廃炉はいつ終わるのか?/原発事故の真相(119)
国の新規制基準に初めて適合した九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市の岩切秀雄市長は、10月28日、再稼働への同意を表明した。
同日開催された臨時市議会で、再稼働を求める陳情が採択されたことを受け判断したものである。
一連の地元同意手続きで、伊藤祐一郎知事は同意が必要な範囲を県と薩摩川内市に限っており、市が結論を出したことで手続きは県へと移る。
川内原発:市長、再稼働に同意 議会の賛成採択受け
川内原発はとりわけ火山の噴火リスクに対する疑念が拭われていず、再稼働反対を訴える人も多い。
⇒2014年7月21日 (月):川内原発を再稼働させるのか?/技術と人間(2)
⇒2014年10月 6日 (月):御嶽山噴火と川内原発再稼働/日本の針路(48)
一昨年、鹿児島大学病院付属霧島リハビリテーション・センターに入院したとき、遠路見舞いに来てくれた知人と一緒に、都城・小林・えびのをドライブしたことがある。
新燃岳の噴火もあり、現在も霧島連山・えびの高原の硫黄山に噴火注意報が出ている。
わが国は至る所火山があると言っていい。
⇒2012年5月 8日 (火):火山活動との共生/花づな列島復興のためのメモ(62)
俵万智さんは次のように詠む。
⇒2014年7月21日 (月):川内原発を再稼働させるのか?/技術と人間(2)
⇒2014年7月24日 (木):ハンフォード・サイトの現状と核廃棄物の処理/原発事故の真相(117)
「おかたづけちゃんとしてからつぎのことしましょう」という先生の声
しかるに、福島第一原発事故で「おかたづけ」は遅々として進んでいない。
福島第一原発の廃炉に向け、国と東京電力は三十日、1、2号機の作業計画を見直す方向で検討に入った。1号機では二〇一七年度前半にも予定されていた使用済み燃料プールからの燃料取り出し開始が一九年度前半に、溶融燃料取り出しが二〇年度前半から二五年度前半にずれこむ。2号機はプール燃料の取り出しのため建屋上部を解体する方針。
事故から三十~四十年と見込まれる廃炉完了の時期に影響はないとしているが、作業計画を遅らせる形での見直しは初めて。来春に廃炉工程を改定する予定。
・・・・・・
水素爆発を免れた2号機では原子炉建屋が残っているが、建屋内や設備の放射線量が極めて高く、除染しても人が作業できる線量まで下がらないと判断。建屋上部を解体し新しい設備を設置するのが良いとした。
1号機と同様にプール燃料を優先して取り出すかは二年後をめどに判断する。
廃炉工程は事故発生から約九カ月後の一一年十二月に策定され、昨年六月には溶融燃料取り出しを最大一年半前倒しする見直しが行われた。
燃料取り出し2年の遅れ 福島第一の廃炉工程を見直し
こんな状況で川内原発を再稼働させようという政権は、常軌を逸していると言わざるを得ない。
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