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2014年10月 6日 (月)

御嶽山噴火と川内原発再稼働/日本の針路(48)

安倍首相は、第187回国会の冒頭の所信表明演説で、次のように述べた。

 原子力規制委員会により求められる安全性が確認された原発は、その科学的・技術的な判断を尊重し再稼働を進めます。
第百八十七回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説

原子力規制委員会の安全性基準とは如何なるものか?
福島原発事故で、安全性基準は適切に機能したのか?
安全性基準そのものの評価は、どう検討されたのか?

耐震設計審査指針(指針)によって安全性が十分保障されるように設計されている。したがって原発の地震に対する備えは万全である。これが通産省の見解だ。しかし石橋克彦・神戸大学教授は現在の地震学の知見に照らすと、日本中のどの原発も「想定外」の大地震に見舞われる可能性があると指摘する。
もうひとつの「想定外」原子力災害を防ぐには

上記は通産省という言葉からも分かるように、1999年の資料である。
⇒2011年3月17日 (木):「想定を超えた事態」ならば免責されるのか?
現在は基準の改訂をして、万全ということなのか?

石橋氏が「原発震災」という概念で、通常震災と津波等による原発施設の複合災害に対する問題提起したのは1997年のことであった。
2006年に、原発の耐震設計指針を改訂する委員会の委員だった石橋氏は、不徹底な改訂作業に抗議して辞任した。
しして、2011年に東日本大震災・福島第一原発事故が起きたのだ。

現在、川内原発の再稼働が検討されている。
まさに「安全性の哲学」が問われる局面である。
御嶽山噴火で多くの人命が失われたように、火山噴火も地震も、予知するためには現在の科学の知見では有効な判断はできないという前提で考えるべきではないか。

石橋氏は、川内原発の安全審査を厳しく批判している。
安倍首相の所信表明演説の前提である安全基準そのものに問題があるのであるが、その基準に照らしても審査に問題があるという。
新規制基準は、「内陸地殻内地震」「プレート間地震」「海洋プレート内地震」について、複数選定して基準地震動を検討するよう求めている。
しかし、川内原発については、内陸地殻内地震しか検討していない。
141006
東京新聞10月6日

プレート間地震と海洋プレート内地震については発生位置の関係から検討から除外しているのだ。
規制委も安易にそれを認めて「合格」の判定を出した。
しかし石橋氏は、プレート間地震と海洋プレート内地震を除外するのは、再び「想定外」を招く可能性があると批判する。

九州電力川内原発が新たな規制基準に「適合」と判断された後、地元の薩摩川内市長と鹿児島県知事は、政府から経済産業相名の文書をそれぞれ受け取った。
しかしそれが何を担保するというのだろうか?
福島原発事故の経緯を見れば、未だに原状回復や補償は十分とは言えない。
一私企業の手に負えないだけでなく、政府の力も到底及ばないのだ。

安倍政権の下で原発ムラの住人や御用学者がゾンビのように復活しつつある。
懲りない面々である。

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