隅田川に蓄積されているセシウム/原発事故の真相(123)
隅田川と言えば、東京を代表する河川である。
♪春のうららの 隅田川
唱歌『花』は、誰でも口ずさんだことがある名歌であろう。
滝廉太郎作曲の歌曲集『四季』の第1曲で、春の隅田川の情景とともに、オールで水面を掻いて川を進んでいくボートの様子が描写されている。
歌曲集『四季』には、第1曲『花』の他にも、第2曲『納涼』、第3曲『月』、第4曲『雪』があるが、第1曲『花』以外はほとんど知られていない。
その他にも、花火大会、屋形船、スカイツリーなど、東京名物と切り離せない。
東京都北区の新岩淵水門で荒川から分岐し、新河岸川・石神井川・神田川・日本橋川などの支流河川を合わせ、東京湾に注いでいる。
全長23.5km、古くは墨田川、角田川とも書いた。
Wikipedia-隅田川
「新岩淵水門で荒川から分岐し」とあるように、荒川の派川である。
つまり上流域は荒川上流である。
荒川は、秩父山地の甲武信ケ岳を水源とし、秩父盆地を通り、武蔵野台地と大宮台地の間を流れてくる。
荒川について
隅田川の底土に、福島第一原発事故にともない拡散したセシウムが蓄積していることが分かった。
東京新聞12月19日
東京電力福島第一原発事故の放射能汚染問題で、本紙が新たに東京の都心部を流れる隅田川の底土を調査したところ、かなり高い濃度の放射性セシウムが長期的にたまり続ける可能性の高いことが分かった。川は大きく蛇行し、流れが緩いことが大きく影響しているとみられる。
・・・・・・
一方、隅田川は一四六~三七八ベクレルと全般的に濃度が高く、浅草周辺などの中流域が高かった。水がよどみやすい蛇行部の内側は濃度が高くなる傾向も確認された。
測定結果について、独協医科大の木村真三准教授(放射線衛生学)は「水量と流れのある荒川は、放射性物質が一気に河口部まで運ばれた。隅田川は流れも緩く、大雨で徐々に海に運ばれていくとしても、濃度が下がるには長い年月がかかる。今後は半減期が三十年と長いセシウム137が汚染の中心となる。市民が底土に触れる機会は少ないだろうが、水がよどむ部分や河口域がどうなっていくのか、監視が重要になる」と分析した。
福島事故 放出セシウム 隅田川底土 続く蓄積
セシウム137はセシウムの代表的な放射性同位体である。
天然では、ウラン鉱などの中のウラン238(238U)の自発核分裂によって生じるが、生成量は少なく、人工的には、核分裂による生成が重要である。
半減期は30.1年。
スウェーデンのストックホルムにおける大気中濃度の時間変化として下図がある。
原発きほん知識 > 放射能ミニ知識 > セシウム-137(137Cs)
私たちは福島原発事故の全容をまだ知らない。
にもかかわらず、川内、高浜が審査基準に適合しているとして、再稼働させようという構えだ。
⇒2014年12月18日 (木):原発は審査基準に適合すればOKか?/原発事故の真相(122)
正常な判断ではないと思うのは少数意見なのだろうか。
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