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2014年10月21日 (火)

安倍首相における女子力認識の勘違い/日本の針路(56)

内閣改造の目玉であるはずの女性閣僚が同日に辞任するというW辞任をどう考えるか?
安倍首相は自ら選任した2人の閣僚を慰留しないという選択をした。

 20日午前8時20分、首相はまず首相官邸で小渕氏と面会。小渕氏が「安倍内閣に貢献できず、申し訳ありませんでした」と頭を下げつつ提出した辞表を、首相は慰留することなく受け取った。
 それから約5時間後、官邸に姿を見せた松島氏が「せっかく抜擢(ばってき)していただいたのに、申し訳ない。辞職したい」と申し出ると、首相は「心機一転、これからもいろんな場面で能力を発揮してほしい」と語り、淡々と辞表を受理した。
 その後、首相は記者団の前に立ち、「2人の意思を尊重して辞表を受理した。政治において、行政において、難問が山積している。政治の遅滞は許されない」と述べ、早期決着させたことを強調した。
 表向き、2人とも自らの意思で辞任した形だが、とりわけ松島氏については早期の幕引きを図った首相の意向が大きく影響した。
ダブル辞任、収拾を優先 安倍首相、慎重論振り切る

「政治において、行政において、難問が山積している。政治の遅滞は許されない」という首相の言葉はその通りである。
しかし、自らの任命責任をどこまで深く考えているのだろうか?

今年は何かと「女子力」が話題になる年である。
理化学研究所のSTAP細胞問題でも、科学論争のはずが小保方晴子という一研究者が「若い女性」であることがクローズアップされた。

 小保方さんの「STAP細胞発見」が報じられると同時に、割烹着やおよそ研究室らしくないピンクや黄色い壁紙の研究室など「リケジョ」というワードや「女子力」をイメージさせるアイテムにマスコミは注目しました。実際、彼女が「可愛らしいアイテム」を好んでいたことは事実なのでしょう。しかしながら、そうした特徴を「アピール」として受け取るのは、あくまで受け取り側の問題であることも考えなくてはいけません。
「女子力」の卑俗な捉え方が浮き彫りになった小保方問題

私には、5人の過去最多の女性閣僚を登用した安倍首相の「女子力」についての認識が問われるところだと思う。
「女性の活躍」は必要であるし、望ましいことでもある。
しかし、実際の中身はどうなのか?

本日の「朝日川柳」に、「親分の代わりに子分が参拝し」と並んで、「この際は皆で辞めるか五人組」とある。本日辞任の二人だけでなく、「親分の代わりに参拝した」三人の子分の地位も危うい。辞任ドミノ、大いにあり得ることではないか。
本日発売の「週刊ポスト」の広告が各紙を麗々しく飾っている。
巻頭特集のメインタイトルが大活字で、「女を食い物にした安倍内閣が 女性閣僚トラブルで万事休す」。サブタイトルの方が内容あってなかなかのもの。「『女性活躍社会』の正体は主婦増税と『ブラックパート』量産だ」「小渕優子、松島みどり、山谷えり子は『秒読み』段階-まじめに働く女性たちの怒り爆発」。保守的傾向強い小学館の辛辣な政権批判である。
女性閣僚二人の辞任に安倍政権崩壊の予感

どうやら「崩壊の予感」を覚えるのは私だけではないらしい。
⇒2014年10月17日 (金):安倍政権高支持率の潮目は変わるのか?/日本の針路(53)
⇒2014年10月19日 (日):小渕辞任は安倍腹痛のトリガーになるか?/日本の針路(54)
第1次政権を投げ出すきっかけとなった潰瘍性大腸炎を不安視する声もある。

 「週刊ポスト」の2週に渡る記事をまとめると、2009年に認可されたアサコールという薬が画期的に効いて潰瘍性大腸炎がよくなったと言っていた安倍総理ですが、アサコールだけでは大腸炎の症状が納まらず、副作用のリスクのある薬も併用せざるを得なくなっているのではないか、と推測。特に安倍総理は体調悪化が歯に来ることが多いようで、連日の歯医者通いから「週刊ポスト」は潰瘍性大腸炎の悪化を推測しています。
安倍内閣改造の予想と安倍総理の健康問題

安倍首相の体調はともかくとして、首相を含む自民党という政党のジェンダーに対する認識が問われるところである。
「女性閣僚」で浮上を狙うという発想が如何なものか。
ことさらに「女子」を表に出すのではなく、能力で選んだ適材が女性であったという時代を築くべきであろう。

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