政府の予算編成と為替レート/アベノミクスの危うさ(46)
アベノミクスの異次元金融緩和により、円安が続いた。
第2次安倍政権発足後の為替レートの推移は以下のようである。
Yahooファイナンス
特に、最初の異次元緩和に効果が薄れてきた10月31日の追加金融緩和が、著しい円安を招いていることが分かる。
私は、自国通貨を安くして胸を張っている人たちの考えが理解できない。
GDPの6割を占める家計にとって、どういうプラスがあるのだろうか?
春闘もない年金生活者は、インフレによって生活が苦しくなるのは明らかである。
しかし、異次元の円安は政府の予算も狂わせているらしい。
政府が2014年度予算編成に当たって設定した為替レートと、実際の相場が乖離しているようだ。
この為替レートは、海外から購入する物品などの価格を円換算する「支出官レート」と呼ばれ、財務省が予算編成を行う毎年十二月下旬に設定。このレートに基づき、翌年度の予算が組まれる。実際に取引する時点の為替レートが、支出官レートより円安だった場合は財源が不足するため、一般会計から穴埋めする。逆に円高の場合は、剰余金が国庫に返納される。
一四年度の支出官レートは一ドル=九七円。防衛予算での新型戦闘機F35の購入を例にとると、一四年度予算では、このレートに基づき「四機で六百三十八億円」の支払いを計上した。ただ、一四年度の支出官レートが決まった一三年十二月下旬の円相場は、一ドル=一〇四~一〇五円台で推移。この時点で、当時のレートと離れていた。
さらに、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の影響で円安は進行。最近の為替水準に従い、一ドル=一二〇円で実際に購入したと試算すると、支払額は七百八十九億円となり、差額の百五十一億円を税金で穴埋めしなければならなくなる。
円安進行、税で穴埋め 14年度予算は「1ドル=97円」
何のことはない。
政府は赤字になれば税で補填するのである。
弱いところにしわ寄せがいく構造は、この場合にも当てはまる。
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