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2014年12月27日 (土)

STAP細胞研究における誤謬と不正/知的生産の方法(113)

理化学研究所の調査委員会が、STAP細胞論文の不正問題に関し、細胞の存在を全面否定する結論を出した。
一件落着ということであろうか?

もしこれで幕を引くとなると、多くの疑問が遺されたままであり、基礎研究に対する不信が残ったままということになる。
故笹井芳樹氏などの多くのスター研究者が関わり、「生物学の常識を覆す成果」と称賛を浴びた論文が、調査委によって、「ここで認定された研究不正は『氷山の一角』に過ぎない」「『責任ある研究』の基盤が崩壊している」と酷評された。
「リケジョ」なる言葉が流行語のように使われ、「輝く女性」の代表かとも思われたが、結局「職場の華の位置づけに過ぎなかったのだろうか。

 新たな万能細胞として大々的に発表されたSTAP細胞の論文は、公表から約11カ月を経てほぼ全面的に否定された。理化学研究所の調査委員会は、STAP細胞は既知の万能細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」由来とほぼ断定したが、混入の経緯は不明のままの幕引きとなった。委員長の桂勲・国立遺伝学研究所長は「証拠がなく、(混入が)過失か故意かを断定できないので、不正とは認定できない」と、一連の調査の限界を口にした。
Ws000000
<STAP論文>故意か過失か「証拠なし」 調査限界も

要するに、クロにしろシロにしろ積極的な種痘をするだけの論拠がないということだ。
そういう場合にどう対処すべきか?
私は、研究の評価と組織の身分の問題は一応独立して考えるべきではないかと思う。

「疑わしきは罰せず」という法理があるように、積極的に黒が証拠づけられない限り、身分は保全されるべきであろう。
しかし、科学的な業績という面からは、積極的に証明されないことはなかったとみなすべきだろう。
今回は、小保方氏自身の追試も含めて再現できなかったのであるから、科学的にはゼロとせざるを得ない。
理研の処分は、今回の調査を待ってからでも良かったのではないかという気がする。

何よりも、創造性の発揮と管理統制とは、本質的に矛盾するものだという認識が必要であろう。
今回の問題で管理統制を強めようとしたら、「角を矯めて牛を殺す」ことになるのではないか。
「矯」は矯正の矯である。

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