検察審査会、東電幹部ら「起訴相当」と議決/日本の針路(18)
東京電力福島第1原発事故を巡り、東京第5検察審査会は31日、東京電力の勝俣恒久元会長(74)ら元東電幹部3人について、「起訴相当」と議決したと公表した。
あれだけの事故を起こしながら、誰も罪を問われないのは如何なものかと思っていたので、検察審査会の議決は妥当であると考える。
東京新聞8月1日
私は、小沢一郎氏の裁判に関連し、検察審査会のあり方に疑問を呈したことがある。
⇒2012年2月18日 (土):小沢裁判に対する疑問
⇒2010年10月 9日 (土):検察審査会/理念と現実の乖離(4)
⇒2010年10月 8日 (金):冤罪と推定無罪/「同じ」と「違う」(22)
東京地検は再捜査した上で起訴か不起訴か改めて判断する。
再び不起訴とした場合でも、検察審査会が2度目の審査で再び起訴すべきだと議決をすれば、検察官役に指定された弁護士が強制起訴することになる。
東電元会長ら3人「起訴相当」福島原発事故で
ほかに起訴相当となったのは、武藤栄元副社長と武黒一郎元副社長であり、小森明生元常務は不起訴不当、別の元副社長ら2人は不起訴相当とした。
「東電元3幹部 起訴相当」福島原発事故 検審議決 検察、再捜査へ
1つの焦点は、東電が2008年に15m超の津波を試算しながら対策を取らなかったことが過失に当たるかどうかだった。
東京地検は「最も過酷な条件での試算で、数値通りの津波の襲来を予測することは困難だった」として過失を認めなかった。
これに対し検審は「地震や津波が具体的にいつどこで発生するかは予見できない。想定外の事態が起こりうることを前提とした対策を検討しておくべきだ」と指摘。試算を受けた東電の対応を「時間稼ぎ」と断じた上で「容易に無視できないと認識しつつ、何とか採用を回避したいとのもくろみがあった」と批判した。
勝俣元会長は事情聴取で「重要な点は知らなかった」と供述したが、検審は「信用できない」と一蹴。「想定を大きく超える津波が来る可能性について報告を受けたと考えられる。東電の最高責任者として各部署に適切な対応策をとらせることができた」とした。
「東電元3幹部 起訴相当」福島原発事故 検審議決 検察、再捜査へ
立件し、有罪にするには難しい課題があることは想定される。
しかし、事故の当事者がまったく免責されるというのは、社会正義に反するのではないか。
東電の4~6月期の決算発表は、経常黒字だった。
「現場を中心に徹底的にコストダウンにつとめてきた結果だ」と広瀬社長は強調するが、電力料金を値上げしていることを忘れては困る。
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