地方創生を掲げながら沖縄冷遇という矛盾に無自覚な政権/日本の針路(95)
笑い事ではないことは承知しているが、あまりに分かりやすいというか、マンガ的なので、笑い出したくなってしまった。
政府・自民党が今年度当初予算案で沖縄振興予算を減額する方針を固めたという。
翁長雄志知が6~8日、新年度予算の要請などで上京したが、関係閣僚との面会や自民党の会合への出席は実現しなかった。
米軍普天間飛行場の移設問題で国に反対する翁長氏に対する冷遇ぶりが際立つようだ。
8日、東京・永田町の自民党本部で沖縄関連の予算を議論する会議が開かれた。仲井真弘多・前知事時代には、知事や県職員が顔を出したが、今回出席を望んだ翁長氏は招かれなかった。
ある党幹部は「呼ばないのは仲井真知事じゃないから」と話す。会議では「今後、県の要望は自民党県連を通して受ける」との発言も出た。
7日は、特産のサトウキビの交付金に関連して西川公也農林水産相に面会を求めたが、会えなかった。面会が認められたのは、同席する予定だった農協幹部だけ。翁長氏は県東京事務所で待機を続けた。
沖縄県選出の自民党国会議員は「翁長知事には政府とのパイプがないことが示せればいい」と狙いを明かす。別の県連幹部は「普天間問題で政策が異なる知事の要請を受ける理由はない」と言う。
前任の仲井真氏は陳情などの際、政権や自民党幹部と直接日程を調整していた。安倍政権は今年度予算で概算要求を上回る3501億円を計上し、沖縄振興予算は2021年度まで3千億円台を約束。仲井真氏は13年末、振興策を評価し、普天間移設のための名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認した。
沖縄知事を冷遇 自民党幹部「仲井真氏じゃないから」
東京新聞1月9日
去年は地方議員の低レベルさ加減が格好の笑いのタネにされたが、国政レベルも同様であることを見事に示しているのではないか。
「地方創生」という旗は掲げているものの、「オレの言うことを聞かない地方はいじめてやる」という心根が丸見えだ。
「ドラえもん」のジャイアンは、時には弱者であるのび太を助けたり、隣町の勢力から全力で町内の仲間たちを守るといった、ガキ大将としての良い側面もあったが、安倍政権はジャイアン以下ということになる。
翁長氏は選挙で選ばれた人だ。
翁長氏の冷遇は、沖縄県民の冷遇と同義である。
先の衆院選でも、自民党候補は沖縄で全敗した。
政府・自民党にはその仕返しといった意識があるのではないだろうか。
沖縄は、地方の問題が最も鋭く存在している。
とすれば、中央VS地方の矛盾の顕在化の始まりとも思える。
「地方創生」という政府の旗が色褪せていくのが見えるようだ。
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