小渕辞任は安倍腹痛のトリガーになるか?/日本の針路(54)
小渕経産相の後援会の資金管理のずさんさが明らかにされつつある。
⇒2014年10月16日 (木):続続・怪しい安倍改造内閣の女性閣僚たち/日本の針路(52)
もちろん小渕氏自身の直接的な関与はないだろう。
小渕氏は後援会の代表者でもない。
しかし、自民党内にも、大臣辞任は不可避との見方が生まれているという。
地方議員の政務活動費が話題になっている折ではあるが、地方(痴呆)議員だけではない実態があるということだ。
私の周辺には、昔は当たり前だったと自慢げに話をする人もいる。
500円か1,000円程度の会費を払って、東京へバスで出かけて弁当を出しても立ってイベント等に参加する。
しかし、未だにこんなことが行われているとは正直驚きである。
素直に書いているのでは、という声もあるようだが、不記載の事例もあるようだから、弁護の余地はない。
小渕氏だけではない。
うちわを配った松島法相は告発されている。
現職の法相が告発されていることをどう考えるか。
改造内閣の中で、渦中にある小渕、松島氏を除く3閣僚が靖国神社へ参拝した。
高市早苗総務相、山谷えり子国家公安委員長、有村治子女性活躍担当相の三閣僚は十八日、秋季例大祭に合わせて東京・九段北の靖国神社を参拝した。十七~二十日の例大祭期間中に第二次安倍改造内閣の閣僚が参拝したのは初。中国外務省は北京の日本大使館に抗議した。岸田文雄外相ら主要閣僚は参拝を見送る。
中韓両国は、東京裁判のA級戦犯が合祀(ごうし)されているなどとして靖国神社への閣僚参拝に反対。安倍晋三首相が十七日、秋季例大祭に合わせ「真榊(まさかき)」と呼ばれる供物を奉納したことにも反発している。
高市氏は参拝後、記者団に「国策に殉じ、国の存立を守ってくださった方に感謝と哀悼の誠をささげた。(中韓との)外交関係になるような性質のものではない」と述べた。山谷氏も「尊い命をささげたみ霊に感謝の誠をささげた」と語った。有村氏は「国民の一人として参拝させてもらった。他国に『参拝せよ』とか『参拝するな』と言われる話ではない」と述べた。
閣僚の靖国参拝をめぐり、公明党は日中首脳会談実現に向けた機運に「水を差すのは避けるべきだ」(山口那津男代表)と自制を求めていた。
女性3閣僚 靖国を参拝 中国外務省が抗議
靖国神社をめぐる問題はデリケートである。
3人とも、私的なことであり、外国から云々されることではないと言っている。
私人として靖国参拝をすることについては別に問題はない。
しかし、閣僚は完全な私人ではないだろう。
⇒2013年8月16日 (金):靖国に祀られざる者の鎮魂
公明党は、神道に対する立場も違うだろうから、当然反対するであろうが、連立与党の反対を押し切ってまで強行すべきかどうか?
「尊い命をささげたみ霊」とはいうが、靖国神社の本質は、慰霊というよりも戦死者の顕彰にあると考えるべきだろう。
⇒2013年12月27日 (金):慰霊と顕彰/「同じ」と「違う」(66)
古賀茂明氏は『国家の暴走 安倍政権の世論操作術』角川oneテーマ21(2014年9月)で、安倍政権の暴走ぶりを批判し、安倍首相の本願を日本を米国に次ぐ世界の列強国(帝国主義国)と変えようしたいのだとしている。
⇒2014年10月14日 (火):経済政策の自壊と暴走政権の行方/アベノミクスの危うさ(40)
列強国になるとは「戦争ができる国」になることではない。「戦争と縁の切れない国」、「戦争なしには生きられない国」になってしまうことだ。
たしかに、特定秘密保護法、集団的自衛権、日米防衛ガイドラインという一連の流れは、日本を列強国の立場にすることであろうし、そうなれば戦争とは縁が切れなくなるだろう。
⇒2014年9月30日 (火) :『新・戦争のつくりかた』を読む/日本の針路(46)
閣僚が戦死者を顕彰する靖国に参拝する行為は、こういう文脈の中で捉えるべきであろう。
何となく、安倍首相の体調が気になるような雰囲気である。
⇒2007年9月13日 (木):安倍辞任をめぐって
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