サザン桑田の謝罪は残念/日本の針路(101)
フランスで起きた諷刺画を原因とするテロ事件は衝撃的だった。
大多数の日本人(私も含む)は、クリスマスも初詣も墓参りも違和感なくやるという宗教観である。
いい加減と言えばいい加減であるが、寛容的とも言えよう。
それは日本人の1つの特徴であって、自慢することでも卑下することでもないと思う。
もちろん、テロ行為には断固反対する。
他人の考え方を暴力的に強制して変えても意味がないと考えるからだ。
⇒2015年1月11日 (日):フランス連続テロ事件の衝撃/世界史の動向(30)
そんな中で、サザンオールスターズの桑田佳祐と所属事務所のアミューズが、桑田が昨年末のライブやNHK紅白歌合戦での中継で見せたパフォーマンスについて、謝罪したというニュースに違和感を覚えた。
「年越しライブ2014に関するお詫び」と題し、約800字に及ぶ書面を報道各社に送付。「反日」「非礼」などと一部で批判を受けたことを受け、「配慮が足りなかった」「不備があった」などと謝罪した。
昨年末に横浜アリーナで行った4公演。桑田は昨秋に受章した紫綬褒章をファンに披露した。ステージ上で、白い手袋をはめたスタッフが、うやうやしく桑田の元に届けた。
ところが、WOWOWで生放送された31日のライブでは、桑田がズボンの後ろポケットから取り出していた。関係者によると、これは桑田の元に届けるタイミングが、進行よりも早すぎたことが原因だという。紫綬褒章の披露は、観客と視聴者へのサプライズ演出のため、桑田は手に持っているわけにいかず、一時保管するためにポケットにしまっていたという。ただ、桑田はこの流れで、褒章のオークションを観客に呼びかけるパフォーマンスもしていた。ジョークで、演出の一環だったが、紫綬褒章は、天皇陛下から授与されるものであり、後に「非礼」「失礼だ」と一部から指摘を受けるに至った。
サザン桑田「反日」にFAX800字で謝罪
都内の所属事務所に「桑田は反省せよ」などと書いた横断幕を持つ抗議者も現れ、警察官が出動する騒ぎになったという。
まあ、大人の対応ということだろうが、批判に屈したという見方もあるだろう。
日本人はいつからこんなに狭量になったのだろうか。
日本の報道陣からノーベル賞のメダルの感触を聞かれた中村修二氏は、「いや別に、ただの金属ですから」と答えた。
天皇陛下から賜ったと言っていきり立つような風土からは、クリエイティブな人材など育たないだろう。
紅白の中継で登場した際、付けひげをしていたことがヒトラーを連想させ、安倍首相を揶揄しているとの見方もあったというが、揶揄されるくらいのことは覚悟の上だろう。
と思ったが、安倍首相のフェイスブックは狭量で有名だからなあ。
⇒2015年1月14日 (水):LOHASと「早送り」/日本の針路(97)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
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