不気味な火山列島、阿蘇山よ、お前もか?/日本の針路(78)
阿蘇山は、わが国を代表する火山である。
2007年、日本の地質百選に「阿蘇」として選定され、2009年には、カルデラ内外の地域が巨大噴火の歴史と生きた火口を体感できる「阿蘇ジオパーク」として日本ジオパークに認定された。
鹿児島の会社に関係している頃、リクルート活動にかこつけて、福岡から鹿児島まで車で縦断したことがある。
湯布院に一泊してやまなみハイウェイを走ったのは、人生有数の快適なドライブだった。
そして阿蘇山麓の草千里では、しばし寝転がって三好達治の詩を反芻したりしたのを思い出す。
はるばると旅をまた来つ
杖により四方をし眺む
肥の国の大阿蘇の山
駒あそぶ高原(たかはら)の牧
名もかなし艸千里浜
その時は実にゆったりとした気分だった。
その阿蘇山が噴煙を上げている。
阿蘇山の噴火では、19年ぶりに噴石が確認された。高温の噴出物が赤い炎のように見える「火炎現象」も起きている。2014年11月27日放送の「あさチャン!」(TBS系)では、観光客用のロープウェー乗り場に火山灰が積もった様子を映し出し、熊本県内やその東側の大分県でも降灰が見られたと報じた。
2014年に火山活動が活発化したのは、阿蘇山と御嶽山だけではない。草津白根山(群馬県)では3月から火山性地震が増加、火山ガスの噴出も見られるようになり、気象庁が6月3日に火口周辺への立入規制等を伴う「噴火警戒レベル2」に引き上げた。8月3日には口永良部島(鹿児島県)の新岳が34年ぶりに噴火し、当初は火砕流発生の恐れがあると警戒された。11月25日の時点で、警戒レベルは御嶽山と同じく「3」が継続されている。桜島(鹿児島県)でも噴火が続いており、入山規制が解除されていない。蔵王山(宮城・山形県)では8月以降に火山性微動の発生が増え、10月20日には今年最大規模の揺れが観測された。
口永良部、御嶽山、そして阿蘇山、次は... 「火山列島」活発化で富士山噴火が危ない
どうやら火山列島全体が活性化しているようだ。
「3・11」が引き金になって、千年紀単位の「大地動乱期」に入ったという説がある。
⇒2014年11月 7日 (金):川内原発を再稼働させて、廃棄物はどこへ行く?/日本の針路(64)
福岡管区気象台によると、噴煙は27日午前11時半、1500メートルに達した。25日の噴火以降では最も高い。
管区気象台気象防災部は「大量のマグマが火口に移動した跡はなく、現状では大規模噴火は考えにくい。小規模な噴火が長く続く可能性がある」とし、噴石や降灰への注意を呼びかけている。
阿蘇山:中岳、マグマ噴火 気象庁確認 21年ぶり、小規模
川内原発は、阿蘇山や桜島といった活火山中の活火山の近くにある。
⇒2014年10月 6日 (月):御嶽山噴火と川内原発再稼働/日本の針路(48)
⇒2014年11月 8日 (土):川内原発を再稼働させる非論理と非倫理/日本の針路(65)
⇒2014年9月27日 (土):御嶽山噴火と原発の火山リスク/技術と人間(5)
私たちは火山と共存してきたし、共存して行かなければならない。
⇒2012年5月 8日 (火):火山活動との共生/花づな列島復興のためのメモ(62)
⇒2013年4月 8日 (月):箱根の群発地震と富士火山帯の活動/花づな列島復興のためのメモ(206)
⇒2014年10月 1日 (水):火山列島でどう生きるか?/日本の針路(47)
総選挙の争点をどう考えるかは人によって違うだろうが、こんな火山国で原発再稼働に積極的な政党は支持できない。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 藤井太洋『東京の子』/私撰アンソロジー(56)(2019.04.07)
- 暫時お休みします(2019.03.24)
- ココログの障害とその説明(2019.03.21)
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 野党は小異を捨てて大同団結すべし/安部政権の命運(84)(2019.03.05)
「日本の針路」カテゴリの記事
- Happy New Year(2019.01.01)
- 沖縄知事選の対決の構図/日本の針路(411)(2018.09.10)
- 不気味な日本列島の地殻変動/日本の針路(410)(2018.06.18)
- 佐川証言の虚偽/日本の針路(409)(2018.04.01)
- 麻生大臣の軽さと不見識/日本の針路(408)(2018.03.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント