スコットランドの分離独立と沖縄/世界史の動向(25)
9月18日に、スコットランドのイギリスからの分離独立を問う住民投票が行われる。
大半の日本人は、最近になるまでこのような事態を想定していなかったのではなかろうか?
そもそも、スコットランドのポジションとは如何なるものなのか?
いわゆるイギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つのカントリーから構成されている。
ユニオンジャックと言われる国旗が、歴史的な経緯を語っている。
イギリスの国旗
もしスコットランドが独立するということになれば、白地に赤の十字と斜めの赤線がクロスした国旗になる。
Wikipediaのスコットランドの項には以下のように解説されている。
1707年の連合法(Acts of Union)によってグレートブリテン王国が成立するまでは独立した王国(スコットランド王国)であった。スコットランドの名称は、この地を統一したスコット人(Scots)に由来する。スコットランド・ゲール語では「アルパ(Alba)」と呼ぶ。ラテン語では「カレドニア」と呼ばれる。
スコットランドはグレートブリテン島の北部3分の1を占め、南部でイングランド国境に接する。東方に北海、北西方向は大西洋、南西方向はノース海峡およびアイリッシュ海に接する。本島と別に790以上の島から構成される。
首都のエディンバラは人口でスコットランド第2の都市であり、ヨーロッパ最大の金融センターの一つである。最大の都市であるグラスゴーは大グラスゴーの中心であり、スコットランドの人口の40%が集中する。スコットランドの沿岸部は北大西洋および北海に接し、その海洋油田の石油埋蔵量はヨーロッパ随一となっている。
スコットランドの法制度、教育制度および裁判制度はイングランドおよびウェールズならびに北アイルランドとは独立したものとなっており、そのために、国際私法上の1法域を構成する。スコットランド法、教育制度およびスコットランド教会は、連合王国成立後のスコットランドの文化および独自性の3つの基礎であった。しかしスコットランドは独立国家ではなく、国際連合および欧州連合の直接の構成国ではない。
スコットランドの花(The Flower of Scotland)が事実上の「国歌」である。
住民投票の項目は「スコットランドは独立国家になるべきか」だけである。
まさにシングル・イシューである。
賛成が過半数ならばイギリスからの独立が決まる。
独立への賛否は、有権者をほぼ二分する接戦と言われている。
予断を許さない情勢であるが、他地域に波及することも予想される。
たとえば、スペインのバルセロナではカタルーニャ独立を求める大規模なデモが行われ、その数は数十万人に膨れ上がった。
日本でも、たとえば北海道や沖縄で独立を求める動きが出てもおかしくはない。
「スコットランド独立、北海道と沖縄も独立できますか?」という質問に対して、次のようなアンサーが寄せられている。
ところで日本。国際的にみれば北海道のアイヌ民族、沖縄の「琉球民族」は独立権を主張してもおかしくはないのです。実際、そうした動きもあります。(アイヌ民族、「琉球民族」は広義の日本民族ですが諸説あり)
一つ確信できることは日本国政府が独立を黙認することは絶対にない。 法律的にも地方が独立する手順など定まっていないし、自衛隊・警察が必ず動きを制圧するし、県民・道民が同調する可能性はゼロ。
しかし11月に行われる沖縄県知事選に出馬表明している大城浩詩氏は、「1年以内に沖縄を独立させ、米軍撤退に代わり中韓などの軍隊を置く」を基本政策とすることを発表している。
大城氏は、琉球自立独立実行委員会の実行委員長ということである。
現時点では泡沫候補であろうが、大河といえども源流は一滴の水である。
沖縄独立論が大きな動きにならないとも限らないであろう。
先の名護市議選では、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への賛否が争点になったが、辺野古移設反対派が過半数を占めた。
名護市議選 辺野古移設反対58% 得票率分析 地元の声鮮明
辺野古移設問題に限って言えば、反政府が過半数ということである。
沖縄の民意を無視はできない。
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