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2014年9月 1日 (月)

日本国憲法第9条と自衛隊/日本の針路(34)

8月24日に富士総合火力演習が行われた。
「総火演:そうかえん」と略される演習で、毎年御殿場市の東富士演習場で実施される。
戦車やヘリコプター、様々な火砲などによる迫力ある実弾射撃が行われ、一般にも公開されるが、入場券は抽選になるなど人気が高い。
Soukaenn
富士総合火力演習とは?

一連の演習にかかる費用は1回3~4億円といわれており、「税金の無駄遣い」との批判もある。
しかし、この演習で使用される実弾は生産・購入後長期間経過し、用途廃棄直前となったものを使用しているという。
まあ、経費節約は好ましいが、目的との関係で評価すべきものであろう。

総火演は、外国武官にも公開されているという。
手の内を見せるようなもので、プラスマイナス両面があるのだろうが、泥憲和氏のFacebookによれば、特科部隊(砲兵)とそれを支える総合的工業力のレベルの高さは、外国武官を驚倒させるものだという。
つまり、外国からの進入に対する抑止力になっているということである。
防衛という観点からは、決してムダではないということだろう。

ところで、自衛隊は軍隊であるか否か?
総火演の状況からすれば、軍隊であることを疑い得ない。
そこで問題になるのは、憲法9条の規定との関係である。
Kyuujo_500_3
http://event.kinasse.com/kuma9/kyuujo.html

自衛隊が「陸海空軍その他の戦力」に該当するか否か議論されたこともあったが、「前項の目的を達するため」という条件に該当しないという解釈が多数派であり、私もそうである。
「前項の目的を達するため」とは、素直に解釈すれば、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」であろう。
自衛隊が合憲であるのは、積極的に戦争をしないということが条件ということになる。

軍隊は戦争をすることが仕事・職務である。
とすれば、積極的には戦争をすることが求められていない軍隊は自己矛盾か?

消防は火事を消火する組織である。
しかし、だからといって積極的に火事を発生させることはない。
同様に、積極的に戦争を起こそうとするわけではないわけである。

戦争放棄ということを追求すれば、非武装中立に行き着くだろう。
しかし、現段階で、非武装路線をとることは現実的とは言えまい。
国際機関が十分に機能して、他国からの危険性がない段階までは、国を守る武力は必要である。

軍隊は武力であり、実力で敵を倒すための組織である。
菅内閣当時、仙谷官房長官が自衛隊のことを暴力装置として批判されたことがあった。
暴力and/or装置という言葉がイケナイと批判されたわけであるが、軍隊の本質は力により他を圧倒するための組織であるから、暴力装置という表現が間違いだとは思えない。
⇒2010年11月20日 (土):仙谷官房長官がまたもや失言?

自衛隊は、戦わないための軍隊である。
そのために適度の演習も必要だと考える。
しかし、他国のために出動することには反対である。
集団的自衛権同士が衝突すれば、一挙に戦争は世界戦争に拡大するであろう。

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