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2014年12月12日 (金)

映画『日本と原発』に学ぶ/原発事故の真相(121)

12月7日(日)に三島市生涯学習センターで、映画『日本と原発』を観た。
全国各地の脱原発訴訟を主導している弁護士の河合弘之氏が自費を投じ、自ら監督して制作した。
映画の公式サイトが出来ている。
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https://twitter.com/k_pro_2014

衆院選のただなかであるが、原発は争点になっていない。
政権側の「アベノミクス是か非か」というペースに乗せられて、反原発・脱原発の声が聞こえてこない。
東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の地元紙は次のように伝える。

 衆院選で原発問題についての議論が低調だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する本県にとって重要な再稼働手続きの在り方について、政党も候補者もほとんど触れていない。今秋の九州電力川内原発(鹿児島県)の手続きは、立地自治体と県だけの同意で事実上終了、周辺自治体から反発が上がった。柏崎刈羽の再稼働手続きに備え、本県でも「地元」の範囲の拡大を求める声が目立っているが、こうした議論は選挙戦では盛り上がっていない。
衆院選 原発再稼働の議論低調

拉致被害者の蓮池透さんは次のようにツイートしている。
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評論家の高野孟氏は、原発論議が盛り上がらない背景を次のように解説している。

 ところが、川内原発から30キロ圏内の市や町を多く抱える鹿児島3区・4区でも、野党随一の反原発闘士が立っている1区でも、原発再稼働の是非は中心争点になっていない。聞くと、政府は県を通じて、周辺市町の首長や議会を徹底的に抑え込んで、住民の不安が表面化しないよう仕組んだのだという。しかし、この安倍の手のひらを返したような公約放棄と露骨な「原発回帰」路線は、鹿児島県民のみならず全国民がこの選挙を通じて厳しく審判を下すべき重要テーマであるべきだろう。
選挙戦できれいさっぱり消去された原発の是非

安倍首相は、福島第1原発の汚染水が依然として漏れ続けているのに、「完全にコントロールされ、汚染水は港湾内で完全にブロックされている」と言って、オリンピックを招致した。
⇒2014年5月17日 (土):汚染水は完全にブロックされている?/原発事故の真相(113)

菅首相(当時)が「最悪シナリオ」を近藤駿介原子力委員長に要請したのは知られている。
⇒2012年4月 7日 (土):官邸が隠した“悪魔のシナリオ”とは?/原発事故の真相(25)
この映画でも触れられているが、以下のサイトに概要が載っている。
http://www.asahi-net.or.jp/~pn8r-fjsk/saiakusinario.pdf

民間事故調の日本再建イニシアティブ理事長・船橋洋一氏は次のように述べている。

「最悪のシナリオ」づくりだけではなく、北澤俊美防衛相もこれとは別に「最悪のシナリオ」を自衛隊に作成させていました。米政府もつくっていました。いずれも、当時は極秘に伏せられていたのです。
福島第1原発事故=戦後最大の危機の真実。

私たちは、「幸運にも」今のような状態で済んでいるのだ。
それなのに、安倍政権は、川内原発の再稼働を強引に推し進め、川内原発を突破口にして各地の原発を再稼働させ、原発輸出外交をも推進している。
狂気の沙汰である。

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