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2014年9月29日 (月)

怪しい安倍改造内閣の女性閣僚たち/日本の針路(45)

NHKの朝の連ドラ『花子とアン』は好評裡に終了したが、終盤の花子の「腹心の友・蓮子さま」(仲間由紀恵)のラジオを通じての語りかけが評判になっている。
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https://www.facebook.com/mizuho.nakayama.14?fref=nf

私は、Mizuho Nakayamaさんを直接知っているわけではないが、同感したので引用させて頂いた。
せっかく花子や蓮子の活躍が話題になっているところである。
Nakayamaさんを含め、「女性の輝く社会」のモデルとすべきではないか。
仲間さんは私生活でも慶事だそうだが、『花子とアン』では主人公の花子にひけをとらない存在感を示していた。

蓮子さまこと柳原白蓮は、静岡県東部地域にも足跡を残している。
⇒2014年6月25日 (水):白蓮の鈴と裾野市の佐野原神社/富士山アラカルト(8)
三島市の龍沢寺の名僧・山本玄峰老師とも親しかったという。
先日その裏話を耳にしたが、10月13日の講演会で茂吉研究者の藤岡武雄氏から語られるはずであるから、事前のネタバレは遠慮しよう。
【ふるさと再発見!「柳原白蓮と三島を語る】

私は蓮子のセリフから与謝野晶子を連想した。
与謝野晶子は、『君死にたまふことなかれ』で有名である。

あゝおとうとよ、君を泣く
君死にたまふことなかれ
末に生まれし君なれば
親のなさけはまさりしも
親は刃をにぎらせて
人を殺せとをしへしや
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや

軍国主義の時代に堂々たる反戦詩である。
土井たか子さんの人口に膾炙した「山が動いた」は晶子の詩の中の言葉が元になっているそうである。

 「“山の動く日来る”という与謝野晶子の歌が好き。実際、山が動き始めた」(89年7月、参院選前哨戦の都議選で社会党が大躍進)
おたかさん語録「山が動いた」「やるっきやない」「私の闘いは続く」

山の動く日来る。/かく云へども人われを信ぜじ。/山は姑く眠りしのみ。/その昔に於て/山は皆火に燃えて動きしものを。/されど、そは信ぜずともよし。/人よ、ああ、唯これを信ぜよ。/すべて眠りし女(おなご)今ぞ目覚めて動くなる。
一人称にてのみ物書かばや。/われは女ぞ。/一人称にてのみ物書かばや。/われは。われは。
『青鞜』第2回 「山の動く日来たる」

安倍首相も、「女性が輝く日本」の構築を訴えている。
官邸サイトでも「女性が輝く日本へ」というページがあり、以下のような施策が説明されている。
待機児童の解消
女性役員・管理職の増加
職場復帰・再就職の支援
子育て後の起業支援について
関連リンク

「女性が輝く日本」という趣旨に反対するわけではないが、実際に先般の内閣改造で登用された大臣の顔触れを眺めると首を傾げざるを得ない。
安倍首相が極端な保守色を隠すために「女と申す者誰も戦争ぎらひに候」(与謝野晶子)という一般通念を利用しているだけだという批判がある(有村治子議員と靖国神社)が、そういうことであろう。

高市早苗・総務相
ネオナチ団体の代表とのツーショット写真が物議を醸している。

第2次安倍改造内閣で総務相に就任した高市早苗衆院議員や、自民党の稲田朋美政調会長ら国会議員3人が、極右団体代表の男性と議員会館で会い、ツーショットで撮った写真が団体のホームページに一時公開されていたことが9日、分かった。議員側は「男性の人物像は知らなかった」と説明した。
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高市早苗氏や稲田朋美氏、ネオナチ団体代表とのツーショット写真で波紋

個別の面談者に逐一文句をつけるわけではないが、「男性の人物像は知らなかった」という説明は虚偽の臭いがふんぷんである。

山谷えり子・拉致問題等担当相(国家公安委員長)
9月25日に日本外国特派員協会で拉致問題について講演したが、質疑応答で、在日韓国人・朝鮮人への差別的な言動(ヘイトスピーチ)を街頭で繰り広げる「在日特権を許さない市民の会」(在特会)との関係に質問が集中した。
たとえば「週刊文春」誌等で在特会との関係が取り上げられている。
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Q(英タイムス) 最近、元在特会関西支部長の増木重夫氏との関係が報じられた。疑いをはらす意味でも、何年前から増木氏を知っていて、何回会ったのか、在特会についての考えをはっきりと表明してもらえないか。
A 私は選挙区が全国でありまして、たくさんの人とお会いをしております。その、まき、増木さんという方が在特会の関係者ということは存じ上げておりません。
山谷えり子・拉致担当相、在特会との関係に質問が集中【ヘイトスピーチ】

山谷氏は、在特会という組織を知っているのか、知らないのか?
知っていて、公安の調査対象である在特会と写真を撮ったのであれば問題だし、知らないのでは国家公安委員長として怠慢ということになる。

有村治子・女性活躍・行政改革等担当相
今まで人物像が紹介されたような記憶のない人だが、女性活躍担当相は新設されたポストであるから、安倍政権が目玉として位置づけているのだろう。
有村治子氏は、警固神社のサイトに、「靖国に想うこと」という以下のような文章を寄稿している。

私は昭和四十五年生まれ、日本教職員組合(日教組)が学校現場で、強い影響力を持っていた時代に教育を受けた「戦後派世代」です。民主主義は、私が 生まれた時から空気の如く存在していたかのような認識でおりました。しかし、自らの可能性はもちろん、人の心も信じられず、極限まで追いつめられる選挙を 経験して、「ああ、民主主義って、なんと尊く有り難いものだろう。どれだけ多くの方々の想いと犠牲があって、平和が創られていることか…」と、ほとばしるような感慨と、感激の想いをもって、靖國・平和・民主主義をいつくしむようになりました。そして、この事実を痛感するに至った靖國に対する想いを、「普通 に育った戦後派世代」として、選挙区である全国どこに行っても、講演で申し上げるようになりました。右・左のイデオロギー論争に絡めて靖國のことを論じる のではなく、若手政治家として、選挙を通して実感した御霊に対する想いを自らの言葉でお伝えする時、世代や地域・個々の宗教宗派を超えて、一定の説得力を 持ち得ることも、確信するようになりました。
有村治子議員と靖国神社

いささか意味不明ではあるが、「ほとばしるような感慨」で「靖國・平和・民主主義」を讃えてるから、有村氏も安倍親衛隊ということだろう。

斎藤美奈子さんが書いているように、安倍首相の「女性の輝く社会」には「女王蜂症候群(クインズビーシンドローム)」という言葉がつきまといがちである。
女王蜂症候群とは以下のようなことである。

 男性優位の社会において、高い地位に昇ることができる女性はほんの一握りである。従って、やっとの思いで地位を手に入れた女性ほどその地位に固執する。仮に自分より若く有能な女性が登場すれば、それは自分の地位を脅かす存在に映り、助ける対象どころか敵として見なしてしまうのだ。その結果、女性が女性の足を引っ張って、成功や昇進を妨害する――。米国では1970年代にすでにこうした現象が問題視され、「女王蜂症候群」と名付けられたのである。
女性活用が陥る「女の敵は女」

雨宮処凛さんは、東京新聞の「新聞を読んで(9月28日)」というコラムで、「女性の活躍」が「女のコスプレをした名誉おっさんを増やす」ことにしかならないのではないか、という心配を表明している。
「おっさん」すなわち、「育児に非協力的で、出世のために長時間労働をいとわず、酒の付き合いを大事にする人」であり、「名誉おっさん」とは、日本型おっさん社会で仲間入りを認められた女性のことである。
「名誉おっさん」が増えても「女性の輝く社会とは言えないであろう。

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