安倍首相の平和祈念式典挨拶のコピペ疑惑/日本の針路(28)
安倍首相のコピペ疑惑が話題になっている。
8月6日と9日に広島と長崎で行われた平和祈念式典での挨拶について、昨年の式典のあいさつと同一の部分があり、コピペ(文章の切り張り)ではないかというものである。
世田谷区議会の上川あや議員の以下のツイートが多数リツイートされた。
もちろん、首相自身が原稿を作ったわけではなく、スピーチライターがいるのだろう。
とはいえ、最終的な責任が首相にあることも当然である。
『安倍首相、「広島原爆の日」の挨拶 "去年のコピペ"疑惑を検証する』という「The Huffington Post」の記事が首相官邸が発表している2014年と2013年のテキストについて、詳しく検討されている。
結論としては以下のように要約している。
こうして比較してみると、2014年のスピーチは2013年を元に、実績部分のみ書き換え、前後の挨拶部分はほぼそのままであることがわかる。
では、第一次安倍政権時の2007年8月6日の挨拶はどうか。一目瞭然、2013年、2014年と趣旨は似ているが、全く別の文章だ。
2013年と2014年の第二次政権下での挨拶にはない、特徴的な文言がある。
「今後とも、憲法の規定を遵守し」――。
憲法解釈を変えたばかりであり、さすがに、「今後とも、憲法の規定を遵守し」とは言えまい。
というよりも、第一次安倍政権時には、(少なくとも言葉の上では)立憲主義に立っていたのだ!
長崎についても以下のような投稿がある。
長崎市に原爆が投下されて69年目の8月9日、同市で開かれた平和祈念式典で、安倍晋三首相が読み上げたあいさつ文の一部が2013年の内容とほぼ同じだった。6日の広島市での平和記念式典のあいさつ文が「昨年の挨拶と同じでは」と指摘されたばかりだった。
2014年と2013年の安倍首相の読み上げたテキストを文書比較ツールで比較してみると、冒頭と結びの挨拶の部分は年数を変えた以外はほとんど同じであることがわかる。
安倍首相「原爆の日」あいさつ、長崎でもコピペ? 被爆者から批判も
安倍首相が自分の言葉で語り得ない人であることは、つとに指摘されていることではある。
2013年10月11日の日本経済新聞朝刊のコラム「春秋」で指摘されているように、水俣条約の会議に寄せたメッセージやオリンピック招致のプレゼンで、「原発の汚染水はコントロールされている」と言ったことなどに表れているように、その場をやり過ごせばOKという感じが露骨である。
⇒2013年10月12日 (土):水俣条約と真情に欠ける安倍首相の言葉/アベノミクスの危うさ(15)
自分の言葉で、人を感動させられる首相を持ちたいものだ、と思う。
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