安倍政権を信任するのか?/日本の針路(75)
総選挙が事実上始まってしまった。
皮肉にも、最高裁26日、昨年の参院選について、違憲状態とする判断を示した。
衆参両院の選挙がそれぞれ2回連続して、最高裁から「違憲状態」と判断されたことになる。
違憲状態の国会で、憲法解釈を変えるたのが安倍政権である。
そして解散をし、また違憲状態の選挙を行う。
いろいろな意味で「なぜ、今なのか」に疑問符が付くが、それを論じている時ではないだろう。
⇒2014年11月17日 (月):GDP速報値が示す衆院選の争点/アベノミクスの危うさ(42)
⇒2014年11月18日 (火):安倍政権の失敗と総選挙/日本の針路(71)
⇒2014年11月23日 (日):郷原信郎氏の解散違憲論/日本の針路(73)
争点は、安倍政権を信任するかどうかに絞ってもいいだろう。
自民党が政権公約を発表した。
表紙に、安倍晋三首相の顔写真と「景気回復、この道しかない」と書かれている。
東京新聞11月26日
「この道」というのは、アベノミクスであり、集団的自衛権である。
アベノミクスの是非を争点に据えるのに異論はないが、外交・安保に「集団的自衛権」という単語が出てこないのは、争点隠しと言われても仕方がないだろう。
国論を二分するようなテーマは表に出さないということは、与党として如何なものか。
安倍首相(政権)には、消費増税を先送りしたことを「解散の大義」にしたりというような「あざとさ」が目立つ。
しかしこのような「あざとさ」を既に大衆は見切っているのだ。
安倍首相の盟友・百田尚樹『殉愛』 に対するAmazonレビュアーの批判がそれを示しているのではなかろうか。
⇒2014年11月21日 (金):百田尚樹の『殉愛』の売り方/知的生産の方法(110)
⇒2014年11月22日 (土):クリティカル思考の反面教師としての百田尚樹/知的生産の方法(111)
私たちは、政権公約(マニフェスト)というものを、批判的に読むことを、政権交代した民主党から学んだ。
⇒2011年7月23日 (土):マニフェスト見直しをめぐって
⇒2011年2月 2日 (水):マニフェスト政治が悪いのか?
⇒2011年2月10日 (木):マニフェストを履行するための消費税増税?
自民党の政権公約には、支持基盤に目を向けたものが多い。
唐突な解散で投票率が下がるのを見越して、従来からの支持層を固めようと言うことだろう。
しかし、安倍政権の本質は、強者をより強くすることである。
中間層が失われるような政治に将来はない。
⇒2014年11月20日 (木):総選挙の争点を増税延期と言う「まやかし」/日本の針路(72)
マニフェストという言葉が薄汚れてしまっているが、政権選択選挙である総選挙において、比較すべきは先ずは「政権公約」であろう。
よりましな選択を心がけたい。
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