『新・戦争のつくりかた』を読む/日本の針路(46)
泥憲和さんがAmazonに書評を書いたというので、りぼん・ぷろじぇくと、井上ヤスミチ 『新・戦争のつくりかた』マガジンハウス(2014年9月)を読んでみた。
子供向けの絵本のような体裁であるが、大変な書物というべきであろう。
同書のサイトもあるので、未読の人には先ずサイトを覗いてみることを奨めたい。
絵本『戦争のつくりかた』が生まれたのは、いまから9年前。 戦争に備えるための有事法制(「有事7法案」と「有事関連3条約」)が国会で審議されていた2004年5月でした。
いままで戦争をしてこなかった、私たちの国が その「かたち」や「ありよう」を大きく変えようとしている------。 そのことに気づき始めた人たちが、インターネットを通じてつながってゆく中で、偶然にも憲法記念日の5月3日、ひとりの人の頭に、突然浮かんだもの。それが、絵本『戦争のつくりかた』でした。
・・・・・・
私たちに残された時間は、もうあまりないのかもしれません。
それでも、まだ道は残されています。私たちが気づき、変えていくことの出来る未来がきっとあります。この国を愛するひとりでも多くの人たちが、「戦争をしない未来を選びとる」ことを、私たちは願ってやみません。
第二次安倍政権が成立してからの数々は、この「絵本」が恐るべき予言の書であったことを実感するのではないか。
資料編として新しく「新」版に載っている関連年表の直近の部分である。
読み難いが、一次、二次を通じて、安倍政権が着々として、「戦争をつくる」準備を進めつつあることが分かる。
次図は、自衛隊の海外派遣地図である。
オバマ大統領が自衛権の発動としてシリア空爆を始めたが、集団的自衛権に関する諸準備が整えば、日本も空爆に参加することになるのであろう。
⇒2014年9月25日 (木):シリア空爆が自衛権の発動なのか?/世界史の動向(27)
「私たちに残された時間は、もうあまりないのかもしれない」が、まだ遅すぎてはいないのではなかろうか。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 藤井太洋『東京の子』/私撰アンソロジー(56)(2019.04.07)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
- 日本文学への深い愛・ドナルドキーン/追悼(138)(2019.02.24)
- 秀才かつクリエイティブ・堺屋太一/追悼(137)(2019.02.11)
- 自然と命の画家・堀文子/追悼(136)(2019.02.09)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「日本の針路」カテゴリの記事
- Happy New Year(2019.01.01)
- 沖縄知事選の対決の構図/日本の針路(411)(2018.09.10)
- 不気味な日本列島の地殻変動/日本の針路(410)(2018.06.18)
- 佐川証言の虚偽/日本の針路(409)(2018.04.01)
- 麻生大臣の軽さと不見識/日本の針路(408)(2018.03.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント