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2014年10月20日 (月)

女性閣僚W辞任と片山さつき議員の資質/日本の針路(55)

安倍内閣の2人の閣僚が辞任した。
首相が改造の目玉とした女性閣僚5人のうちの2人が揃って「カネ」の問題で失脚するという異常事態である。
政府与党は早急に収束を図るだろうが、体質そのものであるから一朝一夕に改善されることはあり得ないだろう。

 小渕優子経済産業相(40)=衆院群馬5区=は20日午前、安倍晋三首相と首相官邸で会い、自身の関連政治団体による不明朗な会計問題の責任を取り、辞表を提出した。首相は受理し、経産相の臨時代理に高市早苗総務相を充てた。また、選挙区内で「うちわ」を配布していた松島みどり法相(58)=東京14区=も同日午後、首相に辞表を提出した。首相は受理し、法相の臨時代理に山谷えり子国家公安委員長を指名した。2012年12月に発足した第2次安倍政権で閣僚が辞任するのは初めてで、閣僚2人が同時に辞任するのは極めて異例。首相は女性活躍推進の象徴として内閣改造で女性閣僚5人を起用しただけに、政権に大きな打撃となるのは必至だ。
安倍内閣:小渕・松島氏、閣僚辞任 「カネ」「うちわ」政権に打撃

2人の辞任は当然だろうが、これは氷山の一角であろう。
閣僚ではないが、片山さつき参院外交防衛委員長も問題含みである。
片山氏は国会議員になる前は、TVの討論番組などにも結構露出していた。
略歴をWikipediaより抜粋すれば以下のようである。

1982年:東京大学法学部卒業、大蔵省入省
2004年:女性で初めて主計局主計官に就任、主に防衛関連の予算を担当
2005年:いわゆる郵政総選挙で静岡7区から自由民主党公認で出馬、初当選
2009年:第45回衆議院議員総選挙で自民党公認で静岡7区から出馬したが、城内実し敗れる
2010年:第22回参議院議員通常選挙に自民党公認で比例区から出馬し、当選
2012年:第2次安倍内閣の総務大臣政務官に就任

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問題はさつきにみどりに山谷/臨時国会に“女難”の相あり

華麗なる経歴と言っていいだろう。
主計局主計官といえば、キャリア公務員の花形コースである。
いわゆる学力という意味では、良い成績を収めてきたであろうことは疑いない。
しかし、私はこの人の言動を垣間見るに、賢い人だとは思えない。
先日、御嶽山の噴火をめぐって、片山氏のツイートが話題になった。1_3

要は、民主党の事業仕分けによって、「常時監視の対象から御嶽山ははずれ」予知できなかったという趣旨である。
「某町村長」という言い方が責任ある立場でのこととは言えないと思うが、それは措いても、「22年の事業仕分けでばっさり切られ」というのは「虚報」である。
その後、民主党から抗議を受け撤回・削除せざるを得なくなった。

自民党の片山さつき参院外交防衛委員長がツイッターに民主党政権下で御嶽山の監視体制が縮小したとの趣旨の投稿をし、民主党が抗議した問題で、片山氏は1日、事実誤認があったとして削除し、民主党に謝罪する新たな投稿を載せた。
   投稿は「事実誤認に基づく発信でした。削除するとともに深くおわびします」としている。自民党も民主党に対し、片山氏の謝罪を直接伝えた。
   片山氏は9月28日に長野県の自治体首長の話として「民主党政権の事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山がはずれた」などと書き込んだ。自民党参院執行部は1日、国会内で片山氏から事情を聴き、厳重注意した。
自民片山氏、御嶽山投稿で謝罪 「事実誤認」と削除

ただ、片山さつき氏のツイートは確信犯であるという見方もある。

民主党等の野党勢力に対してネット上ではデマ情報が、あたかも事実みたいに広げられています。自民党はまとめブログを複数傘下に収めていると見られ、それがこのような情報をドンドン広げているのです。後から嘘だと分かったとしても、情報を広げたもん勝ち状態になっています。
これはインターネットの拡散性を利用した巧妙な情報操作で、皆さんもネット上の情報を見るときには騙されないように注意が必要です。
御嶽山の事業仕分けバッシング、嘘だと発覚して片山さつき議員が弁明!「私が言ったわけではない」

普通の神経の持ち主ならば恥ずかしさにいたたまれないだろうが、ツイッターのようなメディアでは「言った者勝ち」という性格があるのは事実である。
虚報によって人心を動かそうというのは、典型的なデマゴーグの陰謀家の手口というべきであろう。
デマゴーグについて、三省堂 大辞林は以下のように説明している。

扇動政治家。普通,非難の意味を込めて使われる。

口先だけで「女性が輝く社会」と言ってもなあ、いう感じではなかろうか。

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