民主党は岡田新代表で復活できるのか?/日本の針路(102)
民主党は18日に代表選を行い、新代表に岡田克也元外相を選出した。
2年ちょっと前まで、政権党であったのがウソのように存在感がない。
与党になったがために、国民の信頼を失ったと言える。
しかし、民主党の立ち直りを期待する声は小さくはない。
朝日新聞社の全国世論調査(電話)によると、民主党に、自民党に対抗する政党として「立ち直ってほしい」と答えた人は61%で、「そうは思わない」の30%を上回った。
2012年12月の衆院選直後と、首相がアベノミクスを打ち出し、内閣支持率が60%あった13年4月にも同様の質問をした。12年は「立ち直ってほしい」が53%で、13年は43%に下がったが、今回は6割を超えた。
民主党「立ち直ってほしい」61% 朝日新聞世論調査
今どき固定電話の意見の集合に民意が反映されているとも思えないが、朝日新聞に限らず電話調査で済ませているようだ。
まあ6割の人が「立ち直ってほしい」と回答しているわけである。
一強と言われる状況に対して、何となくか強烈にかは別として、不安感を持っていると考えられる。
岡田氏は2004年から2005年まで代表を経験しており、およそ10年ぶりの再登板ということになる。
一回目の投票では細野豪志元幹事長が298ポイント、岡田氏が294ポイント、長妻昭元厚生労働相が168ポイントを獲得し、僅差で細野氏が首位だった。
規定により決選投票が行われ、岡田氏が133票を得て、120票の細野氏を下したというのが経緯である。
岡田氏は代表選後の記者会見で、「自民党はずいぶん右にシフトしていて、ど真ん中が空いている」と中道路線を宣言した。
自民党が右にシフトしているのは事実だが、「何だかなあ」というのが正直な感想である。
相対的な立ち位置よりも、ポジティブな価値観の表明はないのだろうか。
野党再編の必要性を訴えてきた細野氏は、支持を広げるため早々に持論を封印してしまった。
討論会ではそのことを巡って岡田、細野両氏が暴露合戦などもあり、民主党に対する期待感を削いだのではなかろうか。
党員・サポーター票の投票率が50%を下回ったというのも宜なるかな、である。
私は民主党の党員・サポーターではないけれど、衆院小選挙区は細野氏の地元である。
細野氏の若さや清新さと、岡田氏の安定感の間で民主党内が割れた、という見方が一般的なようだが、細野氏に清新さはあまり感じない。
まあ、岡田氏に比べれば、清新であろうが幕末の志士のような「志」が弱いのではないか。
一強の自民党を倒すには、明確な志の旗を掲げるべきではないか。
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