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2014年10月26日 (日)

消費税再増税はどうなるか/日本の針路(59)

向かうところ敵なしという感じもあったアベノミクスも、綻びが目立ってきたようである。
「第一の矢」とされる異次元金融緩和による円安も、期待した効果は目に見えず、副作用ばかりが目立つ。
⇒2014年10月 2日 (木):「経済の好循環」はどこに生まれているのか?/アベノミクスの危うさ(39)

「第二の矢」の財政投資は、公共事業の増大が民業を圧迫している。
建設業を中心とした労働力不足が、震災復興を阻害しているようだ。

「第三の矢」の成長戦略は、実体が一向に見えない。
「女性の輝く社会」を訴求しても、内閣改造をした途端、当の女性閣僚に問題が続発だ。
⇒2014年9月29日 (月):怪しい安倍改造内閣の女性閣僚たち/日本の針路(45)
⇒2014年10月 9日 (木):続・怪しい安倍改造内閣の女性閣僚たち/日本の針路(49)

安倍首相の価値観が問われていると考えるべきであろう。
⇒2014年10月20日 (月):女性閣僚W辞任と片山さつき議員の資質/日本の針路(55)
⇒2014年10月21日 (火):安倍首相における女子力認識の勘違い/日本の針路(56)

安倍首相は、経済の再建が第一というが、力を入れているのは、列強国化である。
⇒2014年10月14日 (火):経済政策の自壊と暴走政権の行方/アベノミクスの危うさ(40)
「列強国=戦争と縁が切れない国」とすれば、戦争が経済活性化に有効だと考えているということだろう。

このような状況において、消費税を10%に増税をするのかどうか?
官邸には慎重論が生まれ、容認・推進派と綱引きをしていると言われる。

 山口氏は、野田佳彦政権が消費税率引き上げを決めた当時の民主、自民、公明3党合意の当事者だ。先月12日には、野田氏と自民党総裁だった谷垣禎一幹事長の3人で「同窓会」を開いた。
 谷垣氏も、「同窓会」を境に、「上げるリスク」よりも「上げないリスク」の方が大きいことを訴え、予定通りの引き上げに軸足を置くようになった。このほか野田毅税制調査会長ら、自民党は引き上げ容認の声が目立っていた。
 これに対し、首相は国会論戦で「経済再生と財政再建の両立を図る観点から政策を進める」と述べ、引き上げ判断の是非については慎重に行う姿勢を繰り返してきた。とはいえ、官邸内は引き上げに慎重な人が多く、首相の経済ブレーンの本田悦朗内閣官房参与は「再増税はリスクが高い」と主張する。
 与党内の引き上げ圧力が増せば、首相は判断を縛られることになる。このため、首相や甘利明経済再生担当相らは「現時点では全くニュートラルだ」と強調、引き上げ圧力の沈静化に躍起になっていた。
 ただ、自民党からも、引き上げに「待った」をかける声が出始めた。
 1日、首相の経済政策「アベノミクス」の仕掛け人といわれる山本幸三衆院議員を中心とする増税に慎重な議員が勉強会を開いた。勉強会には山本氏が所属する岸田派の若手約10人が参加し、本田氏が講師に招かれた。山本氏は勉強会で「再増税は厳しい。景気の腰折れを招くのは必至だ」と述べ、10%への引き上げは1年半先送りすべきだと主張した。
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景気腰折れ、容認論に「待った」 与党内、変わる潮目 消費再増税、慎重論じわり

財政再建も日々の生活も重要であり、当然人により考え方はさまざまである。
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東京新聞10月23日

私は、再増税するか否かよりも、8%に上げて生み出されたはずの財源がどうなったかを検証するのが先だと思う。

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