長野北部地震と神城断層/日本の針路(74)
22日22時過ぎに発生した長野県北部を震源とする地震は、静岡県でもかなり揺れが続いた。
長野北部で震度6弱 けが人複数、民家倒壊
国の地震調査委員会は同日、「神城断層の一部の活動による可能性が高い」との見解をまとめた。
国土地理院は23日、電子基準点の観測で地殻変動を検出したと発表した。神城断層の西側にある白馬村の基準点が、同日午前9時すぎまでに南東へ約29センチ動くとともに約12センチ沈降しており、神城断層の逆断層型地震の可能性が高まった。
長野県地震で神城断層動く
天武天皇が信州に遷都を計画した時の候補地が、この地方の「鬼無里」だったという伝説がある。
昔むかし、天武天皇は遷都を計画され、その候補地として信濃に遷都に相応しい地があるかを探るため、三野王、小錦下采女臣筑羅らを信濃に遣わしました。使者は信濃の各地を巡視して候補地を探し、水内の水無瀬こそ都に相応しい地相であるとの結論を得ました。そこで早速この地の地図を作り奉り天皇に報告いたしました。
これを知ったこの地に住む鬼たちは大いにあわて、「この静かなところに都なんぞ出来たら、俺たちの棲むところがなくなってしまう。」「都が出来ぬように山を築いて邪魔してしまえ。」と、すぐさま一夜で里の真ん中に大きな山を築いてしまいました。
これでは遷都は出来ません。怒った天皇は阿部比羅夫に命じて鬼たちを退治させてしまいました。
この時から、この水無瀬の地に鬼はいなくなったので 人々はこの地を鬼無里と、又真ん中に出来た山を一夜山と呼ぶようになりました。
鬼無里の伝説
私は退院後リハビリを兼ねて、白馬村の自然の中を歩いたことがある。
⇒2011年8月22日 (月):白馬バスツアーで実践的リハビリ
⇒2011年8月23日 (火):白馬村の美術館と安曇野の自然
それからもう3年以上経ったわけであるが、歩容は改善されたようでもあるし、まだまだという感じもする。
その時宿泊したホテルは大丈夫だっただろうか。
神城断層は、有名なフォッサマグナの西側の糸魚川-静岡構造線の北部にある活断層だ。
北は長野県小谷村付近から南は山梨県南アルプス市付近に達し、「北部」(神城断層、松本盆地東縁断層)、「中部」(牛伏寺断層、諏訪断層群、岡谷断層群、釜無山断層群)、「南部」(白州断層、下円井断層、市之瀬断層群)の3つの断層帯で構成される。
フォッサマグナは、日本列島を、東北日本と西南日本に二分する境界のゾーンである。
⇒2011年4月23日 (土):暘谷(フォッサマグナ)論/やまとの謎(30)
日本列島には至る所に活断層がある。
活断層とは〈最近の時代まで活動しており、将来も活動する可能性のある断層〉である。
〈最近〉とは、厳密な規定はないが、現代の地質・地形学の分野では、一般に第四紀または第四紀の後期(およそ数十万年前以降)を指すとされる。
⇒2012年4月28日 (土):活断層の上の原発/花づな列島復興のためのメモ(57)
改めて図示すれば、以下のようである。
日本の活断層地図
国の指針では、動く可能性がある活断層の上に原発の重要施設を建設することを禁じている。
しかし、「動く可能性がある活断層」か否かの判断で原発再稼働推進派と慎重派の間で綱引きがある。
⇒2013年1月29日 (火):敦賀原発の活断層とアベノミクス/花づな列島復興のためのメモ(185)
⇒2013年9月 7日 (土):大飯原発活断層判断の怪/原発事故の真相(83)
現在知られている活断層がすべてではないし、活断層以外の場所で地震が起きる可能性もある。
日本列島に原発は馴染まないのだ。
自然の営みに対して、もっと謙虚であるべきではなかろうか。
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