社会を「超高齢社会」という。
わが国は2007年に超高齢社会になったが、高齢化率が一貫して上昇しているのは周知のことであろう。
「団塊の世代」が後期高齢者になる2025年は、超「超高齢社会」ということになるが、どういう社会像を描くか?

ダイヤモンド誌の図から超高齢社会の一端を覗いて見よう。
Photo_3

高齢者の起こした列車事故について、高裁は直接介護をしていた高齢の妻にJRへの損害賠償を命じた。
⇒2014年5月19日 (月):総介護社会への準備を急げ/ケアの諸問題(11)
誰もが避けて通れない問題である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月16日 (月)

電力の広域連携により再生エネ利用促進を/技術論と文明論(21)

エネルギー源としての電力の優位性は、ハンドリングの良さにあると言えよう。
使用に応じてスイッチをON-OFFするだけで良い。
また、移送は電線を通じて行われる。
初期費用は大きいが、変動費は小さい。
したがって、電力発生源と需要地は遠隔であることが多い。

効率を優先すれば、大規模集中で遠隔地で生産し、需要地に送電するのが合理的である。
水力は山奥のダムで発電され、火力や原発は、原料の輸入に便利な沿岸部で発電された。
このことが大都市に集中する需要者の意識から、電力供給までのプロセスを除外してきた。
2011年の東京電力の計画停電は、私が見ても拙劣であり、現場の苦労は頭では理解するものの、イライラ感が嵩じたのは事実であった。
⇒2011年3月26日 (土):体験的計画停電考
⇒2011年3月27日 (日):計画停電を避けるために、省エネルギーをどう実現していくか

戦後の経済復興には安定した電力供給が不可欠であったことから、昭和26年、全国を9地域に分け、自主性と供給責任を持たせた発送配電一貫の現在の体制となった。
Photo_5
電気事業と電気料金のしくみ

計画停電という事態は、原発事故で電力需要が賄えないということからとられた。
その結果、首都東京をはじめとして、計画停電の地域の機能は著しく低下した。
ATMは使えないし、交差点の信号機も消え、電車は動かず、ゴミの焼却もできない。
工場は生産の予定が立てられないなど、経済活動にも甚大な影響を及ぼした。

しかし、本当に電力は不足していたのか?
確かに東京電力では足りなかったかも知れないが、他の電力会社ではどうだったのか?

再生エネの系統への接続の締め切りは、余裕のある電力会社でも行われている。
安倍政権の再生エネ潰しと言われる所以の1つであるが、諸外国と比べて再生エネ(地上資源)比率が低いにもかかわらず積極的でないことからも窺えよう。
⇒2015年2月 9日 (月):安倍政権の再生エネ潰し/技術論と文明論(18)

電力会社間で電力を融通する広域連携系を活用すれば、電力不足のかなりの部分が解消されるのではないか。
電力需要は広範囲にわたって総合するほど負荷率が良くなり、各発電所の特性を発揮させることができる。
また広域的に運営することによって、必要とされる供給予備力の保有量を各社単独で確保する場合に比べて小さくすることができる。
Photo_7
「週刊朝日」2014年10月31日号

再生エネ利用を加速することが「成長の限界」を越え、サステナブルを可能にするパスである。
広域連携系を活用すれば、再生エネの受け入れ余地も増大するのである。
⇒2015年1月29日 (木):「地上資源文明」の可能性/技術論と文明論(15)
⇒2015年1月30日 (金):再生エネ促進政策はお蔵入りか?/技術論と文明論(16)
⇒2015年1月31日 (土):「この道しかない」はソフト・パスだ!/技術論と文明論(17)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月15日 (日)

「美しい属国」化により歴史に名を残す安倍首相/日本の針路(107)

安倍首相は、第1次安倍内閣が成立する直前に『美しい国へ』文春新書(2006年7月)を出した。
もちろんゴーストライターがいるのであろうが、とりあえず彼の書いたものとして扱う。
第二章に次のような記述がある。

 日本の国は、戦後半世紀以上にわたって、自由と民主主義、そして基本的人権を守り、国際平和に貢献していた。当たり前のようだが、<世界は、日本人のそうした行動をしっかり見ているのである。><日本人自身がつくり上げたこの国のかたち>に、わたしたちは堂々と胸を張るべきであろう。わたしたちは、こういう国のあり方を、今後も決して変えるつもりはないのだから。」

ところが戦後70年という節目の年にあたり、首相談話を準備していると聞く。
かねてから、戦後レジームからの脱却を主張しており、村山談話、河野談話の見直しという歴史認識の修正をしたいと言っている。
この両者は安倍首相の中で、どう整合しているのだろうか。

「イスラム国」による日本人殺害という自らの判断ミスとされかねない事態を逆用して、「テロとの戦いにひるむな」と昂然とした様子である。

 イスラム国からの「犯行声明」、あるいは彼らをテロリストと呼び、彼らとの戦いを「対テロ戦争」と呼ぶなら、まさしく「宣戦布告」であるが、そうした声明をイスラエルに訪問しているタイミングで受けとった安倍総理の間の悪さについて、東京大学名誉教授の板垣雄三氏は、先ほど私の電話での取材に応じて、こう答えた。
「ヨーロッパでイスラエルは孤立している。欧米とイスラエルにすれば、日本がしゃしゃり出てきたのはもっけの幸いでしょう。日章旗とイスラエルの旗が並んだその前で記者会見を行なうという、最悪の状況で『テロとの戦い』を宣言してしまった。これははめられましたね。安倍総理の決定的な政治的ミスです。一般のマスメディアは、イスラムは親日的だから、欧米の人質と違って、特別扱いしてくれるのではないか、などと言っておりますが、大間違いです」
「はめられた」安倍総理の決定的な政治的ミス! 〜イスラエル国旗と日章旗が並ぶ前で、「イスラム国との戦い」を事実上宣言

日章旗とイスラエルの国旗が並んだというのは以下である。

「卑劣なテロはいかなる理由でも許されない。断固として非難する」──。事件後、安倍首相はエルサレムで行った緊急会見でこう強調していたが、会見映像を見て驚いた人は多かっただろう。背景に白地に青い六芒星のイスラエル国旗が掲げてあったからだ。
 イスラエルは、イスラム世界で敵視されている。そのイスラエルに日本の軍需産業の幹部を引き連れて訪問しただけでなく、国旗の前で戦う姿勢を示したのだ。「イスラム国」だけでなく、イスラム世界全体にケンカを売ったのも同然だろう。
Photo_4
日本人殺害予告 安倍政権が事件発生後に犯した“3大失態”

確かに、安倍首相はイスラエル国旗が持っている国際社会におけるコノテーション(潜在的意味)を、全然理解していないと言えるだろう。
⇒2015年2月14日 (土):安倍政権は外交オンチか、狡猾なのか?/日本の針路(106)
このような状況に、田中秀征氏が警鐘を鳴らしている。

 安倍首相は、今回の「イスラム国」問題が日米一体化の流れを加速させると考えているのだろうか。国会審議でも一段と強硬姿勢になったようだ。
 この日本の動きに呼応するかのように、6日、オバマ政権は5年ぶりに国家安全保障戦略を発表した。今後の外交政策、軍事政策の基本方針である。この新戦略のキーワードは、「同盟国との連携重視」、「アジア重視」だが、この2つが揃えば、新戦略は日本の役割に過大な期待があると言わざるを得ない。
トラウマがある。その反省に立った新戦略なのだろう。そうならば、連携重視の方針で日本への役割分担は新戦略の核心部分である。しかも、米国が頼まなくても進んで引き受けるということだから願ってもない。
 オバマ大統領は新戦略の前文で「米国は常に国益を守り、われわれの同盟国や友好国に関与し続ける」と明記している。あくまでも米国の軍事戦略の第一義は米国の国益であることに念を押している。
 米国の国益が日本の国益に沿うことも多いが、すべてがそうであるわけではない。それどころか米国の仕掛けた戦争がイラク戦争のように事後的に間違いと総括されたこともある。「イスラム国」発生の遠因はイラク戦争だと言えるが、このような戦争にこれから日本が加担していくことは、日本のためにならないばかりか、世界のため、何よりも米国のためにもならない。
日本が米国戦略における役割分担を飛躍的に増大させるとどうなるか。米国は資金と生命の犠牲を格段に減らすことができる。そうなれば、連邦議会や世論からの反対論が当然弱まるだろう。その結果、米政府は、戦争を今よりもっとやり易くなる可能性が出てくる。
日本が名実ともにアメリカの従属国になる!?

そしてオバマ大統領の任期末が近づいているが、ひょっとすると日本を取り込んだことが彼の歴史的業績になるかもしれないという。
米国が日本を従属国化しようとしているというより、日本が進んで米国に従属しようとしているような印象だという。
つまり、安倍首相は日本をアメリカの従属国にしようということである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月14日 (土)

安倍政権は外交オンチか、狡猾なのか?/日本の針路(106)

安倍首相が精力的に外交を行っている。
そして気前よくバラマキを行っている。
問題となった中東訪問でも、以下のように報じられている。

 エジプトに430億円、ヨルダンに147億円……と、中東に総額25億ドル(約2940億円)ものカネを援助すると表明した。もちろん、すべて国民の税金である。
 しかし、いま中東に行く緊急性はなにもないはずだ。
「安倍首相は、イスラエルとパレスチナに“和平交渉”の再開を呼びかける予定ですが、アメリカが働きかけても進まないのに、日本が呼びかけて和平交渉が進むはずがない。日本は中東4カ国と切羽詰まった外交案件を抱えているわけでもない。外交が大好きな安倍首相が、外務省をせっついて日程を組ませたのが実態です」(外務省事情通)
バラマキの安倍外交…中東4カ国歴訪で2940億円をポン

この時点では、後藤健二さんの拘束を承知していたのだから、意図してかしないでか?          
「週刊プレイボーイ」のイスラム法学者・内藤正典氏と思想家・内田樹氏の対談が興味深い。
内藤氏は近著の『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』集英社新社(2015年1月)で注目されている。同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科長・教授であり、イスラム世界に通暁している第一人者である。
内田氏は、『街場の戦争論』ミシマ社(2014年10月)が評判の学者and/or批評家である。
⇒2014年12月 8日 (月):開戦の日と戦争論/日本の針路(81)
⇒2015年1月14日 (水):LOHASと「早送り」/日本の針路(97)

2人の対談は『内田樹×内藤正典 「安倍政権は本当に何も知らない外交オンチか、それとも狡猾なのか?」』 で公開されている。
以下抜粋で雰囲気を伝えたい。

内藤 日本人人質事件のことでまず言いたいのは、安倍総理がイスラム国の殺害予告に対して、イスラエルで声明を出した(1月20日)ことについてです。
・・・・・・
イスラエルというのは、中東だけでなく、世界中のイスラム教徒から相当な怒りを買っている。昨年夏にも、パレスチナのガザを集中的に攻撃して、2000人以上の死者を出した。うち500人は子供ですよ。テロとの戦いという理屈では、説明できないことをしている。その国の旗の前で「ふたりの人質を解放してくれ」と、世界にアピールしますか? これは基本的な外交リテラシーの欠如の表れ、と私は見ました。
内田 私は何通りかの解釈があると考えます。安倍さんは本当にバカなのか? バカなふりをしているのか? それともバカなふりをさせることで裏でコントロールする人間がいるのか? 今回の事件を見ていても、人質解放を最優先するより、むしろその後に起こるかもしれないイスラム国に対する日本人の反テロ感情に期待する向きがあるんじゃないかと思うのです。

挙国一致の翼賛的雰囲気の中で、「イスラム国に対する日本人の反テロ感情」が醸成されつつあるように感じられる。
とすれば、安倍首相もしくは「裏でコントロールする人間」の思惑通りではないのか。
さすがに翼賛体制が出来上がりつつあることに対しては、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」が出た。
翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明
しかし、全体的雰囲気はきわめて危ういように思う。

内藤 これまでの集団的自衛権というのは、アメリカが日本に対して要請し、日本がそれに応える、というものでした。首相が何度も説明していたのもその筋書きだと思います。
ただ、今回のような事件が起きた場合には、その筋書きを反転させることもできます。日本がアメリカに対して集団的自衛権の行使を要請できることになる。自国民がテロの脅威にさらされている、と。

内田 そうなったら集団的自衛権の行使容認を閣議決定したのは正しかったとなりますね。世論をそういうふうに形成することになるでしょう。

内藤 今回の歴訪順を見ると、エジプト、ヨルダン、イスラエルという“親米政権の国”ばかり。行き先からしてマズい。ですから人質のことなんて、まったく頭になかったのでしょう。もしあるなら外交日程の中で、人質解放に向けて何か努力をしているという姿勢を示すはずです。
殺害予告が出て初めて安倍首相は(人質について)言及したわけで、しかもその段取りの悪さがイスラエル国旗の前で声明を出すというミスにつながります。湯川さんと後藤さんをなんとかするための行脚ではなかったことは、あれで非常に明示的にわかります。
イスラエル国旗の前にいたということを、これで日本は有志連合の仲間入りをしたと、アメリカは手を叩いて喜んでいるでしょうね。バカだと思っているかもしれませんけどね。

内田 まあ、バカだと思うでしょうね。「日本は自分の上に火の粉が降りかかるようなことをなんでするんだろう?」と。

内藤 そのアメリカですら、イラク戦争など一連の中東での紛争において、イスラエル軍を使ったことはありません。もし使えば、恐ろしく逆効果になるということを知っているからです。

内田 安倍さんはイスラエル国旗が持っている国際社会におけるコノテーション(潜在的意味)というものを、全然理解していないんでしょうね。パレスチナについても何も知らないのかもしれない。

安倍首相はアメリカ一辺倒であって、他人の批判的意見には耳を貸さない「裸の王様」的である。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
外交についても、自分が間違っているかも知れないと考えることはなさそうである。

後藤健二さんに関して、イスラム国との交渉は成立目前だったという情報がある。

ISが釈放を要求していた前身組織のメンバーでヨルダンに収監中だったサジダ・リシャウィ死刑囚との交換交渉が1月28日ごろに成立目前だった可能性が浮上。後藤さんの妻に対する身代金要求メールを受けたIS側との交渉には、英国の危機管理コンサルタント会社が関与していた。秘匿されている事件のプロセスが判明した。
 「日本人の人質がトルコとの境界付近に連れて行かれたが、その後(シリア北部の)ラッカの拘束場所に戻されたと聞いた」
 ISの支配地域に通じるトルコ南部アクチャカレ検問所近くで、ISの動向に詳しいラッカ在住の貿易商がそう打ち明けた。検問所の東方約5キロにはイラク系有力部族ドレイミ族の支配するシャッダーダ村がある。ドレイミ族はISのバグダディ指導者の妻の出身部族でISと関係が深い。後藤さんはいったん、この村に連れてこられた可能性があるという。
 検問所を挟んだIS支配地域側で28日、この情報を裏付けるような異様な動きがあった。「正午ごろにIS側に入った時、知り合いの(ISの)警備担当幹部に『通るなら早くしろ、忙しくなる』と言われた」「(午後には)いつも通るラッカへの道が一時的に(ISにより)封鎖されていた」。この検問所付近で密貿易に携わり、日常的にIS側との間を往復する複数のシリア人が明かした。 
Photo_8
「イスラム国」:人質事件交渉 後藤さんと死刑囚、交換目前で決裂か

特定秘密などを隠れ蓑にせずに、交渉の経緯を明らかにすべきだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月13日 (金)

高浜原発の再稼働を許すな/技術論と文明論(20)

原子力規制委員会は12日の定例会合で、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が原発の新しい規制基準を満たしているとする審査書を正式に決めた。
九州電力川内原発(鹿児島県)に続き2例目となる。

池内了『科学・技術と現代社会 上』みすず書房(2014年10月)は、序章「原発事故をめぐって」で、福島原発事故について俯瞰的に捉えている。
冒頭の「1 何が「想定外」であったのか?」で、原発事故について次のように書いている。

・人工物を作る上で技術は現実と「妥協」しなければならない。
・つまり人工物設計の基本指針(規制基準等)においては、余り重要出ないと判断した要素h切り捨てている。
・この切り捨てた部分で限度を越えれば、事故が起きるのは当然である。
・原発は莫大な量の放射能を内部に抱え込んでおり、如何なる規模の天災にも耐え得なければならない。
・地震列島である日本は地震や津波災害が頻発し易いことを考えれば、日本には原発を設置すべきではなかった。

関電も福井県の西川一誠知事も「地元同意は立地自治体(県と高浜町)だけだ」と言っている。

 滋賀県の嘉田由紀子前知事は「被害地元」という考え方を提唱し、現知事が引き継いだ。原発事故で被害を受ける自治体はすべて「地元」なのである。近畿の水がめである琵琶湖の汚染を恐れる人は、大阪などにも少なくない。
 福島の事故では、たとえば、村域のほとんどが三十キロ圏外の福島県飯舘村が、放射能による全村避難を余儀なくされた。どこが被害地元になるかは、その時々の複雑な気象条件次第である。科学的な線引きは難しい。福島の教訓を忘れてはならない。3・11後、地元の意味も大きく変化した。
高浜・審査適合 「地元」とはどこなのか

京都は千年の都であるし、琵琶湖は近畿の水瓶だ。
Photo_2
東京新聞2月13日

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、かねてより、審査について「稼働に必要な条件を満たしているかどうかを審査した。イコール事故ゼロではない」と述べた。
田中委員長は、必要条件と十分条件を区別しているのだ。
⇒2014年12月18日 (木):原発は審査基準に適合すればOKか?/原発事故の真相(122)

どういうことか?
稼働規制基準に適合していることが必要であるが、規制基準に適合していれば稼働できるというわけではない。
必要条件、十分条件の関係を改めて図で示そう。
Photo
ここが違う 数学が苦手な人、得意な人の「考え方」

安倍首相は、「規制委が安全性を確認した原発は再稼働を進める」というが、上の例では「神奈川県生まれである」と規制委がいえば、「それでは横浜生まれだ」と言っているようなものだろう。
原発の集中地帯にある高浜原発を稼働させるのは許されない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月12日 (木)

「豊饒の海」を破壊する見返り/日本の針路(105)

『豊饒の海』は、文字通り三島由紀夫の畢生の作品である。
最終巻の入稿日に三島は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げるという衝撃的な死に方をした。
私には未だ三島の思想も行動も謎であるが、死を覚悟して書いた作品のタイトルが豊饒の海というのは、ちょっと考えてしまう。

生命の起源、すなわち地球上の生命が、無生物質から発生した過程は現代科学に残された最大の謎と言えよう。
Wikipediaでは、以下のように解説している。

オパーリンの生命の起源に関する考察は以下の要点にまとめられる。
1.原始地球の構成物質である多くの無機物から、低分子有機物が生じる。
2.低分子有機物は互いに重合して高分子有機物を形成する。
3.原始海洋は即ち、こうした有機物の蓄積も見られる「有機的スープ」である。
4.こうした原始海洋の中で、脂質が水中でミセル化した高分子集合体「コアセルベート」が誕生する。
5.「コアセルベート」は互いにくっついたり離れたり分裂したりして、アメーバのように振る舞う。
6.このようなコアセルベートが有機物を取り込んでいく中で、最初の生命が誕生し、優れた代謝系を有するものだけが生残していった。

オパーリンの説は、現在は不十分ということだろうが、生命体が原初から相当期間、海に生存環境を限っていたのは大方の学者の共通理解であろう。
堀口大学訳で有名なコクトーの「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」の詩は、進化史を踏まえたももといえよう。

私たちは生態系の中の一員として生きている。
生態系の異変が、人間にとっていかに重要名影響をもたらすか、水俣の海によって十分に学習したはずである。
⇒2009年7月 9日 (木):水俣病の原因物質

米軍普天間飛行場の移設計画で、国が埋め立てを計画している辺野古沖は、まさに「豊饒の海」といえよう。

 一面にサンゴが広がり、多くの魚の泳ぐ姿が見られた。
 大浦湾の生態系に詳しい日本自然保護協会(東京都中央区)の安部真理子主任は「基地が建設されれば、湾内の潮流が変化する可能性がある。埋め立てに使われる土砂の影響も懸念される。周辺に生きるサンゴや魚などに大きな影響が出るのではないか」と話している。
Photo
辺野古沖、まばゆいサンゴ 「基地建設なら大きな影響」

その心配が早速現実のものになった。

米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設に向けた作業が進む名護市の大浦湾で、沖縄防衛局が浮具(フロート)や浮灯標(ブイ)を固定するためなどに設置したコンクリートブロックが、湾内の複数箇所でサンゴを傷つけていることが9日までに確認された。ヘリ基地反対協議会のダイビングチームレインボーのメンバーが2月1、7、8の3日間、潜水して確認した。
 チームのメンバーは「これだけ傷つくと、次に潜るときはサンゴがもっと死んでいるかもしれない」と強く批判した。
 ブロック設置によるサンゴ損傷について、県水産課は取材に対し「岩礁破砕の取り扱い方針では、協議や許可が必要ないものとして『船舶等の投錨』との記述があるが、今回、岩礁破砕申請の対象に当てはまるか検証しなければならない」と、あらためて検証する必要性があるとした。
Photo_2
Photo_3
辺野古工事、大浦湾サンゴ破壊 岩盤に20トンブロック

「サンゴと安全保障(人命)のどちらが重要だ?」という人もいるようだが、生態系を破壊するツケは人間に回ってくるというべきであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月11日 (水)

「建国記念の日」と建国の事情/やまとの謎(99)

「建国記念の日」に際して、安倍首相は以下のようなメッセージを発した。

 「建国記念の日」は、「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨のもとに、国民一人一人が、今日の我が国に至るまでの古からの先人の努力に思いをはせ、さらなる国の発展を願う国民の祝日であります。
以下略
「建国記念の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ

私も「建国をしのび」て、神武天皇の即位の経緯を復習してみよう。

古事記や日本書紀が書かれた当時は、讖緯説というのが国際的な最新科学でした。その当時の科学に従って、各天皇の年代が計算されました。その結果、神武天皇の即位年は、西暦でいう紀元前660年の1月1日、新暦の2月11日と確定されました。
これは現在の最新科学からすれば誤りであって、実際に神武天皇が日本を建国したのは、弥生時代中期のこと(今から約二千年前)と推定されます。大和朝廷は三輪山麓の磯城地方を中心に、原住勢力の氏族と広範な結縁協力関係を結んで、次第に畿内に地盤を固め、第7代孝霊天皇から第9代開化天皇の前後には、畿外へ勢力を伸ばしました。第10代崇神天皇は「はじめて整った国を治めた天皇」と称えられたが、その実年代は3世紀のことと考えられ、九州地方の豪族と思しき卑弥呼なる者が外国と交流していた頃のことです。
神武天皇が即位したのは縄文時代ですか?弥生時代ですか?

「原住勢力の氏族と広範な結縁協力関係を結んで」の実態は、次のスローガンの元になったものだ。
Photo
撃ちてし止まむ

昭和18年3月10日は、太平洋戦争が始まって2度目の「陸軍記念日」には、「撃ちてし止まむ」が、国民運動のスローガンに昇格し、各所で国民の目をひくことになった。
まず東京では、巨大な写真のパネルが、有楽町あたりの通行人の目をおど ろかせた。
その図柄には、鉄カブトをかぶり、防毒面の袋を首にかけた帝国陸軍歩兵の兵士が、なにごとかを怒号しながら、右手に握った手榴弾らしきものを、今しも前方の敵陣にむけて投げつけるとともに、おそらくは突撃に移ろう とする緊迫した模様が写されており、それが日劇の正面の壁面いっぱいに取り付けられ、その巨大さと迫力ある画面のほどに気押されないものはな かった。
「撃ちてし止まむ」のスローガン(大政翼賛会選定)は、この他ポスターなどにデザインされ、宮本三郎が描いた陸軍兵士が星条旗を踏みにじり、 銃を構えて突撃に移る姿、また横山隆一デザインの「フクちゃん」が敵をけとばしているポスターなどもあった。(三國一朗著「戦中用語集」より)
「うちしてやまん」なんて日本語を理解してない証拠です。ところで「うちてしやまん」とは現代語でどういう意味ですか?

意味については、次の解釈を参照しよう。

おおざっぱにいえば「撃ち倒さずにおくな」、「敵を撃ってからこそ倒れろ」です。
「し」は強調の副助詞で、特に単語として意味を持ちません。上記の訳の中では「〜してこそ」と導入しています。
「止む」には「やめる、止まる」と「倒れる、死ぬ」の両方の意味があるので、「撃ってこそ止まれ=撃ち倒さずにおくな」とも、「撃ってこそ倒れろ」と、両方に解釈できます。
「撃ってこそ倒れろ、敵を討ち取って死ね」というのはいくら何でもあり得ないと感じますが、戦時中の精神としては十分あり得る表現です。
出典は古事記の「神風(かむかぜ)の 伊勢の海の 大石に 這ひ廻(もとほ)ろふ 細螺(しただみ)の い這ひ廻り 撃ちてし止まむ」です。
こちらも大雑把にいうと「神の子孫たる天皇陛下のお膝元、伊勢の海の石に這い回る細螺貝のように這いずり回っている下民どもを打ち負かさずにおくものか」。
細螺(しただみ)と下民(しただみ)をかけて、神武天皇に反抗するものたちを成敗せよと謳ったものです。
戦時中のスローガン「撃ちてし止まん」ってどういう意味なんですか?

太平洋戦争では、撃つべき敵は、「鬼畜米英」であった。
神武天皇の場合は、「原住勢力の氏族」である。
「広範な結縁協力関係を結んで」というのは、「撃ってこそ倒れろ、敵を討ち取って死ね」の殲滅戦の果ての「協力関係」だった。
外部からの侵略者(神武勢力)はこうして「建国」に至ったわけであり、アメリカがインディアンを「撃ちてし止まむ」の果てに建国したのと似たようなものであろう。
あるいはイスラエル建国を加えてもいい。

安倍政権は、「イスラム国」による日本人殺害を奇貨として、戦争のできる国への体制準備を加速している。
政府批判を自粛してしまうメディア・・・
政府は「イスラム国」による日本人人質事件で、政府対応を検証する「邦人殺害テロ事件対応委員会」を設置した。
しかし、検証対象に政治家は含まず、結果の公表も特定秘密法を盾にして限定的になる見通しである。
結論は見えていると言えよう。

 菅義偉官房長官は10日の記者会見で検証対象について「政治家は考えていない」と明言した。安倍晋三首相をはじめ、菅氏や岸田文雄外相、ヨルダンの現地対策本部で指揮をとった中山泰秀副外相らは除き、首相官邸や関係省庁などの事務方職員のみを対象とする意向だ。
 菅氏はまた、「インテリジェンス(秘密情報)にかかわる部分を除いて公表したい」と説明した。他国から得た情報は公にできないことが多く、特定秘密が含まれる可能性もあることから、検証結果の公表も限定的となりそうだ。政府関係者は「国同士で表に出さないことを条件にやりとりした情報ばかりだ」と話し、多くが公表できないとの見方を示す。
人質事件:政治家は対象外に…検証委、問われる実効性

私は「戦前」を知らない。
しかし、現在はもはや次の戦争の「戦前」といった雰囲気である。
「建国記念の日」には、「勝てば官軍」という歴史論理(倫理?)に、国民こぞって思いを馳せたらどうだろうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月10日 (火)

美しいモノの民主化・栄久庵憲司/追悼(64)

工業デザイナーの栄久庵憲司(えくあん・けんじ)さんが8日、洞不全症候群で死去した。
85歳だった。

1960年に、建築やデザインの「新陳代謝」を唱えたメタボリズムグループを結成した。
当ブログの<追悼>カテゴリーでも、メタボリズムグループについては、黒川紀章氏、菊竹清訓氏に触れた。
⇒2007年10月14日 (日):黒川紀章氏の死/追悼(2)
⇒2012年1月 6日 (金):菊竹清訓氏と設計の論理/追悼(19)

metabolismという言葉は、ismが付いていて、本来、主義主張のようであるが、新陳代謝のことである。
今では辞書にも、①「新陳代謝・物質代謝」の次に、②「1960年代にわが国で主張された建築理論。機能などの外的要因の変化にともない、都市や建築も交替・変化していくとするもの」と解説されてる。
建築やデザインの理論が辞書で公認されているのも珍しい。

私は電通の人といくつかのプロジェクトに携わった経験があるが、「栄久庵さん」といかにも尊敬する先生を呼ぶようだったのが印象的だった。
クリエイティブな分野の人たちの方法論に興味があってメタボリズム・グループの人たちの書いたもののいくつかを読んでみた。
記憶にあるのは、菊竹氏の三段階論、いわゆる<か・かた・かたち>論である。

日本語の「かたち=かた+ち」「かた=か+た」をベースにしたものであるが、「かた」の重要性を抽出したことが物理学における武谷三男氏の実体論を措定した三段階論と共通である。
<か・かた・かたち>と表現したことが訴求力を強めたように思う。
⇒2013年8月13日 (火):三段階論という方法②菊竹清訓の設計の論理/知的生産の方法(72)
⇒2013年8月11日 (日):三段階論という方法①武谷三男の科学的認識の発展論/知的生産の方法(71)

主な業績等は以下の通りである。

Photo_2栄久庵憲司さんは昭和4年、広島市の寺の住職の長男として東京で生まれ、戦後、16歳のときに焼け野原となった広島の街で進駐軍の四輪駆動車の力強い形などを見て、工業デザイナーを目指すようになりました。
東京芸術大学を卒業後、工業デザインの会社「GKインダストリアルデザイン研究所」を設立して、ビジネスの世界にデザインという概念を定着させ、さまざまな商品のデザインやロゴマークを作りだしました。
このうち、昭和36年に発表したキッコーマンの卓上しょうゆ瓶は、赤いキャップになめらかな曲線を描く瓶の形が使いやすく暮らしになじむデザインとして大ヒットし、今でもこのデザインは変えられることなく海外でも親しまれています。
また、鉄道の車両やオートバイのデザインも数多く手がけました。
さらに日本中央競馬会やコスモ石油、それにコンビニエンスストアのミニストップなどのロゴマークのデザインでも知られました。
平成元年には名古屋市で開かれた世界デザイン博覧会の総合プロデューサーを務めたほか、平成10年に設立された世界デザイン機構の会長も務めました。
工業デザインの第一人者 栄久庵憲司さん死去

静岡新聞のコラム「大自在」欄の今日の一節を引用する。

▼もう25年も前になる。デザインに関わる県のフォーラムが開かれたとき、栄久庵さんは「われわれが未来に残せるものは景観と伝統だ」と熱く語った。そして「それが良いものであるためには“見立てのよさ”が必要である」と▼1961年にデザインした「キッコーマンの卓上しょうゆ瓶」が大ヒットし、秋田新幹線「こまち」や成田エクスプレス、ヤマハ発動機のオートバイなど多彩なデザインを手掛けた。日本の工業デザイン界草分けの実績を見れば、その言葉にうなずく▼静岡文化芸術大の開学当初にはデザイン学部長に就任、浜松は世界的な企業が多いと指摘し、「地域ぐるみで学生のための環境づくりに力添えをしてほしい。学生が生きてくることで、町全体が生きる」と訴えた
2015年2月10日【大自在】

もののない時代から高度成長へと至る日本で、誰もが美しいデザインを享受できる「美しいモノの民主化」を訴えた。
合掌

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 9日 (月)

安倍政権の再生エネ潰し/技術論と文明論(19)

私はエネルギー政策は、ソフト・パスを「この道しかない」と考える。
しかし安倍政権は、ハード・パス路線に固執しているようである。
⇒2015年1月31日 (土):「この道しかない」はソフト・パスだ!/技術

安倍政権は、電力会社の接続申し込みの受け入れ停止を受けて、2030年の電源構成案において原発比率を20%にまで向上させようとしている。
⇒2015年1月30日 (金):再生エネ促進政策はお蔵入りか?/技術論と文明論(16)
そのために、再生エネ事業に新規参入した事業者が窮地に陥っている。

たとえば、「ご当地電力」として大きな期待がかけられた会津電力などはもろに打撃を受けている。
系統(送配電システム)を電力会社が独占している現況では、買い取りの義務を抜け穴を使って買い取らなければ、せっかく地域で生まれた電力も生かされない。
地産地消の観点から、小水力発電のように日本の風土にフィットしている発電システムを普及させていくべきだと思うが、現時点では補助金がなければ成り立たない。
しかし、系統接続ができないことを理由に補助金が採択されないといことである。
本末転倒だと思うが、再生エネ事業者の経営計画が成り立たなくなってしまっているのだ。

各電力会社の太陽光・風力発電の設備認定状況は下図のようである。
Ws000000
週刊朝日2014年10月31日号

安倍政権は2016年に電力自由化をするといって、算入を進めてきた。
しかし、電力会社が受け入れなければ、先行投資が事業会社の足を引っ張る負の資産になる。
わが国における再生エネの比率は下表のようである。
Ws000001
週刊朝日2014年10月31日号

わが国は資源小国といわれるが、それは地下資源についてである。
地上資源についてはむしろ恵まれているのだ。
⇒2015年1月29日 (木):「地上資源文明」の可能性/技術論と文明論(15)
そのポテンシャルを生かさないでハード・パス依存をいつまで続けるのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 8日 (日)

石油資源と石油文明の限界/技術論と文明論(18)

石油は現代文明そのものである。
石油の使用は、1858年にドレイクがペンシルバニアで油井の採掘に成功した時に始まる。
以後その使用量は指数関数的に増大してきた。
Photo_3
1859年から2050年までの世界の石油生産ポスター

直近の人類の発展は、石油の消費によって支えられてきたのが良く分かる。
しかし、産出国は偏在しており、地政学的リスクの主要要因になっている。
Photo_2
原油の生産トップ10と日本の輸入先

わが国はまぎれもない石油消費大国である。
しかし宿命的に資源に恵まれずに、そのほぼ全量を輸入に頼らざるを得ない。
しかもその9割近くが中東地域からである。
Photo
原油輸入先

安倍首相は、原油の確保のためにということを集団的自衛権の必要性の根拠の1つとしている。
今では1973年のオイルショックの記憶のある人は少数派である。
私は、転職直後のことだったが、それまで従事していた石油化学の仕事がきわめて不安定性な基盤の上にあることを知ったが故の転職であり、来るべきものが来たという記憶がある。
⇒2009年4月 4日 (土):同級生の死/追悼(6)
⇒2009年9月 4日 (金):自由民主党・自壊の構造
⇒2014年9月20日 (土):藤原肇『石油危機と日本の運命』/私撰アンソロジー(33)

しかし原油の埋蔵量は有限である。
いくら探索・採鉱技術が進歩したとしても、程度の問題である。
地下資源文明から地上資源文明に転換していくべきなことは、自明の理ではなかろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 7日 (土)

吉田松陰の行動と死/幕末維新史(3)

今年の大河ドラマ『花燃ゆ』は、幕末の長州の藩都・萩が舞台である。
NHKは安倍首相に阿っているのではないかという批判がある。
確かにそう見られても仕方がないような両者の動きだと思うが、それについてはもう少し様子見としよう。
吉田松陰は、「草莽崛起」で知られる。
辞書を引くと「志を持った在野の人々が一斉に立ち上がり、大きな物事を成し遂げようとすることを意味する」とある。
安倍首相がどう理解しているか、質問してみたい気がする。

♪きのう勤皇 あしたは佐幕……
西条八十作詞の『侍ニッポン』という古い歌の一節である。
幕末は「勤皇か佐幕か」と国論が激しく争われた時であった。
「攘夷か開国か」はTPPに似ていると思うが、攘夷が勤皇と結び、開国が佐幕と結ぶという、守旧と改革が複雑に錯綜していた。
子どもの頭では理解できるはずもなかったが、「勤皇か佐幕か」はチャンバラごっこで遊ぶ時の定番のセリフだった。
⇒2012年10月29日 (月):開国を迫られた老中阿部正弘の苦悩の改革/幕末維新史(2)
Photo
歴史人別冊『幕末維新の真実』㏍ベストセラーズ(2012年9月)

松陰は下田でペリーの黒船に密航を企てるなど、静岡県とも縁がある人物である。
嘉永4年(1851年)3月、参勤交代に同行して江戸にも遊学。佐久間象山に出会い、。同年12月には、宮部鼎蔵らと「水戸学」や「海防」などの勉強を目的とした東北の旅を計画する。
なかなか藩からの関所通過書が届かないことから、松陰は当時重罪であった脱藩を実行する。
現在も、「国益より省益を優先する国家官僚の在りかたを嫌い官僚を辞めたが、改革の志を失っていない元官僚」を脱藩官僚などという。

松陰は東北を訪問後、脱藩の罪で萩に送還されるが、松陰の才を惜しんだ藩主から10年間の国内遊学の許可が出る。
2度目の江戸遊学中の嘉永6年(1853年)6月、ペリー提督率いるアメリカ合衆国東インド艦隊が浦賀に来航(いわゆる黒船来航)する。
浦賀に出かけ黒船を観察した松陰は大きな衝撃を受け、幕府の国防に対する不備を強く認識するとともに、多くの志士たちが感じたように危機感を覚える。
嘉永7年(1854年)1月、ペリー再来航の際、密航計画を知り松陰に強く願い出た長州藩足軽・金子重之助とともに密航を再度企てる。

松陰と金子はペリーの船に乗り込もうといろいろ手を尽くし、走り回ったがことごとく失敗し、下田に移動したペリーの船に、夜間、小舟をこぎ寄せた。
ペリー側は、松陰たちの必死の頼みにも渡航を拒絶し、松陰の密航計画はまたしても失敗した。         
松陰と金子は自首し、江戸伝馬町の牢屋に入れられ、その後、萩に送還され、松陰は士分が入れられる野山獄、金子は岩倉獄へと投獄される。
TVはこの辺りまで進んでいる。

松陰はこの後、安政4(1857)年から松下村塾で教えるのだが、日米通商条約を結んだ幕府を批判して野山獄に再投獄されてしまう。
結局松下村塾で教えたのは、2年ばかりの期間に過ぎないが、倒幕・維新を牽引する綺羅星の如き逸材を輩出したのは周知の通りである。
大河ドラマを見る習慣はないのだが今年はどういう風の吹き回しか、今のところ続けて見ている。
松陰は伝馬町獄の刑場で斬首に処される。
墓は東急世田谷線松陰神社駅近くの松陰神社内にあるという。
松陰が死罪に処された「安政の大獄」の指揮者・井伊直弼の墓所である豪徳寺に近接しているのは不思議な縁である。
Photo_3
東京新聞1月19日

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 6日 (金)

最高裁の判断は裁判員制度の趣旨と矛盾しないか/日本の針路(104)

東京と千葉で起きた強盗殺人事件を巡り、裁判員裁判の死刑判決が妥当かどうかが争われた2つの裁判で、最高裁判所が、死刑を選択するには過去の裁判例を踏まえて判断しなければならないとする決定を出した。
Ws000000
東京新聞2月5日

つまり裁判員裁判として行われた1審の死刑判決が棄却され、無期懲役とした2審判決が採用されたわけである。
死刑判決は重い。
それは裁判員も思っていることであろう。
その心理的負担を乗り越えて死刑とした最高裁の判断である。
2つの裁判で判断されたということは、判例として定着するということであろう。

確かに、、「死刑は被告の生命を永遠に奪い去る究極の刑罰で、慎重さと公平性を確保をしなければならない。そのためには、これまで積み重ねられてきた過去の裁判例で、犯行の性質や計画性などといった判断要素がどのように考慮されてきたのかを踏まえた議論が不可欠だ。これは裁判官のみの裁判でも裁判員裁判でも変わるものではない」という最高裁の判断はもっともではある。
しかし、これまでの判例を重視するということであれば、法曹の範囲の話ではなかろうか。
「国民の司法参加により市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映する」という裁判員制度の趣旨はどう考えるのであろうか?
⇒2009年1月24日 (土):裁判員制度に関する素朴な疑問

裁判員制度は、「地方裁判所で審理される殺人などの重大事件について、市民が裁判官と一緒に 裁判に参加して「有罪か、無罪か」「有罪ならどのくらいの刑か」などを決める」のが趣旨である。
Photo
http://www.kyoto-np.co.jp/saiban/saibaninseido.html

裁判員は国民の義務の一種であろうから、私も選任されれば受諾するつもりではいる。
しかし、場合によっては大変なストレスになることもあるようだ。

 京都地裁で審理中の殺人事件の裁判員裁判(後藤真知子裁判長)で、裁判員の男性が遺体のカラー写真を見た直後に意識を失っていたことが同地裁への取材でわかった。
 男性は同地裁に「写真が原因」と説明したといい、地裁は4日、男性を解任し、補充裁判員を後任に充てた。
 同地裁や関係者によると、内縁の妻の首をタオルで絞めて殺害したとして殺人罪に問われた男(64)の裁判員裁判。男性は3日の公判で、検察側証人の鑑定医が遺体の写真をモニター画面に映して説明中に、気を失ったという。
遺体の写真見た裁判員男性、一時意識失う…解任

こんなストレスを受けながら、結局は上級審で否定されるとしたら、裁判員は虚しいのではないか?

元裁判員「納得いかない」
東京・港区の強盗殺人事件で死刑を言い渡した1審の裁判員を務めた50代の女性は、最高裁の決定について、「自分たち裁判員は、100%の力で事件に向き合い、死刑という致し方ない結論に至ったのに、『被害者の数が1人だから』という先例によって被告の顔も見ずに裁判官が判断したのは納得がいきません。死刑判決が確定したらよかったかというと、それは逆にショックだったとも思いますが、自分たちの判断が説得力に欠けるからと変更されたこともふに落ちず、とても複雑な思いです」と話していました。
裁判員裁判の死刑判決 認めず

裁判員制度は見直すべきではないだろうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 5日 (木)

道徳の教科化に関する疑問/日本の針路(103)

小中学校の「道徳」が2018年度にも教科外の活動から教科に格上げされるらしい。
文部科学省が教科書をつくる際の土台となる学習指導要領の改訂案を、4日発表した。
Photo_4
静岡新聞2月5日

授業では検定教科書が用いられ、子どもの学習評価も始まる。
文科省は「教材を読むだけの読み物道徳から、考え、議論する道徳への転換を目指す」と説明している。

教材や指導方法については「特定の見方や考え方に偏らない」と明記している。
児童生徒が問題の解決策を考えたり、体験したりする学習を取り入れ、いじめ防止や情報モラル、生命倫理など現代的課題も取り上げるよう求めた。
書かれていることは大変結構だと思う。
しかし、我が身を振り返ってみて、「情報モラル、生命倫理」などを教えられるものなのか、と考えてしまう。

学習評価の導入はどうするのか?
学校現場でも、「子どもの内面は評価できない」と戸惑いの声が聞こえてくるようだ。
「愛国心」に関しては、次のように変更される。
Photo_2
道徳、「読む」から「考える」に 教科化へ指導要領改定案

問題を起こす学生・生徒は後を絶たない。
最近のニュースでは、名古屋大学理学部に在籍する女子学生の殺人事件がある。
宮城県のミッション系の高校出身だといい、部活動にも積極的だったらしい。
つまり、外形的にはこんな事件を起こすことは予想されないような人物像である。
もちろん、同級生に薬品で傷害を負わせたり、生物を殺していたり、ツイッターに危険な投稿をしたりということがあったらしいが、紙一重の人は大勢いるだろう。

また、記憶に新しいとことでは、佐世保市の高校生の例もある。
⇒2014年8月 3日 (日):佐世保女子高生殺人事件は防げたか?/日本の針路(19)
このケースでは、父親がその後自殺をしたという悲劇を生んでいる。

偶然かどうか分からないが、佐世保の女子高生も成績優秀で理系を目指していたという。
彼女たちの心の中は、他人が窺い知ることのできない世界である。
いわゆる「心の闇」が、道徳教育でどうにかなるものであろうか?
私は、基本的に悲観的である。

子どもの心は、基本的には大人の社会の鏡ではなかろうか?
親を含め、社会が病んでいればこの種の事件は繰り返されるであろう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2015年2月 4日 (水)

負の連鎖を断つ方法はあるのか?/世界史の動向(35)

イスラム国の暴威は益々激しいものになっているようである。
拘束しているヨルダン人パイロット、ムアズ・カサスベ氏と見られる人物の殺害映像を公開した。

映像では、オレンジ色の服を着せられたカサスベ氏とみられる人物が黒い檻の中に立っており、焼死させられる様子が映し出されている。
ロイターは現時点で、映像の信ぴょう性を確認できていない。
カサスベ氏の親族がロイターに対し明らかにしたところによると、ヨルダン軍のトップは、同氏が殺害されたと家族に伝えた。
ヨルダン国営テレビによると、政府はイスラム国がパイロットを1月3日に殺害していたことを確認した。
・・・・・・
軍報道官は、テレビ放送された声明で、パイロットのムアズ・カサスベ氏の死亡を確認した上で、「報復は、ヨルダンを襲った惨事ほど大規模なものになるだろう」と述べた。
Photo
ヨルダン軍パイロットの殺害映像か

報道の通りだとすれば、ずいぶん惨い行為というしいかない。
これに対し、ヨルダン政府は「イスラム国」が釈放を求めていたリシャウィ死刑囚の刑の執行を現地時間の4日早朝に行った。
ヨルダン軍は「中尉の流した血は無駄にしない。必ず報復する」という声明を出した。

後藤健二さんの殺害が報じられた後、安倍首相も「テロリストたちを決して許さない。罪を償わせるために国際社会と連携する。日本がテロに屈することは決してない」と訴えた。
マスメディアもほとんど同じ論調であり、すっかり翼賛的になってしまった。
東亜・太平洋戦争で掲げた「鬼畜米英」のスローガンを想起させる。
これではまさに負(憎悪)の拡大再生産である。
何かこの連鎖を断つ手立てはないものだろうか?

後藤健二さんの母・石堂順子さんは「息子が長い旅に出てしまいました。戦争のない世界を夢見て紛争と貧困から子どもたちを守ろういう息子の信念が、世界中の人々に伝えられることを願います。この悲しみが憎しみの連鎖を作ることは望みません」というコメントを出した。
また後藤さんの妻は「大きな喪失感を感じる一方で、イラクや、ソマリア、シリアのような紛争地域で、窮地にある人々の現状を伝きた夫を大変誇りに思います。戦争という惨事が、一般の人々に何をもたらすかを、特に子どもの目を通じて、伝えることに夫は情熱を注ぎました」と、後藤さんが取り組んできたジャーナリストとしての仕事を振り返った。
この母親や妻の悲しみを乗り越えた願いを何とかできないものなのか。

田母神元航空幕僚長のように、母と子の姓が違うことを詮索するような人物もいる。
しかし、まともな日本人は後藤さんの母や妻の言葉を重く受け止めるだろう。
というよりも、母や妻ならば当然泣き叫びたいところだろうが、それすら許されないような国なのか?

私は、「罪を償わせるために国際社会と連携する」ということよりも、イスラム法学者の中田考氏の提案している「身代金の代わりにトルコ政府と国際赤十字・赤新月社連盟を通じてイスラム国支配地域内の難民を対象に人道支援を行う」方がはるかに「負の連鎖」を断つのに有効ではないかと考える。
⇒2015年2月 1日 (日):「イスラム国」が後藤健二氏を殺害/世界史の動向(33)

私は外交にも、ハード・パスとソフト・パスがあるのではないかと考える。
⇒2015年1月31日 (土):「この道しかない」はソフト・パスだ!/技術論と文明論(17)
有志国連合による空爆はハード・パスである。
安倍首相は国会の答弁で、、米国主導の有志連合による「イスラム国」への空爆については、「参加することはありえないし、後方支援も考えていない」と述べ、日本の軍事行動への参加を否定している。
日本らしさ、米英との差別化を図って欲しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 3日 (火)

原発依存が招いた関西電力の苦境/ブランド・企業論(32)

関西電力が苦境に陥っている。
1月30日に発表した2015年3月期業績予想では、連結最終損益が1610億円の赤字(前期は974億円の赤字)になりそうだということである。
Ws000001
東京新聞2月3日

八木誠社長は、原子力発電の長期停止が原因と説明している。
しかし、販売電力量そのものが減少しているのである。

 実際には、燃料費の増加以上に販売電力量の減少が効いている。燃料費の増加分は燃料費調整に伴う電気料金引き上げなどでほぼ吸収されたが、販売電力量の減少による実質的な減収額は920億円に上った。
 14年度の販売電力量は4年連続で前年割れになる見込み。需給面の不安や電気料金の上昇で、家庭・企業とも節電の取り組みを強めている。家庭などへの販売量は521億キロワット時と震災前から11.5%減る見通し。工場など大口も843億キロワット時と8.6%減少する。
 大口顧客は関電から新電力への切り替えが進む。自由化が始まった00年から今年1月までの解約は1万1805件、計256万キロワットに達した。特に昨年4月からの9カ月間で66万キロワットと全体の4分の1を占める。16年4月に電力小売りが全面自由化されれば、流出は加速する可能性がある。
関電、新電力へ顧客流出止まらず 4期連続赤字へ

確かに八木社長の言うように、関西電力は原発依存度が高い。
東日本大震災後の2012年3月期の決算発表においても、経常利益が2655億円の赤字、純利益も2423億円の赤字という巨額の赤字を計上していた。
20123
Photo
原発依存が招いた過去最大の赤字/火力増強“後回し”のツケが表面化

要は原発依存度の高い構造が裏目に出ているということである。
4年連続の純利益マイナスというのは、常識的に言えば破綻企業である。
こういう状況の中で、八木社長は電事連会長として、原発事故時の電力会社の免責範囲拡大を求めた。
政府の原子力委員会も原子力損害賠償法の改正を検討する方針だという。

原発リスクを外部化(社会的費用化)しようということである。
「原発は安い電源」ということがまったく信憑性がないことが証明されたといえるのではなかろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 2日 (月)

人命軽視の積極的平和主義/世界史の動向(34)

湯川、後藤両氏の殺害という結果は痛恨の極みである。
政府もメディアも「イスラム国は許しがたい」「テロには屈しない」の大合唱であり、私もそう思うがここは情に流されずに、理で考えたい。
001
東京新聞2月2日

安倍政権の対応についてである。
「LITERA]というサイトの『交渉を妨害し後藤さんを見殺し! イスラム国事件で安倍政権が犯した3つの罪』という記事は、後藤さんを見殺しにしてしまった責任の一端が安倍政権にあると断じている。
私がメディア等の報道に接していて疑問に感じていたことの多くに応えてくれるように思われる。
田部祥太という署名がある。

1.官邸の救出の本気度
湯川さん、後藤さんの拘束について、昨年11月時点でヨルダンに対策本部を設置していることから、情報としては早くから認識していた。
ところが救出に前向きに動き出そうとしたのは、「イスラム国」が2人の動画を公開して、日本の世論が後藤さんの救出の方向の集約されてからである。
外務省は上村中東アジア局長が中心になって、「イスラム国」と秘密裏に交渉を進めていた。
しかし官邸は、交渉の自由も低額の身代金も払うかどうか判断しなかったので、外務省も動きようがなかった。
官邸はこの問題に無関心で、棚ざらしにされていた。

2.選挙に関心が向いていた官邸
内閣改造が裏目に出て、目玉のハズの小渕・松島両大臣がミソをつけ、政権としては流れを変える必要に迫られていた。
官邸の関心事は解散総選挙で、後藤さんが人質にとられていることが発覚すると、選挙に影響を与えるという判断があったと思われる。
情報が漏れないようにするのが最優先にされ、外務省も動きをストップさせられてしまった。

3.交渉窓口をヨルダンにした
昨年11月にヨルダンに現地対策本部を置き、交渉窓口をヨルダン政府に委ねてきたのは、ヨルダンが親米国であり、「イスラム国」ともっとも激しく対立している国であるからであろう。
ヨルダンは「イスラム国」空爆の有志連合にも参加している。
「イスラム国」を硬化させるあるいは挑発と受け止められかねない選択であった。
ヨルダン政府を巻き込んだ結果として、ヨルダン国内に収監されているリシャウイ死刑囚の要求というカードを「イスラム国」に与えることになり、交渉の要因を複雑化させた。
Photo

4.トルコチャネルのネグレクト
専門家には、ヨルダンではなくトルコに協力を求めるべきだという声もあった。
トルコは、アメリカの中東政策から距離を置き、オバマ大統領の攻撃参加要請も拒否している。
人質に取られたトルコ国民49名の解放に成功している。
集団的自衛権の行使にもきわめて慎重だ。
しかし良好だったヨルダン・日本の関係に多少でもヒビが入り、日本がアメリカ側の国家であることが中東各国に明瞭に印象付けられたとすれば、「イスラム国」の術中にはまったとも見える。

5.2億ドル支援
「イスラム国」の当初の要求・身代金2億ドルは明らかにカイロでの2億円支援演説を受けたものだ。
これについては、英文を見れば人道支援というよりも戦闘支援のニュアンスである。

6.安倍首相は「イスラムと闘う」と明言
安倍首相は、対「イスラム国」に強硬的な姿勢をとるアメリカに、いい顔をみせたかったのだろう。
しかし安倍首相はこの時点で、湯川さん、後藤さんが拘束されていることを知っていたはずで、にもかかわらず、こんな挑発的な台詞を口にしている。
つまり、この時点で彼らの生命よりアメリカの顔色が重要だったということを意味している。

安倍首相が「人命を第一優先に」と口にしたのは、「イスラム国」が2人の動画を公開して日本のメディアが取り上げるようになって以降である。
安倍首相の唱える積極的平和主義とは、畢竟、自国民の人命軽視という基盤の上にあることが改めて確認されたわけである。
邦人救出に自衛隊を使えるようになどと言っているが、米軍でも自国民を救出できていないことを考えれば現実的ではない。
自衛隊を危険地域に派遣したくて仕方がないようである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 1日 (日)

「イスラム国」が後藤健二氏を殺害/世界史の動向(33)

「イスラム国」と称するグループに日本人2人が拘束された事件は、湯川氏に続いて後藤氏も殺害されてしまったらしい。

Ws000001_2イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)とみられるグループはシリア時間の1月31日午後10時(日本時間2月1日午前5時)ごろ、仙台市出身のジャーナリスト、後藤健二さん(47)を殺害したとする新たな映像をインターネット上で公開した。ISが拘束していたヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉の安否には触れていない。
「イスラム国」:後藤さん殺害か動画公開 政府は確認急ぐ

何とも言い表せないような虚しさが湧いてくる。
「イスラム国」は、2人を殺害して何を得たのか?
「イスラム国」の非道性は何に由来するのか?
日本国として、政府は打つ手がなかったのだろうか?
恐怖による支配が拡大し続けるのだろうか?

後藤氏救出について、「I AM KENJI]]](私は健二)」という言葉が広がりつつあったことを考えれば、残念と言うしかない。
⇒2015年1月28日 (水):「イスラム国」のバックグランド/世界史の動向(32)

まだ全容がほとんど分かっていない段階なので言葉を慎みたいが、以下のような疑問が浮かんでくる。

1.安倍首相はフランスの「シャルリ」が襲撃されたという時点で、何故中東歴訪を行い、従来の日本の立場を越えた発言に踏み切ったのか?
⇒2015年1月21日 (水):日本人をターゲットとしたテロと安倍政権/世界史の動向(30)

私と同世代の兵頭正俊氏のブログ記事が腑に落ちた。

今回の身の代金問題については、S ・Kurodaの次のツイートが優れている。

「1月22日
欧州・中東のメディアの電子版をざっくり読んだ。安倍ちゃんの外遊を「人道支援」と記しているのは1社のみ、10社以上は「軍事商訪」「挑発外交」「銃と金融セールス」etc.‥と記しているよ。
福島被害補償減、子育て支援切り捨て、介護費減、多数の独居老人の餓死etc‥‥、軍事拡大の海外にはポンと25億ドル(3000億円)の支援。
今回の「茶番劇ー拘束身の代金事件」もやがて第2のスノーデン君が登場して解説してくれるといいね。脚本・演出はCIA、出演は戦争好きな日本人達‥‥、舞台係はネタニヤフ、監督はマケイン、準備は1年前から…と。
これで米国の中東への戦費は20%削減できる」
安倍晋三の「わたしはシャルリ」が日本を戦争に巻き込む(2)

2.後藤氏夫人には、「イスラム国」側から、12月初旬段階でメールでのコンタクトがあったらしいが、それに対してどういう対応をしてきたのか?
夫人は12歳までヨルダンで過ごしたといい、流暢と思われる英語を話す。
人脈もありそうだが、日本政府はどう係っていたのだろう。

12月2日、健二を拘束したグループからメールを受け取ったとき、健二がトラブルの中にあることを知りました。1月20日、私は湯川遥菜さんと健二の身代金として2億ドルを要求する動画を見ました。それ以来、私とグループとの間でメールを何回かやりとりしました。私は、彼の命を救おうと戦ったのです。
I became aware that Kenji was in  trouble on 2 December when I received an email from the group holding  Kenji.On 20 January, I saw the video demand for $200 million for the lives of  Haruna Yukawa and Kenji. Since then, there have been several emails  between the group and me as I have fought to save his life.
後藤さん妻、解放求める音声メッセージ公開

3.情報管制の可能性について。
後藤氏が伝えている映像について、植草一秀の『知られざる真実』のエントリー「人質交換決定猶予「数時間」を伝えない御用メディア」で指摘し、「Cloud Party Japan 」が紹介していることである。

 実はここが最も重要な箇所で、日本のメディアもこの部分を意図的にかどうかは定かではないが、本来の意味で翻訳していない場合も見受けられるのである。
  
 Rinko,these could be my last hours in this world.And,I may be a dead man speaking.
 Don't let these be my last words you ever hear.Don't let Abe also kill me.
 
 この英文の本来的な日本語訳は次なるものになるはずだ。
 
 Rinko(妻の名)、これは私にとってこの世での最後の数時間になるかもしれない。私は死ぬかもしれない。これを私の最後の言葉にしないでほしい。安倍(首相)に私まで殺させないでほしい。
 
 つまり、後藤さんは「自分にはあと数時間しか残されていない」と言っている(イスラム国に言わされている)のだ。この意味は非常に重い。メディアが最も想像力を発揮しなくてはならない箇所である。
 この映像メッセージには非常に重要な経緯が存在していたことが今では分かっている。届いたのは1月24日から25日未明にかけてとされてきたが、実は24日午前中には既に後藤さんの妻宛に送られていたのだ。
 
 ということは、24日午前中時点で既に後藤さんの命は「あと数時間」であると、イスラム国に突きつけられていたことになる。
 政府は「映像の分析を進めていた」「結果として信憑性が高い」などと呑気なことを言っているが、これ要するに安倍政権はイスラム国のメッセージに手も足も出ずに右往左往していたということになる。現に菅官房長官などは、イスラム国とは何のコミュニケーションもできていないことを明言している。
 
 そして、あまり想像したくはないのだが、その間に、もしかしたら後藤健二さんの生死に関してイスラム国側から引導を渡されてしまった可能性が考えられるのだ。つまり、後藤さん救出は完全に失敗に終わったかもしれないということだ。
「イスラム国」後藤健二さん人質事件に見る、安倍首相の正体 【前編】

4.中田考氏などの「イスラム国」に人脈があるとされる人を使おうとしなかった理由は何か?
中田氏は、イスラム法学者、イスラム教徒として、十数回シリアを訪問している。
イスラム国司令官、ウマル・グラバー氏から湯川遥菜氏の裁判を行いたいため、イスラム法、日本語、アラビア語ができる人を紹介してほしい、またジャーナリストを連れてきてほしいという要請を受けた人である。
中田氏は外務省に出向き、協力する旨を伝えたが、拒否されたという。

なお、中田氏は「人道支援」のあり方について、外国特派員協会での記者会見において次のような趣旨の発言をしている。

身代金の代わりにトルコ政府と国際赤十字・赤新月社連盟を通じてイスラム国支配地域内の難民を対象に人道支援を行うのが唯一の解決策だと強調。また、中東訪問中に安倍晋三首相が、イスラム国との戦いを前提に表明した2億ドルの難民人道支援は「バランスを欠いている。
「イスラム国」に人道支援を~中田元教授が会見~

5.非常識な田母神敏雄氏。
こういう事態だというのに、安倍首相の盟友の田母神元航空幕僚長の非常識なツイートが非難を浴びている。
Ws000000_2

こういう詮索をして、何が目的なのだろうか?
安倍首相も、こういう連中が取り巻いているようでは真に重要なインテリジェンスが入ってこないのだろうなあ。
つまり「裸の王様」ということである。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »