高齢化進展と介護の複雑化/ケアの諸問題(17)
今日11月11日は「いい日、いい日」の語呂合わせで、介護の日ということになっている。
しかし介護の問題は、当事者になるまでなかなか我が事として考えられない。
現代社会の最重要の問題といえよう。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、介護に無関係な人は殆どいなくなるだろうと予測されている。
⇒2014年3月23日 (日):認知症患者の増大と在宅ケア/ケアの諸問題(2)
⇒2014年5月19日 (月):総介護社会への準備を急げ/ケアの諸問題(11)
東京新聞2月5日
高齢者人口は今後、いわゆる「団塊の世代」(昭和22(1947)~24(1949)年に生まれた人)が65歳以上となる来年には3,000万人を超える。
75歳以上となる2025年には3,500万人に達すると見込まれており、その後も高齢者人口は増加を続け、2042年に3,863万人でピークを迎える。
将来推計人口でみる50年後の日本
総人口が減少する一方で、高齢者が増加するから必然的に高齢化率は上昇を続ける。
平成25(2013)年には高齢化率が25.2%で4人に1人となり、47(2035)年に33.7%で3人に1人となる。
54(2042)年以降、高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、67(2055)年には40.5%に達する。
75歳以上人口は増加を続け、平成29(2017)年には65~74歳人口を上回り、その後も増加傾向が続くものと見込まれている。
増加する高齢者数の中で、75歳以上人口の占める割合は、一層大きなものになるとみられている。
このような高齢者人口の増大は、介護の負担の増大に直結する。
そして、介護の様式も複雑化する。
・老老介護:介護者も被介護者も共に高齢
・認認介護:介護者も被介護者も共に認知症
・多重介護:ひとつの家庭に複数の要介護者が同時に存在する
多重介護をしている人の体験談を読むと、精神的にも肉体的にも疲労困憊している様子が目に浮かぶ。
以下1例のみ挙げる。
3年前、妻に病気が見つかり幸いにも命は助かりましたが半身麻痺や感覚障害等の後遺症が残り、身体障害1級の認定を受けました。食事、トイレ、風呂、寝返りなど全てに於いて介助が必要です。妻の介護は嫌だとか面倒だとか思った事は一度も無く、むしろ日々喜びを感じながら勤しんでいます。
しかし1年半ほど前から63歳の義母(妻の母親)が認知症になり、体は元気ですが、高額な買い物や契約を繰り返したり徘徊するようになり、こちらは介護というより、乱暴な表現ですが四六時中、監視しなければならない状態です。普段の会話は割と普通なので他人から見ると健常者そのもので、免許がないのに高級車の契約を結んだりと、とにかくお金に絡むトラブルが多いです。
・・・・・・
妻の介護に、日々酷くなっていく義母の認知症を考えると、とても2人だけを放って外に働きにでることはできず、かといって施設に入所もできず、どうしたらよいのか不安でいっぱいです。市役所の福祉にも何度も相談しましたが、有効な解決策はなく。
・・・・・・
先の見えない多重介護生活。時々くじけそうになります。
ネットでたまたま目に入った例ではあるが、案外類似の事例は多いのではないか。
昔と違い核家族化が進んでいるので、介護の苦労は内攻化しがちである。
厚労相は実態を把握しているのだろうか?
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