小沢一郎氏と山本太郎氏の共闘は広がるか/日本の針路(94)
昨年も押し詰まった時点で、無所属の山本太郎参院議員が生活の党に入党し、党の名称を「生活の党と山本太郎となかまたち」に変更した。
党代表は小沢一郎衆院議員が引き続き務める。
山本太郎オフィシャルブログの2014年12月26日の項に、次のようにある。
今日、永田町で山本太郎、と言う野良犬が保護されました。
いつ殺処分にされるか判らない状態の野良犬を保護したのは、小沢一郎さん(72歳)
来年早くにも、新党結成と言う新しいお家を作り、党議拘束など、
制限が掛けられる事無く、大家族を目指してゆく、
との事です。
この件に関しての記者会見は、次期通常国会開会前に行います。
詳細はその時までお待ち下さい。
野良犬を保護
電撃的ともいうべきこの事態は、どうも評判が余り良くないようである。
12月に誕生する政党は100%その目的は政党交付金です。
基準日は1月1日までに、生活の党は現在国会議員4人、現状の4人に年内にあと1人議員を確保できないと来年度の政党交付金が受けられなかったわけです。
これで、政党要件が復活し、4億円ぐらいの政党交付金が出ます。
いやよかった、間に合った、小沢さんおめでとうございます。
それにしても小沢一郎氏です。
よくこんな政党名認めましたね。
「生活の党と山本太郎となかまたち」ですか、これですね間違いなく山本太郎氏愛読(?すみません、未確認です)の伝説のお下品なギャグマンガのタイトル「太郎とゆかいな仲間たち」の完全パクリですから。
「生活の党と山本太郎となかまたち」、なんだこのふざけた党名は(怒)
要するに、衆院選の結果、生活の党が政党要件を満たさなくなったため、小沢一郎氏が政党交付金目当てでなりふり構わず山本氏を引き入れたという見方である。
公職選挙法などが規定する政党要件は、次のようである。
国会議員が5人以上所属するか、直近の国政選挙で全国で2パーセント以上の得票(選挙区か比例代表かいずれか)があること。
政党として認められるか否かは、選挙その他で大きな違いがある。
こと国政選挙に関していえば、政党とその他の政治団体・無所属候補の扱いの差は大きい。
たとえば、法律で認められたポスター・ビラ枚数や選挙カーの台数など、公職選挙法上の政党には候補者とは別枠で数が認められているなどである。その他にも、政党以外の候補は 以下の点で法律上圧倒的に不利な条件で選挙運動を強いられている。
・総選挙及び衆議院・参議院議員補欠選挙では選挙区で政見放送に出演できない
・総選挙で比例区の重複立候補が認められていない
・政党は比例区に1人からでも候補を立てられるが、政治団体は衆院では定数の10分の2以上、参院では10人以上(選挙区と含めて)候補を立てなければならない
・企業(法人)からの政治献金を受け取ることができない(政党以外の政治団体は、個人献金のみ受け取れる)
・政党とその資金管理団体以外の政治団体への寄付は政党等寄附金特別控除の対象とならないため政党に比べカンパを集めにくい。
・比例区の選挙において、政党は既存政党と同一・類似の略称が使用できるが、政治団体は既存政党と同一・類似の略称は使用できない。
政党
以上のようなことを考えれば、可及的速やかに政党要件を満たそうとするのは当然のことと思える。
年末になったのは、もちろん政党交付金の問題もあったに違いないが、選挙が12月に行われたのだから止むを得ないだろう。
もともと、生活の党と山本氏は、、「脱原発」「TPP反対」「消費増税反対」など、掲げる公約に共通する部分が多かった。
両者のポジショニングはきわめて近いのであって、単なる野合ということはできない。
小沢氏の一方的な希望と見るのでは山本氏に失礼であろう。
2012年12月に政治団体「新党 今はひとり」の設置を総務省へ届け出て、2014年3月には、「新党ひとりひとり」に名称変更した山本氏。
関係者によれば、山本氏は12月、それとは別に「山本太郎となかまたち」という新団体を立ち上げていた。そして、それが今回の伏線になっていたのだという。
「単純な入党というものではなく、こちらは小沢さんとともに新たな党を作るという感覚。党名の変更をお願いしたのは、そういう事情も関係してのことだ」(先の関係者)
その結果、できあがったのが「生活の党と山本太郎となかまたち」という“新党”。個性的なネーミングはネット上でも話題になっているが、命名の由来にはこうした背景があったわけだ。
山本太郎×小沢一郎、電撃タッグ結成の舞台裏
私は現在の大政翼賛会的な状況に大きな危惧を抱く。
小沢一郎氏の新年会には超党派の約50人が出席したという。
「生活の党」から名称変更した「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表は1日、自身に近い超党派の国会議員らを集めた新年会を東京都内の私邸で開いた。出席者によると、小沢氏はあいさつで安倍政権に対抗するため、野党勢力を結集する必要があるとの認識をあらためて示したという。
新年会は元旦の恒例行事。党所属の国会議員だけでなく、民主党の鈴木克昌、維新の党の松木謙公両衆院議員ら小沢氏と関係が深い他党の国会議員ら約50人が参加した。
野党結集で政権対抗を 生活・小沢氏が新年会で
脱原発勢力が大同団結すれば、かなりの勢力になるのではないか。
小沢氏の老獪さと山本氏の突き抜けた新鮮さが結合すれば、ちょっと面白いかも。
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